今更ながらにバクマン。読みました。
何故今まで読んでいなかったかと言うと、漫画家の漫画としてイメージしていたのと違ったから。
具体的に言うと、漫画家の漫画と言うと真っ先に思い浮かぶのが、藤子不二雄のまんが道。完全にこれでイメージが固まってしまっていて、バクマン。は昔4巻くらいまで読んだのですが、漫画家がリア充、才能が最初からある、持ち込み即高評価・即掲載ってのが、どうしても漫画家の漫画としては受け入れ難いというか…。漫画家になるまでの話を想像していたので、その想像との余りの違いに1度読むの止めていました。で、年末暇ですし、完結していることだし、久々に読み始めたら…無茶苦茶面白い。
まんが道と最も違うのは、編集部、正確にはジャンプ編集部ですが、その内実が話の4割くらいあるってことですね。まんが道はあくまで藤子不二雄視点で、純粋に完全に漫画家目線の話でしたからそこが大きく違いました。
あと最初にも書きましたが主人公の漫画家2人が最初から才能があると言うこと。絵が上手くて話を作るのが上手くて、持ち込み即高評価ですからね。その辺は若干違和感を感じましたが。このおかげで雑誌に掲載されるのも早く、最初はとんとん拍子に進むので、まんが道のような”漫画家になるまでの話”を期待すると肩透かしを食らいます。実際私はそれで想像と違ったので、1回読むのを止めていました。しかし続きを読むと掲載してから全然上手くいきませんし、苦悩もしますし、まんが道とは違うアプローチの仕方で、漫画家の裏側を描いた作品で非常に面白かったです。まんが道と編集王を足して2で割った感じの漫画でした。
DEATH NOTEのように台詞やモノローグが非常に多く、時間を計ったところ、1巻読むのに1時間くらい掛かりました。これを読み応えがあると感じるか、台詞が多すぎて面倒くさいと感じるかは人によりますが、私は読み応えがあると感じました。別に引き延ばして無理に台詞を入れているとか、余計なことをぐだぐだ喋らせているわけではないですからね。必要な台詞や心の声を文字にして、なるべくしてなった台詞の多さですから。
終わり方はまあ人それぞれなのですが、唐突に終わった感じがするので、個人的にはもうちょっと余裕を持って後日談を入れて欲しかったかなと。
しかしジャンプ編集部のシステム面白い。面白いというか興味深い。徹底的に人気作を生み出すことに特化したシビアなシステム。しかしそれを完全肯定も美化もせず、問題点や課題もきちんと漫画内で描いていたので、その辺も含めかなり大胆で意欲作なんだと思います。
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