今回レビューするのは、ARCTICさんのCPUグリース 『MX-4』です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
目次
特徴
- [熱伝導率 ]: 8.5W/mk [密度]:2.5g/ 立方センチメートル [粘度] : 870poise [内容量] : 4g [付属品]:ヘラ*1 指サック*2
- 特徴1:高い熱伝導率 、低い熱抵抗値 、絶縁性
- 特徴2:粘性が低く塗布しやすい
- 特徴3:ポンピングに強い
長所と短所
- ○4gと容量が多くて安い
- ○オールインワンセットでこれだけあれば事足りる
- ◎劇的に温度が下がった(私のケースでは)
- ○柔らかいので塗りやすい
外観
パッケージ外観
セット内容
パッケージ内容は画像の物で全てになります。
CPUグリス。
指サック。
ウェットティッシュ。
使用した感想
○4gと容量が多くて安い
CPUグリスは量が非常に少ないことが普通なのですがこれは4gと大容量です。大体1回で1gあれば十分すぎるので4回くらい使える容量です。袋にはZIPロックのようなファスナーが付いているので、1回使ったらそこにヘラと一緒に入れて保存しておけます。
使い方は簡単です。蓋を外して注射器のようにお尻の部分を押してやるとニュルッとグリスが出るので、CPUの上に乗っけてあとはヘラで伸ばすだけです。やり方としては真ん中にこんもり置き、あとはCPUクーラーを押し付けて自然に伸ばす方法もあるのですが、私はヘラで均等に伸ばしています。このようなCPUグリスにヘラが付属していることを考えてもきちんと伸ばした方が良いと思います。
○オールインワンセットでこれだけあれば事足りる
付属品はグリス、ヘラ、指サック、ウェットティッシュと、グリスを塗るのに必要うな物は全て揃っています。一応指サックは静電気防止のためだとは思いますが私は使用しませんでした。また、ウェットティッシュは水ではなく無水エタノールで湿らせてあります。
新たにグリスを塗り直すときは、当然CPUに塗られた古いグリスを拭き取るのですが、この場合無水エタノールがあるのとないのでは雲泥の差です。無水エタノールはシリコンを分解する効果があるので、コチコチに固まったCPUグリスも綺麗に拭き取ってくれます。この商品には前述したように、無水エタノールが含まれたウェットティッシュが付属しているのですが、小さい物ですし水分が蒸発して固まったCPUグリスを綺麗に拭き取るには別途無水エタノールを購入して使用した方が良いです。
無水エタノールと消毒用エタノールの違いはその名の通り水分含有率です。この無水エタノールを無水エタノール1、水4で薄めると消毒用エタノールになります。これを霧吹き容器にでも入れて電子レンジ内部に吹き付けて掃除すると汚れが綺麗に取れます。その他、消毒したい食器やキッチン各所に吹き付けると消毒できます。1番コスパの良い無水エタノールは量が多いのですが1個あると便利です。
ティッシュに無水エタノールを含ませても良いのですが、頑固にこびり付いたCPUグリスを力を入れて拭き取ると破れてしまうので、念のためキッチンペーパーの使用をお勧めします。キッチンペーパは厚みがあり丈夫で、なおかつ柔らかく吸水性が高いので、無水エタノールをたっぷり含ませて使用することができます。
この画像が古くなったCPUグリスで拭き取る前の状態です。
キッチンペーパーに無水エタノールを含ませて拭き取ると、まるで新品のようにCPUの表面が綺麗になります。
当然、CPUクーラーに付いているグリスも同じ要領で拭き取ります。
◎劇的に温度が下がった(私のケースでは)
今回新しいCPUグリスを購入した理由は単純で、CPUの温度が気付いたら劇的に上がっていたからです。何故かここ1ヶ月くらい強制終了することが週に2,3回あり、色々原因を探り、最終的にはOSのクリーンインストールまでしたのですが解決しませんでした。この時点でソフトウェアの問題ではなく、どこかハードウェアの問題だとは思っていたのですが、すっかりCPUの温度のことは忘れていました。ハードウェアを温度が上がるような弄り方はしていませんし、去年の夏も問題なかったからです。しかし、色々試して駄目だったので、もしかして…と思いCPU温度を見たらエンコードの高負荷時95度くらいになっており…。
どう考えても90度オーバーどころか100度近いのはおかしいので、強制終了の原因はこれだなと確信。CPUファンの回転数をマックスにしても焼け石に水。現在使用しているCPUグリスの余りを取ってあったので、それを引っ張り出して塗り直しても温度変わらず。そこで使用している水冷クーラーをCPUファンでサンド(挟む)状態にしてみたところ…10度くらい下がりました。とは言ってもまだ85度くらいなので異常な状態には変わらず。致命的な温度は脱したもののこれではいかんと思い、定評のあるCPUグリスの『MX-4』を購入しました。
新しいCPUグリスを注文したのは良いのですが、ネットで他の方の経験談や解説を見ると、CPUグリス塗り替えで劇的に温度が下がることは少ないとのこと。とは言っても、CPUファン自体を交換する以外、今のところできる対策で残っているのはこれだけなので、ダメ元でやるだけやることに…。ところが、新しいCPUグリスに塗り替えたところ、なんとここから15度から20度下がりました。これは嬉しい誤算です。
ただ、これはレアケースなのだと思います。色々調べましたが、CPUグリスの塗り替えで劇的に下がることは少ないようです。私の場合、CPUグリスを塗ってから4年以上放置していたので、だいぶ劣化していたのだろうと言うことだと思います。余りを引っ張り出して使っても駄目だったのは、水分を含むCPUグリスは、きちんと保管していたつもりでも劣化していたのだろうと言うことも。これら悪い状況が重なって本来よりも30度近く温度が上がっていたのだろうなと思います。ただ、逆に言うと私のように4年や5年CPUグリスを塗ったまま放置していた場合、グリスの塗り替えで温度が劇的に改善する余地はあるのだと思います。
CPUグリスは千円程度の物なので、あれこれ悩むよりサクッと買ってさっさと塗り替えて結果を見た方が良いと思います。それで駄目なら安く済む順でケースファンの交換、CPUクーラーの交換と段階を踏んでいけば良いでしょう。
○柔らかいので塗りやすい
このグリスは評判通り柔らかくて塗りやす(伸ばしやす)かったです。中央にこんもりCPUグリスを塗り、付属のヘラで丁寧に平らになるように伸ばします。少ないより多い方がマシだろうと多めに塗りました。
下に地肌(CPUの金属面)が見えないように端まで丁寧に塗りました。
固いCPUはドライヤーで容器ごと温めてからでないと伸ばすのが大変な物もあるのですが、こちらは力を入れずに伸ばすことができました。柔らかくて塗りやすいことは大きなメリットだと思います。初心者にも安心。
総評
CPUの温度が異常に上がっていたのでビックリして色々試し、それでも駄目だったのでダメ元でCPUグリスを別に新しい物にしてみましたが、最終的には当初の95度くらいから65度くらいまで30度近く下がったのでビックリしました。その前に水冷のCPUクーラーをケースファンでサンドしたり足掻いたので、純粋にCPUグリスで下がった温度は15~20度ですが、それでもこの効果は凄いです。ただ、CPUグリスの交換でここまで改善することはまれなようなので注意してください。一般的には5度程度の改善との報告が多く見受けられました。よっぽど私の使用していたCPUグリスが劣化していたろ言うことでしょう。本格的な夏前に気付き、そして改善できて良かったです。
こんな人にお勧め
- 何故かCPU温度が上がってしまった人
- CPUグリスを塗ってから数年たつ人
- 柔らかくて塗りやすいCPUグリスが欲しい人
- 評判の良い売れている有名なCPUグリスが欲しい人
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