正当なバック・トゥ・ザ・フューチャー3の続編「Back to the Future: The Game」レビュー

概要

Back to the Future: The Game

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの後日談を描いたゲーム作品。Telltale Gamesより、インターネットダウンロード形式で販売されている。日本からでも購入可能であるが、日本語未対応。

 

映画版の脚本家であるボブ・ゲイルが監修にあたり、ドクの声優には映画と同じくクリストファー・ロイドが、ジェニファーの声優にはPART Iで同役を演じたクローディア・ウェルズが起用されている。また、マーティ役には新人声優のAJ LoCascioが起用されており、声質・話し方ともにマイケル・J・フォックスに極めて近い演技 。

 

映画の物語からそのまま繋がるストーリーとなっており、随所に映画版に言及する台詞や小ネタが挟み込まれるなど、映画版を強く意識した作り。お約束のシーンでは、台詞のみならず小道具、カメラアングルに至るまで映画の共通シーンと似せられている。お約束のシーンに関しては、バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ内でよくみかけるシーン。

 

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バック・トゥ・ザ・フューチャーの続編

バック・トゥ・ザ・フューチャーと言えば当然映画の三部作を指すのですが、これはその映画三部作のあとの話です。バック・トゥ・ザ・フューチャー3でドクとマーティは永遠の別れをしたと思って切なくなった人も多いんじゃないでしょうか。かくいう私もそうです。あれで完結であり、あれでマーティとドクは二度と会わない別れをしたと思っていました。これは勿論正しいのですが、もう一つこのゲームでその続きがあったんです。

 

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こう聞くと、「どうせゲームのために無理矢理作った蛇足だろ」と思われるかも知れませんが、概要部分を読んで頂ければわかるように、映画で脚本を書いていたボブ・ゲイルさんがこのゲームの脚本を書いています。ボブ・ゲイルさんは映画のオーディオコメンタリーでも喋っていて、バック・トゥ・ザ・フューチャーのストーリーはこの人がほぼ作っていた中心人物でした。。そのボブ・ゲイルさんが脚本を書いた新ストーリーなので、あのバック・トゥ・ザ・フューチャーの続編と言って差し支えないと思います。

 

ゲームに日本語版は無し

このBack to the Future: The Gameは残念ながら日本語版はありません。ところが世界中にバック・トゥ・ザ・フューチャーファンはいるもので、イベントムービーだけを繋げた動画が多数アップロードされています。そしてその動画に有志の方が字幕を付けてくれています。

 

 

5エピソードで1エピソード90分前後くらいなので、時間だけ見ると、1エピソードでちょっと短い映画1本分ですね。トータルだとなんと6時間30分程の動画になります。ここまでくるともはや映画と言っても過言では無いでしょう。つまりあのバック・トゥ・ザ・フューチャー映画の続きが、まだあったってことに近いです。これはファンなら見ない手はないでしょう。と言うことで、このBack to the Future: The Gameの動画を映画として見た感想です。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャーテイスト再び

バック・トゥ・ザ・フューチャーのお約束は無数にあるのですが、このゲームでもそのお約束が満載でした。

 

いつもの看板の後ろにデロリアンを隠す。新しい時代に行くと車に轢かれそうになるマーティ。

 

数々のお約束が踏襲されており、まさに「あの」バック・トゥ・ザ・フューチャーでした。

 

登場人物

バック・トゥ・ザ・フューチャーはシリーズを通して、親や子供、またはそれ以上離れている先祖や子孫が出てきて物語を繰り広げるのがひとつの魅力でした。そして今回もそのパターンは踏襲しており、マクフラ家やタネン家、そしてヒル・バレーの面々の親やお爺さんが出てきます。

 

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17歳のドク。マーティの祖父アーサー。ビフの父キッド、祖父のボールガード。ストリックランド先生の姉エドナ。マーティの恋人ジェニファーの祖父パーカー。映画でもお馴染みの面々の父親や祖父が大活躍です。そして彼らの行動が次の世界の出来事に繋がっていくタイムトラベル独特の面白さ、パズルのピースが嵌まっていく感覚は、まさにあのバック・トゥ・ザ・フューチャーままです。

 

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各エピソード解説

Episode1. It’s About Time

Back to the Future: The Game

あの冒険から半年以上が過ぎた、1986年5月14日。思わぬ形でドクとの思い出を呼び覚まされたマーティは、母ロレインに促されドクのガレージを訪れる。そこでは、失踪者扱いとなっていたドクの持ち物が市によって「遺品セール」として売り出されていた。

 

困惑するマーティだったが、父ジョージやビフに「ドクは生きている」と話しても事態は変えられない。と、ガレージの中で一冊のノートを発見する。それは次元転移装置の構想が書かれたドクのノートだった。

 

突如として、ガレージの外で閃光が走り、聞き慣れたソニックブーム音が鳴り響く。外に出たマーティが見たものは、半年以上前の1985年10月27 日午前11時、1885年から戻った直後にディーゼル機関車と正面衝突して破壊されたはずのデロリアンであった。車内にはドクの愛犬アインシュタインがいるだけでドクはおらず、その他には女性ものの靴の片方、そしてドクからのメッセージが録音されたテープレコーダーがあるだけだった。

 

「マーティ、私を助けに来てくれ」

 

デロリアンに残された靴の匂いをアインシュタインに嗅がせたマーティは、ヒルバレー高校のストリックランド教頭の姉・エドナの元へとたどり着く。エドナが収集している新聞から、マーティは「カール・セーガン」と名乗るドクが1931年6月14日に闇酒場に放火した罪で逮捕され、裁判所の前で何者かに殺された事を知る。ドクを救うため、マーティはアインシュタインと共に再びデロリアンに乗り込み、禁酒法時代の1931年へと旅立つ。

 

今回の舞台は映画で出てきた1885年でも1955年でも、ましてや1985年でもありません。遂に新しい時代へ行きました。これはワクワクしました。その時代は…1931年です。第二次世界大戦の10年近くも前であり、アメリカでは禁酒法が施行され、マフィアが暗躍する暗黒の時代と言われたその時です。

 

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このエピソードで一番驚いたのは、1931年時点でドクが17歳だったこと…。これってつまり生年は1914年ってことですよね。と言うことは、1955年の時点で41歳。1985年時点で71歳だったことになります。そしてPART3では、クララと子供をもうけていたので、71歳+数年後に子供を作ったことになります。2015年の未来で若返り手術を受け、寿命が30年延びただろうと言っていましたが、それにしても凄いです。まあとにもかくにも長年謎だったドクの生年、年齢がわかりました。まあこれを公式設定に入れるかどうかについては、また問題もあるのですが。

 

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このエピソードでは、ドクがピンチに陥ったとき、自動的にマーティの元へデロリアンが行くようにドクがシステムを作っていたようで、この言わば保険が発動して、デロリアンが犬のアインシュタインを乗せてマーティの元へと現れます。ちなみに、何故ドクが1931年に行ったのかは、ゴタゴタしていて暫く明らかになりません。

 

このエピソードの主な話は、留置所に収監されているドクを脱獄させること。そのために若きドクにドリルロケットを開発して貰うこと。そしてドクがキッドに殺されないように守ることです。

 

いつもの如くそれぞれの話が一筋縄ではいかず、若き日のドクは法律家を目指しており、科学の道に目覚めさせるためマーティが悪戦苦闘しますし、キッドからドクを守るためにも四苦八苦です。バック・トゥ・ザ・フューチャーの魅力である、人の人生を軌道修正させる奮闘ぶりが満載でした。

 

Episode2. Get Tannen!

Back to the Future: The Game

Episode1でキッドに殺されるドクを救ったマーティ。これで万事解決かと思いきや、今度はマーティ自身の存在が消滅する危機が襲ってくる。ドクを殺し損ねたキッドは、次に裁判所にキッドを告発した、マーティの祖父アーサーを殺したと歴史が修正されてしまったのだ。

 

この事実を知ったマーティは再びデロリアンに乗り込み、アーサーが殺される直前であり、マーティー自身がこの時代へ来た日の1931年5月14日へ再びタイムトラベルをする。果たしてマーティは祖父のアーサーを救い、自分の存在を守れるのか。

 

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今回、Episode2まで見てわかると思いますが、完全に映画バック・トゥ・ザ・フューチャーをなぞったか形になっているのがわかると思います。簡単にあらすじを書くと、Episode1は「死ぬはずのドクをマーティが救いに行く」。Episode2は「ドクを救ったが今度はマーティ自身が危機に陥る」でした。

 

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どこかで聞いたような話だと思いませんか?そうこれはEpisode1が、ドクが西部時代へ行き、ビフの先祖に撃たれて死んだドクを救ったバック・トゥ・ザ・フューチャー3の前半。Episode2が、ドクを救ったあとに、今度はマーティ自身が殺される歴史になってしまったバック・トゥ・ザ・フューチャー3の後半に該当します。なので、厳しい目をした人から見ると、もしかしたら「新作とは言えない」との感想になるのかもしれません。

 

このエピソードは途中でストーリーと関係のない、「犬のアインシュタインを高い所から救う」ミッションがあるので、少しいらない部分が目立つパートだったかなと思います。これはゲームの特性上仕方なく、ユーザーが自分で操作する感覚を味あわせるため致し方ないですね。映画として観ると若干冗長な部分もありました。

 

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良かった所としては、バック・トゥ・ザ・フューチャーではお馴染みの「あの道具がこんなところで役に立つのか!」パターンがあったことです。このエピソード最初で入手した玩具の銃が、意外な所で役に立ちました。このような伏線の出し方と回収がバック・トゥ・ザ・フューチャーは上手いんです。その辺もさすがに本家映画の脚本家ボブ・ゲイルさんが担当しているだけあり、完全にバック・トゥ・ザ・フューチャーの世界観やクオリティを維持していました。

 

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Episode3. Citizen Brown

Back to the Future: The Game

Episode2で無事祖父のアーサーをキッドの手から守り、自分の存在を確定させたマーティ。これで万事解決と思いドクと元の1986年に戻ろうとするが、若き日のドクがエドナとデートをするところを目撃したマーティがドクにそれを伝えると、ドクにはそんな記憶が無く、訝しがっているドクの体がどんどん透明になり消えてしまう。

 

既にタイムトラベルに入っていたデロリアンは、そのまま1986年へ戻るのだが、そこでマーティが見た物は、ドクと奥さんのエドナが独裁政権を敷くヒル・バーレーだった。

 

デロリアンは空中の看板に激突。その後落下して壊れてしまい、歴史を修正しに過去に戻ることも出来ず、この世界で独裁政権を敷くドクに会いに行くのだが、そこには自由など全く無い、規則に縛られたヒル・バレーがあった。

 

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今回のEpisode3も、「過去を改変したことにより、未来が本来とはだいぶ違ってしまった」との話の流れでした。バック・トゥ・ザ・フューチャーの話の流れは基本これですね。

 

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今回は今までのように荒れた1986年ではなく、真逆の一見完璧とも思える規律が敷かれたヒル・バレーでした。しかしその一方であまりに規則が厳しく、自由が全くないので、人間らしい生活が送れない、ある意味監獄のような場所となっていました。本来ならここから過去に戻って歴史を修正しに行く流れです。なにせいつの時点(1931年)で、どの出来事(ドクとエドナのデート)でおかしくなったかは明確にわかっているのですから。ところが今回はデロリアンが壊れてしまったので、このドクが独裁政権を敷く世界でドクの手を借りるとの、難しいミッションをこなさなければならなくなりました。

 

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ちなみに、不良市民を更正させるプログラム「シチズンプラス」が物語の重要なキーになっているのですが、不良市民を更正させる装置が時計でした。

 

このシチズンプラスのシチズンとは、日本の時計メーカーで有名ですが、元々の英語の意味は市民や大衆との意味です。なので、独裁体制の1986年ヒル・バレーでは、住民はみな名前ではなく市民(シチズン)と呼ばれており、その市民を更正させるプログラムがシチズン・プラスです。日本の時計メーカーのシチズンと掛けて、その装置は時計になっています。

 

Episode4. Double Vision

Back to the Future: The Game

Episode3で、シチズン・プラス計画に秘められたエドナの陰謀を暴いたマーティ。この世界のドクにもなんとか、自分がタイムトラベルしてきた違う時間軸のマーティであることを理解してもらい、壊れたデロリアンの修理を引き受けて貰うことに成功する。ところがその矢先、シチズン・プラス計画の本来の目的が露見させられたエドナに、マーティとドクは拉致監禁されてしまう。

 

果たしてマーティとドクはシチズン・プラス計画の餌食になってしまうのか。

 

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このEpisode4は、狂った1986年を元に戻すために、1931年に戻ったマーティと閣下(1986年の独裁者ドク)が、若きドクとエドナを別れさせるための話です。これは、映画のPART1で、マーティの両親であるジョージとロレインを「くっつけた」のとは真逆の話で、いわばPART1のシンメトリー(対になること)ですね。映画のPART1はくっつけるため。そしてこのゲームのEpisode4は別れさせるためとなっていて興味深かったです。

 

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実はEpisode4の後半まで、ずっと閣下が若き自分とエドナを別れさせることに積極的だったのが違和感がありました。最終的に裏切られたとは言え、55年間付き合ってきた女性であり、生涯を共にした妻ですからね。それなのに閣下が何の躊躇いもなくエドナを捨てようとすることにう~んと思っていたのですが、最終的にやはりエドナを救うために動いてくれたので、ドクという人物に幻滅せずに良かったです。

 

この閣下の行動も「どうなるんだ?」感が凄くて、自分の正常な時間軸を取り戻すために、なにがあろうと別れさせようとするマーティに対し、別れるとは言え、情が移っているのでエドナを救いたい閣下で意見が対立して、最終的に閣下は単独行動に走るのですが、今までドクとマーティが意見が真っ二つに分かれ対立したことがなかったので、この先どうなるんだと、非常に先が気になる展開でした。

 

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ラストでは映画バック・トゥ・ザ・フューチャー2のラストと同様、次作への予告が入っていて、まさに映画通りの作りになっていてニヤッとしてしまいました。そしてあの「TO BE CONCLUDED…」(次回で完結)の文字が。こういう細かい演出がバック・トゥ・ザ・フューチャーの魅力の一つなのですが、ゲームでも健在で、さすがに映画で脚本を書いたボブ・ゲイルさんが作った話だけあります。

 

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Episode5. OUTATIME

Back to the Future: The Game

Episode4で、どうしても時間軸を元に戻したいマーティと、エドナに少なからず愛情がある閣下で意見が分かれ、デロリアンに乗って単独行動に出てしまう閣下。閣下はエドナの不幸な未来を救うため、マーティの秘密を打ち明けようとするが…。

 

果たしてドクは元に戻るのか。そして閣下のエドナも救いたいとの思いは果たされるのか。そして狂いに狂ってしまった元の1986年は元に戻るのか。

 

Back to the Future: The Gameゲームが遂に完結する。

 

ここからは終わり方に関するネタバレが含まれるので、まだ動画を見ていない人は後回しにしてください。

 

さて、最終エピソードですが…正直かなりタイムパラドックスがある気が…。しかもそれをわかってもう気にしていないような脚本でした。今まで映画では細かく分析すると、「おかしいかな?」程度の疑問はあっても、全体的には上手く辻褄を合わせていたのですが、今回は大きな疑問が沸いてしまうシーンがいくつかありました。

 

今回のお話は、回り道を続けた若きドクの「科学者を目指す未来」をマーティが導く奮闘記でした。しかしそのせいで、狂った1986年とは言え、その閣下ドクの存在が消えてしまい…正確には存在の融合と言うべきなのか…。それにしてもマーティとドクと言う、バック・トゥ・ザ・フューチャーの主役2人のうち1人の存在が消えてしまう衝撃の展開。これは正直なところやって欲しくなかったかも…。禁じ手の一つだったかも知れません。

 

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また、今回は映画と明らかに被るシーンもありました。映画のPART2でビフの運転する車に、マーティがホバーボードで食らいつくシーンがあったのですが、全くそれと同じ構図で、今回はエドナの運転する車にマーティが食らいついていました。

 

物語全体の後半(1986年が狂った頃)から顕著だったのですが、このゲームは今までの映画と違い、全編でビフ(タネン家)が敵ではありませんでした。1986年が狂ってからのラスボスはエドナに変わり、以降タネン家はほとんど物語に絡まず、終始エドナと敵対していて、これも映画とは違った要素でした。

 

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そして終わり方なのですが…。映画ではマーティとドクが別々の人生を歩み、永遠の別れとも思える別れをして、「お互いに人生頑張ろう」的終わり方だったのですが、今回のゲームでは、色々なことを過去で変えたことにより、その未来も若干代わり、ドクはずっと1986年当時のあの家に、クララや息子たちと住んでいることに変わっていました。

 

ちなみにこのエピソードのサブタイル「OUT A TIME」は、デロリアンの2015年でのナンバーです。当ブログのバック・トゥ・ザ・フューチャーの伏線記事でも書いていますが、「時間の外」との意味です。

 

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…と、ここで終わって「マーティとドクの友情は永遠だ」で良かったのですが、最後の最後に未来のマーティ3人が来て、再び時間の旅に出るドクとマーティで終わりました。いわゆる「俺たちの冒険はこれからも続く終わり」ですね。これは、まだ見ぬ未知の冒険にワクワクして終われる一種の定番となっていますが、ここはきっちり完結でも良かったんじゃないかなと。まあそれでも凄く面白かったんですけどね。

 

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ちなみに、ドクがなんとか救おうとしていたエドナは、途中とても酷い人生に追い込まれますが、最後には偶然に近い形ではありますが、本来の1986年よりも幸せになっていました。

 

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そして終わり方は映画のPart1と全く一緒でした。こういう心憎い演出がたまりません。

 

ちなみに、ドクが1931年へ行った理由は、「マーティの高校卒業記念にマクフライ家のアルバムを作るため」との、超個人的理由でした。どうしてもマーティの祖母のシルヴィアのことだけがよく分からないので1931年へ行っていたんです。

 

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ゲーム映画を超えたか?

これは残念ながら映画を超えてはいないと思います。物理的にも不可能ですし当然でしょう。物理的にとは、予算、人員、時間などで、映画とは圧倒的な差があるため、元々不可能に近いのはわかっていました。とは言っても小規模で大規模の物を超えることはまれにあるのですが、さすがにバック・トゥ・ザ・フューチャー映画の規模ともなると、とんでもない予算で天才たちが集まり、じっくり時間を掛けて作りますからね。それでも相当映画のクオリティやテイストに近付いていて、話自体はやはり本家の脚本家ボブ・ゲイルさん完全書き下ろしなので、続編と言って全く問題がない話でした。

 

狭く深いバック・トゥ・ザ・フューチャー

今更ですが、このバック・トゥ・ザ・フューチャーの特徴を少し挙げると、ヒル・バレーたった一つの街で起きているミニマムな世界だと言うのがあります。タイムトラベルとは実に壮大な話であり、ともすれば世界自体を改変出来る力を持つのですが、このバック・トゥ・ザ・フューチャーは、ヒル・バレーの外は99%無視です。全編通してほぼヒル・バレーの中でしか出来事は起こりません。

 

更に場所の範囲だけではなく、関わる人物も極端に狭いです。マーティやドク、そしてその周りの関係者だけで構成されていて、それはどの時代に行っても同じです。タイムトラベルの壮大な仕掛けとは真逆に、物語は狭く深くなんです。

 

そしてこのゲームもそれは踏襲されており、やはりヒル・バレーで起こる出来事であり、マーティとドクの関係者のみで起こるミニマムな世界の話でした。

 

しかしこの狭く深い話は実に理に適っていて、これをヒル・バレーの外の世界に下手に広げてしまうと、バック・トゥ・ザ・フューチャーの魅力でもある伏線と回収、細かい作り込みが効かなくなる可能性大です。世界が大きければそれだけ細々と気を遣うことは難しくなり、観ていてニヤッとするような感覚はなくなったでしょう。その狭く深い世界をゲームでも受け継いでいたのは良かったです。

 

総括

このゲーム動画を全て見た感想ですが、一言で言うと素晴らしかったです。映画に及ばないことは前述しましたが、それでも映画を10とすると8くらいの出来にはなっており、映画脚本家のボブ・ゲイルさん完全書き下ろしなので、続編と言って間違いなく、映画が好きならこれを見ておいた方が良いでしょう。

 

後付けの話は、見なければ良かったなんてことも少なからずあるのですが、これはボブ・ゲイルさん脚本なので、見なければ良かったなどという感覚にはならないでしょう。

 

このゲーム動画は全部で6時間30分を超えており、時間だけを見ると、映画3本分くらいあるのかと思われるかも知れませんが、この6時間30分で映画1本分か、もしくはあっても2本分の脚本の内容だと思います。あくまでゲームという媒体なので、動画の中には自分で操作する楽しさを出すためのミッション(お使い)などもあるので、その辺を差し引いて映画としては3時間~4時間のボリュームでしょうか。

 

また、行き来する時間もほとんどが1986年と1931年の二つの時代だけで、最後の最後に少しだけ1876年が出てくるだけなので、話の広がりや驚き、伏線の回収や繋がり方では、映画3部作には敵いません。これらのことを勘案すると、多く見積もって映画2本分の脚本内容かなと思います。

 

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