漫画全話レビュー「めぞん一刻 第043話「坂の途中」」 5/5 (1)

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1982年11月30日号

 

アニメでは

 

時系列とでき事
  • 1982年11月 五代裕作、一刻館へ帰る

 

この頃のでき事
  • 11月10日 - 中央自動車道が全線開通。
  • 11月10日 - ソ連のレオニード・ブレジネフ書記長死去。後任にユーリ・アンドロポフ元KGB議長が就任。
  • 11月15日 - 上越新幹線大宮駅 - 新潟駅間開業。大規模ダイヤ改正をそれに伴って行う。広島地区への115系投入、181系・153系が特急・急行運用から引退。
  • 11月15日 - トヨタ自動車が「マスターエースサーフ」を発売(「タウンエース」の姉妹車。1992年以降は「ライトエース」が姉妹車となった)。
  • 11月24日 - 中曽根康弘・行政管理庁長官、自民党総裁予備選で圧勝。
  • 11月27日 - 第1次中曽根内閣発足。田中派の7人入閣。
  • 大阪府警察賭博ゲーム台汚職。多くの警察署で、防犯課の捜査員が取締情報を対象店に洩らし、見返りに現金を受け取っていた。現職3人・退職者2人・店関係者10人を贈収賄で逮捕、警察官124人懲戒処分。当時警察本部長だった警察大学校長が責任を取り自殺。

 

あらすじ

五代君の状況を知った響子さんは五代君に会いに行くのですが、そこにはもう1週間程戻っていないとのこと。一方その頃五代君は、深夜に帰ったら鍵が閉まっていたため、坂本の家にずっと泊まっていました。すれ違う五代君と響子さん。果たしてこのまま五代君は一刻館に戻れないまま終わってしまうのか。

 

みどころ

  • 五代君と響子さんの号泣

 

はじめに

今回は響子さんが五代君を迎えに行くものの、本当に五代君が行方不明になってしまい、打つ手無しとなってしまう話です。

 

管理人には関係ないでしょ

響子さんは五代君が女性と同棲していると知って怒り、五代君から帰りたいとの電話が掛かってきたときに、全室塞がっているから無理と言ってしまったのですが、それを一の瀬さんと朱美さんに言ったところ総突っ込みを受けていました。「五代君が女性と同棲したからって管理人にそんな権利あるの?」と。ごもっともです。誰がどう見ても完全に管理人と店子の関係ではないんですよね。

 

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それを響子さんだけ認めず、そして五代君もそれに気付かずと言う…。このおかしさにどちらかがもっと早く気付いていれば、関係の進みは断然早かったんですけどね。

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困ったら坂本

めぞん一刻は一刻館での話がメインなので、五代君の大学の交友関係はいまいちわからないのですが、五代君は困ったら坂本です。もう1人小林との名前のある友人も居るには居るのですが、こちらはレアキャラです。今回もアパートから閉め出され、行くところがなくなったら坂本の家に転がり込んでいました。その坂本の経済力や女性遍歴が謎なのは以前にも書きましたが、今回も女性を部屋に連れ込んでいました。顔は五代君の方が良く見えるんですけどね。坂本は一切人見知りしない性格なので、その辺が女性にもてるんでしょうか。

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号泣

五代君の居場所は大宇宙ホール2階しか手掛かりがなく、そこから更に消えてしまうと、響子さんには探す手立てがなく手詰まりだったのですが、またしても一刻館の様子をこっそり見に来た五代君と響子さんたちが偶然鉢合わせとなり、逃げる五代君を響子さんが全力で追いかけて捕まえていました。

 

五代君は高校時代ラグビー部でした。そして男性なので女性より脚力は圧倒的に上です。にも関わらず、響子さんは逃げる五代君に追いついていました。響子さんの足が速いのか、五代君の足が遅いのか、はたまた火事場の馬鹿力なのか…。響子さんは自分の勘違いで酷いことを言ってしまったことを激しく後悔していたので、五代君とは必死さが違ったのかも知れません。また、五代君は内心「追いついて捕まえて欲しい」と思っていた可能性があり、逃げる足が無意識に遅くなっていたのかもしれません。

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五代君と響子さんは道ばたで倒れ込んだ号泣ですよ。響子さんは自分の責任で五代君が帰ってこられなくなってしまったことを悔やんで。五代君はやっと一刻館に帰れると思った安心感から。

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兎にも角にもこれでやっといつもの一刻館の生活が戻ってきます。

 

総評

今回道ばたで五代君も響子さんも大泣きしていましたが、このような本心のぶつけ合いや醜い自分を見せる事って、男女関係に限らず親密になるうえで凄く大事ですよね。こういうことが一切無かった三鷹さんは勝てるわけがないんです。過ごしてきた時間の密度が違いすぎます。

 

この話は初期で一番の大型エピソードでした。話数にすると5話なのですが、漫画内の時間すると約2ヶ月家出をしていたんです。単行本で読むとすぐに感じるのですが2ヶ月ですからね。2ヶ月の家出ってかなりの大事です。これはのちの金沢傷心旅行と並び、五代君と響子さんが別れる最大のピンチだったと思います。

 

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