目次
みどころ
- 本格的なクイズ番組へと移り変わる様子
- アメリカ本土上陸
- 本格的な罰ゲーム開始
- 画面からも伝わる冒険感
放送日時
日本テレビ本放送:1987年11月12日(木)19:00~21:00
前回のおさらい
前回見た感想を言うと、初週の放送としては、以前ファミ劇で再放送した第12回、第13回よりも面白かったです。その理由としては、単純に私の記憶が相当薄れていて、初めて見るような新鮮な気持ちで見られた事。もう一つは、本来第1週目は進んでも泥んこクイズの2、3人目までで、お祭りを見ている「ワクワク感」はあっても、クイズ番組らしい内容はあまりなく、クイズ番組として誰が落ちるのか残るのか、またはヒリヒリした戦いなどの「ドキドキ感」はあまりなかったんです。
今までのウルトラクイズ1週目も、これはこれでお祭りを見ているような感じで勿論面白いのですが、今回は趣向を凝らしていて、成田前から早押しクイズがあったり、名古屋でミニウルトラクイズをやっていました。つまり、本来2週目以降にあるクイズ番組としての楽しさや、「この人抜けるかな?抜けないかな?」とのドキドキ感も第1週で既にあったんです。
こんなわけで、良い意味でいつものウルトラクイズと違った感覚がしました。ただこれが毎回となると、それが「いつも通り」となり新鮮な感じがなくなるので、これは今までの通常の回、いわゆるお約束の土台があってこそ光り輝く物ですね。
こういったイレギュラーがたまーにあるので、参加者も視聴者も「今回はいつも通りだよな?まさか変わったことするのかな?」なんて、17回も続いたのにいつも画面から目が離せない状況ができるんですね。この番組のスタッフって本当凄いと思います。
クイズ番組としてのウルトラクイズ開始
さて今回第2週は、先ほども少し触れたように、運だけで行けるお祭りパートが終わり、ここからはクイズ知識が確実に必要になってくる「クイズ番組」へと変貌していきます。今まではジャンケンや、一発勝負の○×などで、第一条件として運が必要だったのですが、第2週目からは第一条件としてクイズ知識が必要になるんです。そして当然知力以外の要素で、チーム分けの運や走らされる体力なども必要になってきます。この大局的な構成はどの回も同じですね。
第1週は「俺も参加したらグァムまでは行けるかも!」と思わせる作りで視聴者を引きつけ、2週目以降はクイズ番組であり、旅番組であり、冒険番組でもあるウルトラクイズを視聴者として見る。こんな感じですよね。ただ第1週目で、自分も参加した気になっていること、そして実際に年齢制限さえクリアできれば誰にもで参加できるので、ほんの少しでも「もしかしたらあそこに自分がいたかもしれない」なんて思うだけで、他のクイズ番組ではあり得ない番組へののめり込み方になるんです。
どこでいつ募集しているのかわからない。予選があってそのペーパーテストをクリアしなければ本戦に出られない。こんな番組だとここまで楽しむことはできないと思います。これでは自分に無関係であり、どうせ本戦に行けないんだから行くだけ無駄だなとの、一般人には白けた空気になってしまいますからね。ただ純粋なクイズ番組としては、こちらの方が正しいとは思います。そんなことを考えると、もしかしたらウルトラクイズって邪道なのかななんてことも思ってしまいます。楽しいから良いんですけどね。
このウルトラクイズは一般的なクイズ番組とは違い、応募さえすればそのまま本戦に参加できます。そして運が良ければ結構な確率でテレビに映り、いつもテレビで見ている有名人と絡むこともできて、飛行機に乗り込むところまでも行けてしまいます。この特徴は他のクイズ番組にはありません。これは夢があって、クイズに疎い一般人でも参加したい思いに駆られます。そして参加していない一般人も、「もし自分が参加していたら」との、他人事ではない感覚で見られるんです。その集中力、のめり込みの方の差たるや、他のクイズ番組の追随を許しません。
ただこれは好景気だったあの時代だからこそできたわけで、後楽園なり東京ドームを丸1日借り切ってのクイズですからね。もうこの規模、スタイルのクイズ番組は無理でしょう…。
放送内容
今回第2週が始まってすぐ泥んこクイズかと思いきや、先週のおさらいをやっていました。2時間たっぷり枠があるのでおさらいを入れていたんですね。90分になる第12回からは前回のおさらいは全くありませんでした。
正直な気持ちを書くと、このおさらいの時間は勿体ないと思ってしまいました。その分本編の放送をやってくれよと。しかしこれは私が今生きていて、録画機器が充実しており、いつでも前回の放送を見られる状況だから言えることで、当時録画できる環境の人がどれだけいたかを考えると致し方ありません。
ここで1987年当時のビデオデッキの普及率を調べてみましょう。日本統計協会、総務庁統計局の資料を見てみると、1987年の時点でビデオデッキの普及率は43%となっています。過半数の家にビデオデッキがない時代だったんです。つまり前回の放送を録画して好きなときに見られる環境は43%の人しかなかったんです。このような当時の事情から、「前回までのあらすじ」はこの時代大事だったんです。今の方には信じられないでしょうが、見たい番組があった場合、ビデオデッキが家になければ、「その時間にテレビの前で待機している」以外の方法がなかったんです。「見たい番組あるから帰る」と言ったり、または言われることが当たり前だった時代なんです。
ビデオデッキの普及率(単位:%)
1978 | 1.3 |
1979 | 2.0 |
1980 | 2.4 |
1981 | 5.1 |
1982 | 7.5 |
1983 | 11.8 |
1984 | 18.7 |
1985 | 27.8 |
1986 | 33.5 |
1987 | 43.0 |
1988 | 53.5 |
1989 | 63.7 |
1990 | 66.8 |
(日本統計協会、総務庁統計局の資料より)
ここでもう少しビデオ普及率を見ていくと、上図のようになっております。過半数を超えたのが1987年なので、1986年までにビデオデッキがあった家庭は、世間よりもいち早く導入していたことになりますね。私の家の場合、1988年にビデオデッキが初めてうちに来ました。今はなきカメラのニシダで買ったのですを鮮明に覚えています。世間の潮流通り過半数を超えた年に購入していました。わかってはいましたがバリバリの中流家庭だったみたいです。
この普及率を見ると、1984年~1989年まで毎年10%前後の伸びを見せているので、この辺りにグンと普及が進んだようです。ただこれに少し注釈を使え加えると、この統計は全世帯、全年齢が対象でありこういった最新家電の場合、高齢者は最初から購入する気も遣う気もなく、そのような高齢者世帯がある程度の割合あるので、もう少し普及率に数字を上乗せしても良いのかなと思います。
そこで1987円当時の年齢による人口分布を調べてみましたが、ピンポイントで1987年は見付からなかったものの、5年ごとの統計がありました。
1985年で65歳以上の人口が8.9%。1990年で10.5%。実際には65歳どころか60歳以上の世帯の場合、最新家電を買おうとする人は希でしょうし、核家族化がまだ進んでいなかったこともあったりと、この65歳以上の数字以外にも色々な要素が含まれるのですが、実際の感覚的な普及率では、元々買う気のない高齢者の世帯を除いて計算するとして、この実際の普及率に10%程度足して問題ないと思います。
第2チェックポイント「突撃○×ドロンコクイズ」(40人→21人)
今週最初はウルトラクイズ恒例の泥んこクイズです。ここも運の要素がまだまだあります。後楽園の○×クイズで歴代王者や、クイズ知識のある人がことごとく落ちているのを見れば分かる通り、○×の二者択一をひたすら正解し続けろと言うのは、歴戦の猛者と言えども非常に困難なんです。
何故かと言えば、いくらクイズ知識がある人とは言え、世の中のクイズには当然ですが分からない問題があります。それが出たときも強制的に答え、そして通過か失格か一発で判定されてしまうからなんです。これがチェックポイントが進むと、早押しクイズなどで、「回答するかしないか(ボタンを押すかどうか)」を「自分で選択」することができるのですが、後楽園や今回の○×クイズの場合、自分で問題に答えるか、もしくはスルーするかの選択権がないんです。わかろうがわかるまいが、自信が80%だろうと20%だろうと、絶対に答えなければなりません。そして間違ったら一発アウトなんです。非常に厳しいです。知っている問題に巡り合わせで当たるかどうか。これが最も重要なので運の要素が強く、クイズ知識のある人でも、この「挑戦者に選択権がない一発勝負の強制○×クイズ」は厳しいんです。
一発○×クイズについての恐ろしさはこれくらいにして本題に移りますが、今回は丁度グァムに台風が直撃していたようで、泥んこクイズができるかどうかかなり怪しい状況になっていたようです。せっかく作った穴が、台風の高波で無茶苦茶になってしまい、急遽ブルドーザーを借りて穴を掘り直して敢行したとか。この辺は以前、番組構成作家の萩原さんのブログでも触れていました。
このことはスタジオの高島さんと石川さんが触れていたのですが、こういった部分でウルトラクイズのスタジオは役に立つんですね。放送で触れていない重要な情報をここで教えてくれるんです。今の意味の無いスタジオではなかなかない光景です。これが前回の記事でも触れたスタジオの本来のあるべき姿なんです。
前回の記事で昔の人は老けて見えると書きましたが今回もそれが…。19歳の杉谷さんですが、今の基準に当て嵌めて19歳に見えないです。時代によって本当に色んな事が違います。
ここでは機内ペーパーテスト女性1位の高橋麻里子さんが泥んこへ…これが○×一発の恐ろしいところです。クイズ知識があっても抜けられないんです。どの問題を引くかの運が大きいんです。
この泥んこクイズでは福留さんの煽り方も素晴らしく、挑戦者が○か×かのパネルに飛び込み、もう変更できなくなったそのジャンプした瞬間、「そんなわけねえべえ~(笑)」、「そんなわきゃあるか(笑)」など、泥に飛び込む前に既にMCを始めているんです。この飛び込んだ瞬間であり、結果がまだ挑戦者には分からない段階での死刑宣告のタイミングの上手さに、子供ながらに「すげー」と思った記憶があります。
「問題を読む福留さん→考える挑戦者→考える挑戦者を煽る福留さん→走り出す挑戦者→走って迷う挑戦者→意を決してどちらかに飛び込む挑戦者→空中に体が放り投げ出された瞬間、正誤のMCを入れ笑う福留さん」。この間ほとんど沈黙の時間がなく、流れるような福留さんの喋り、挑戦者の行動とのタイミングの良さに、なんとも言えない気持ちよさを感じました。表現は難しいのですが、空いたパズルの部分にピッタリ填まるピースを入れ込んでスッキリした気持ちよさと言うか…。聞いていて挑戦者の行動と福留さんのMCが間断なく続き、沈黙の時間がほとんどないんです。これが実にテンポが良くて気持ちが良いんです。
実は前回から武井さんが可愛いなと思って密かに応援していたのですが、今回の泥んこで落ちてしまいました。仕草とかルックスとか凄く好みだったのですが…。こうやって贔屓の挑戦者ができてくるのも、またウルトラクイズの醍醐味です。子供の頃は、女性を異性として可愛いとか、そのような目線で応援はしていませんでした。子供の頃は、格好良いお兄さんに憧れを抱いて応援していたのですが、今では可愛い女の子を探す始末ですよ。私が挑戦者を見る目線も随分変わってしまいました。
第2チェックポイント「敗者復活戦(泥んこリンボー早押しクイズ)」(19人→7人)
泥んこクイズでは大抵不正解者の方が多くなるので当然敗者復活戦です。
ここでは、先ほど使用した泥んこの穴の部分に適当な高さのロープを張り、その下をくぐって先にある早押しボタンを足で踏み回答するクイズ形式で、1ポイント先制で勝ち抜けなります。ただこれは人数が多く、横幅が狭いのに全員一緒でクイズを行うとのこと。当然前列は有利に、後列は不利になります。しかし見ていると、番組の指示なのか自発的なのかわかりませんが、どうも女性が前列、後列が男性となっているようです。
しかし結果的には男性5人、女性2人が通過。やはり体力的に男性が後ろでも有利になるみたいですね。この女性の中には、機内ペーパーテスト女性1位の高橋麻里子さんもいました。また、お菓子の問題が入っていたりと、女性も答えられるようなクイズも読まれていたので、偏らないように問題も選んでいたみたいです。
第3チェックポイント「命預けます 一問多答つな引きクイズ/ハワイ」(28人→21人(7名×3チーム))
ここではチーム戦です。 ワイキキの母と呼ばれる(本当は多分そんな風には呼ばれてませんが)ハワイの占い師に偽の占いをして貰い、その実どこまで挑戦者が生き残れるのかを占っていて、その「クイズ寿命」の長さにより4組にチーム分けをし、4方向綱引きによる恒例の一問多答クイズです。ウルトラクイズのこの辺りのチェックポイントで、クイズと関係ない全員参加のイベントがあるときは、大抵チーム分けのイベントですね。
一番生き残れる人たちのチームから亀組、鶴組、人並み組、かげろう組です。この7人×4チームの中から1チームが敗退となります。
このチーム戦も運の要素があります。同じチームを組む人がクイズ知識があるかどうかです。こればかりは自分ではどうしようもありません。このチーム戦の場合、必ず敗退チームの中から個人が生き残れる敗者復活戦があるので、運の要素があるとは言っても、今までとは違い、本当にクイズに強い人は最低限救われる仕組みになっています。
一問多答クイズでは常識ですが、先に答える人は易しい答えをできるだけ後の人に取っておいてあげるのが基本です。これは別に優しいからとか、後ろの人に気を遣ってと言う人情的な話ではなく、単純にこの方が抜ける確率が上がるからです。後になって他の人が先に答えている程、答えの残りは少なくなり難しくなってしまいますからね。それが如実に出たのが、最後に地球と答えたシーンです。あれは皆わかっていて一番簡単な地球を取っておいたんでしょう。
ただっこではちょっとどうかなと思うところもありました。鶴組への問題で、日本の歴代首相を答えるクイズが出て見事通過したのですが、田中、鈴木など名字だけで正解扱いでした。この一問多答クイズでは、人名を答えるときに名字だけでOKにする場合がたまにあります。こんな疑問は一般視聴者の私が思うくらいなので、ウルトラクイズスタッフも当然これをわかっているはずですから、OKと言うことはそういう話し合いもあった上でのことなんだとは思いますが、毎回少し引っ掛かります。
結局ここで敗退したのは一番長く生き残れると占われた亀組でした。占いは当てになりませんなあ。
泥んこ○×クイズまでは運がなければどうしようもなかったのですが、泥んこ○×クイズ以降は、クイズ知識がなければどうにもならなくなり、これまでと必要な要素がガラッと反転します。
ウルトラクイズを二つにわけるとすると、泥んこクイズまでがお祭り番組のウルトラクイズで、ここからがクイズ番組のウルトラクイズなんです。
第3チェックポイント「敗者復活戦(あつあつワイキキ新婚クイズ/ハワイ)」(7人→3人)
ここでは敗退した亀組の敗者復活戦で、7人中3人復活です。
ここで行われたクイズも恒例で、新婚夫婦の男女をバラバラに配置し、早押しクイズに正解したら奥さんの方に1問だけ質問ができ、男性陣の中から本当の夫を当てると言う、神経衰弱のようなスタイルです。クイズに正解するクイズ知識は勿論ですが、奥さんに1問だけできる質問をいかに工夫するかとの点と、人間の観察眼が必要となります。
ちなみに先ほど可愛い武井さんが落ちてしまったので、今度は渡辺さんを応援することにしました。応援とは言っても29年前の番組なので、とっくに結果も出ていて、この年齢、容姿の人物はもうこの世にいないのですが…。
そしてここでちょっと注目したいのが、早押しクイズが様になっていることです。前回の成田空港前に行った久伊豆神社での早押しクイズを覚えているでしょうか。あのときは挑戦者の声が小さく、早押しもやり慣れていない感がヒシヒシと伝わってきていて、正直かなり拙い早押しクイズの戦いだったのですが、18000人超から28人まで残った人たちだけあり、皆早押しクイズが様になっていて、画面からもやり慣れているどっしり感が伝わって来て、安心して見ていられました。久伊豆神社の早押しクイズでは、身内が歌って踊っているのを恥ずかしく思いながらも見るような、見ているこちらが恥ずかしく思ってしまうような、独特の気恥ずかしさがあったのですが、今回はそれが全くありませんでした。
この時ある新婚さんの夫に、「奥さんは何の動物に似ているか」と福留さんは質問したのですが、その答えが「豚」でした。夫婦の関係性は他人には分かりませんし、それがジョークなのかも知れませんが、奥さんにそんなこと言っていいのかと思ってしまいました。
おそらくこの自分の質問で、今後関係が不味くなるといけないと思ったのでしょう。福留さんは次に「女優の誰に似ていると思うか」との質問をし、夫は「岩下志麻」と答えて、それを福留さんが褒めてフォローしていました。この辺りの気の使い方、空気の読み方は天才的だと思います。
自分の質問でこの後空気が悪くなったり喧嘩したら大変だってことで、急遽フォローを入れたんだと思います。豚と答えられてから次の質問をするまでほんの数秒です。この間に空気を読み、対策を考え、そして実行する。これら一連のことをパパパッっとやってしまう頭の回転が凄いです。
この新婚さんの奥さんの中で1人凄く好みの人が…。凄く可愛いです。でもこの人も当時25歳だと仮定すると29年前ですから、当たり前ですが現在54歳です。こんなことを考えていたらキリがないんですけどね。
さあそしてここから本格的な罰ゲームが開始されます。泥んこクイズでも泥まみれになること自体が罰ゲームではあるのですが、敗者にスポットライトを当てて行う本格的な罰ゲームはここからです。もう散々過去に書いていますが、ウルトラクイズは敗者こそが主役と福留さんに言わしめる程、罰ゲームにも趣向を凝らしており、その時間だけゴールデンの人気番組の画面を素人が独占できるんです。こんな番組は他にありません。
今回の罰ゲームは、ハワイで挙式をあげた新婚さんを、敗者が空き缶を体に付けて走ってカラカラ鳴らしながら祝い、そのまま空港へとのもの。マラソンクイズを模した罰ゲームですね。しかし先ほど応援すると決めた可愛い渡辺さんがここで敗退してしまいました。こういうことはリアルタイムで見ていたときもよくあり、何故か自分の応援する挑戦者はすぐ負けてしまうとか、逆に応援している挑戦者が順調に勝ち残るとか、こういった事も番組を楽しく見る一つの要素になっていました。学校中の友達が見ていたので、「俺の応援していた○○さん落ちちゃったよ~」とか、その話題で盛り上がれたんですよね。
第4チェックポイント「戦車ロシアン・ルーレットクイズ/ロサンゼルス」(24人→12人)
さあここからは米国本土に上陸です。ここまで来れば本望との挑戦者も多かったんじゃないでしょうか。
ロサンゼルスのフェルナンドバレー映画牧場に来た挑戦者達。そこで待っていたのは本物の戦車でした。
ここで行われるクイズは、周りに5台の戦車が配置されており、そのうち砲塔から発射できる戦車は2台。2/5ですね。1対1の早押しクイズで1問正解すると、そのに5台の戦車のうち、正解者が発射する戦車を選び、無事発射されれば勝ち抜けで、発射されなければもう一度早押しクイズです。これを繰り返し行い、どちらかが発射できるまで繰り返します。
不正が行われないように、クイズ前に挑戦者からは見えず、テレビカメラからは見えるところにあるルーレットを回し、発射できる戦車を予め決めます。これは番組側の意向で「あの人面白いから抜けさせたい」などの不正はできないんだよと、視聴者に提示するためですね。細かいことなのですが上手いこと考えます。こういうところで作為的じゃないかと一旦疑問を持ち始めてしまうと、途端に番組との距離ができてしまい、どんどん冷めてしまいますからね。こういった視聴者の立場に立った配慮や番組作りはなかなかできないと思います。どれだけ会議をし、工夫をし、そして試行錯誤したのか。想像しただけで気が遠くなります。
このクイズ形式は早押しクイズとロシアンルーレットを融合したような物です。クイズに強くなければ戦車の選択権は取れないのですが、運がなければ発射の戦車に当たらないので中々抜けることができません。勿論この戦車は空砲なのですが相変わらずスケールがでかいですね。
ここでは当然1対1の対決で1人が抜け、そして1人が敗退するので、半分の12人が抜けて12人が敗退となります。一気に半分になってしまいました。
ここも少し注目したいのが福留さんの言葉。勝ち鬨(勝ち抜けの万歳)を上げたとき、福留さんは「お互い握手をしようぜ」と促していました。これはその時の勢いや、画面的なこともあるかも知れませんが、挑戦者同士を仲良くさせる為だったんじゃないでしょうか。
他人同士の場合、相手が落ちようが残ろうがハッキリ言ってどうでも良いのですが、仲が良くなってから落ちたり残ったりすると、そこにドラマが生まれ、時には涙も出ますからね。番組的にはどう考えても挑戦者同士が仲良くなってくれた方が有り難いんです。ウルトラクイズは細部にまで拘り抜いているので、おそらくこの辺のことも考えて福留さんは言っていたんじゃないかなと思います。
そして今回の罰ゲームは、ロサンゼルスポリス・アカデミーでの警官適性検査です。スクリーンに出てくる映像に向かって、適切なときに適切な相手に銃を撃つとのこと。ちなみにクリント・イーストウッドも受けに来たそうでその時は不合格。理由は嘘か誠か弾を撃ち過ぎたからだとか。
随分楽しそうな遊びで、「これが罰ゲーム?」と思っていたら、やはり本番はここから。ストリートファイト訓練をやらされていました。しかしこれもウルトラクイズの罰ゲームとしては温いなと思っていたら、ダウタウンのストリートを通り、空港へ向かうバスへ徒歩で移動するのですが、その途中に襲われることが本当の罰ゲームでした。
この手の「襲われるドッキリ」はウルトラクイズの定番ですね。今回は罰ゲームをする人数も多く、いくらなんでもあからさまだったので、それほど皆恐怖に怯えている様子はあまりありませんでしたが、異国の言葉の通じない土地で、99%ドッキリだと思ってはいても、1%本当かもと思うだけで、実際には私たちが呑気にテレビを見ている以上に怖いんだと思います。一般人が銃を持つ国ですからね。もしかしたらが1%あるだけで大変なことになりますから。
しかし襲ってくる暴漢役の役者さんを見るとマッドマックスを意識しています。マッドマックスは北斗の拳の元になった世紀末ヒャッハー映画です。
第5チェックポイント「強風かけこみ大声クイズ/パームスプリングス」(12人→11人)
このパームスプリングスはウルトラクイズ初上陸とのこと。世界最大の風力発電所があり、1年中強い風が吹いているところだそうです。
そしてここでやるクイズは、この強風の中背中にパラシュートを背負い、離れたところにあるボタンを押して答える早押しクイズです。当然強風の中で抵抗になるパラシュートを背負っているのですから、前に進もうとしても容易には進めません。ここでは知力の他に体力が必要ですね。今回運は必要ありません。知力と体力です。
雄叫びクイズの要素も入っており、それぞれのキャラクターに合ったフレーズをスタッフが考え、それを規定以上の音量で叫んだらフラグが立ち答えられます。2ポイントで勝ち抜けで脱落は1人です。もうこの時点で12人まで絞られているため、ここかがら基本1人ずつの脱落となっていきます。このあとは大量に挑戦者が落とされることはないので、それぞれの挑戦者をじっくりと見ていくことになるんです。
ここで落ちたのは千葉大学20歳の永田旬子さん。罰ゲームはこの強風吹き荒れる地を大きな旗を持って空港まで行くと言うもの。
バラエティに富んだクイズ形式
第2週は、運頼みの要素が強い○×クイズから始まり、チーム戦の一問多答や、アメリカのスケールを見せ付ける戦車クイズ、体力が要求される強風駆け込みクイズと、バラエティに富んだクイズ形式が出てきました。
○×は知力3割運7割。チーム戦の一問多答は知力6割4割。戦車の1対1は知力7割運3割。強風駆け込みクイズは知力8割体力2割。こんな感じでしょうか。四者四様で必要な要素や比重、見所があり今週も面白かったです。
今回は全4週なのであと2週。半分が終わったことになります。今回で既に11人と数は絞られ、あとは基本的に1人ずつ落ちていくので、挑戦者個人個人の性格や特徴、実力や思いなんかが詳細に視聴者に伝えられることになります。もうここまで来るのこの人たちは素人ではなくアイドル的存在になってしまうんです。
また、人生まで変わっちゃった人も少なくなく、その後クイズ関係の作家になった人や、クイズ関係の会社を作った人もいたり、そうでなくても仕事を辞めてしまった人までいます。
世界のスケールの大きさ
今週からは日本、グァム、ハワイと来て、遂に米国本土に上陸しました。ハワイまでは当時の日本人でも個人で旅行に行っていたのですが、アメリカ本土の、それもパームスプリングスなどと言う、特段観光地でも有名なところでもない地域に行く人はなかなかおらず、ここからは未だ見たことのない、珍しい光景や歴史に触れながら旅をする、冒険的要素も含んだ番組になっていきます。
一般人が行こうと思う、または行けるエリアの殻を破り、未知の世界の冒険へ足を踏み入れていく感じです。これに当時ハラハラドキドキしたんです。
ここまで読んで下さった方。お付き合い有り難うございました。
「勝てば天国!負ければ地獄!知力、体力、時の運!早くこいこい木曜日」
それではまた来週。
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