目次
みどころ
- オープニングの挑戦者紹介
- 伝説のボルチモア準決勝
- 決勝前の福留さんのナレーション
- 決勝戦のワンサイドゲーム
- 優勝賞品
放送時間
日本テレビ本放送:1989年11月23日(木)19:00~21:00
遂に最終週
遂にやってきました最終週。
前回の記事でも書いたのですが、連続アニメやドラマの最終回では、それまでに物語の起承転結があり、長いこと見守ってきた「物語」が終わるので、感慨深く感じるのはおかしくない感情なのですが、このウルトラクイズは、素人参加型のクイズ番組でありながら、この最終回感が襲ってきます。実に特異なクイズ番組でありバラエティ番組です。
理由としては、5週連続放送なので、連続ドラマ的要素があったこと。そして、そのドラマ的要素は人が作為的に作ったストーリーではなく、真剣勝負の結果なので、ストーリーが分からないドキュメンタリー性などが挙げられるでしょう。更にそれに加えて演出の上手さ、趣向を凝らしたクイズ形式、そしてなんと言っても福留さんの名人芸のような司会術も挙げられます。
視聴者は1か月間テレビを通じて冒険を見てきたわけですが、その土地の魅力が良く現れる映像だったり、クイズ形式、一喜一憂する名も無き挑戦者たちを見ていると、自分も一緒に冒険をしている感覚になるんですよね。それが遂に終わってしまうのは、ワクワクすると同時に寂しくもあります。
オープニングの挑戦者紹介
このオープニングの挑戦者紹介は、もはやウルトラクイズ最終週恒例ですが、紹介の仕方やBGMで無茶苦茶格好良いんですよね。ただの素人、ただのクイズ番組なのに、まさにこれから戦う戦士のように見えてしまう演出には毎回痺れていました。
今回最終週に残った挑戦者6人は東大が3人、立命館、名大、阪大の6人。その中で現役の大学生が3人、社会人が3人との構成になりました。この大会はクイズ研やクイズ研OBが多く、また現役大学生や高学歴も多かったため、一般人からすると少し手の届かない番組になってしまった感もあります。
ウルトラクイズの魅力は誰でも参加でき、誰でもある程度は行ける可能性がある。これが最大の魅力であり、視聴者が熱中した要因でもあったのですが、今回のクイズ研の躍進により、「やっぱり高学歴のクイズ研か…」と思わされた大会でもあったかと思います。
第12チェックポイント「爆走!! コンボイリレークイズ/チムニーロック」(6人→5人)
勝ち残り条件:最前列でクイズに正解、もしくは最前列で1対1の対決に勝利
このコンボイクイズは、26年たった今でも非常に印象に残っています。
挑戦者に1人1台コンボイ(大型トラック)が用意されており、そのコンボイに乗り込み、縦に並んで直線の道をひたすら走る。その間にクイズを出して、先頭車両が正解すれば勝ち抜け。後続車が正解すれば先頭に並び、先頭の2台でクイズを行い、正解した方が勝ち抜け、負けた方は先頭にスライドとの形式を最後の1台になるまで繰り返します。
これも非常に凝ったクイズ形式です。正直、これはコンボイを使わずに、歩いてでも走ってでも、または自転車でやっても良いのですが、そこは壮大なスケールが売りのウルトラクイズです。こうやってアメリカの広大な平原をバックに、50km続く直線の道路を使って楽しませてくれるんですね。見ている方もそのスケールの大きさにワクワクするのですが、参加している本人たちなんて冒険している非日常の感覚がたまらないでしょうね。これもウルトラクイズに参加したいと思わせる要因なんです。参加者はこぞって世界の大きさを知り、自分がいかに小さい存在かを知ったと言うようなコメントをしているのですが、それも納得です。大袈裟ではなく人生観が変わってしまうでしょうね。
このクイズでは、80kmの道を封鎖して撮影を行ったそうです。80kmですよ80km。トラックが走る距離は50kmなのですが、萩原さんのブログによると、余裕を持ってのことなのか、80kmの道路を封鎖したそうです。このスケールの大きさは想像できるでしょうか。日本で例えると、大宮・横浜間で約70kmです。それよりも更に10km長いんです。これだけの距離の道路を封鎖して、パトカーに先導され、ヘリを飛ばしてクイスをやる。とんでもないスケールなのがおわかりいただけたでしょうか。
また、先ほども少し触れましたが、コンボイだけではなくヘリも飛ばしていて、そのヘリの中から福留さんが出題しますし、コンボイ横で撮影クルーが乗った車も併走しますし、パトカーも先導します。とにかくスケールが馬鹿でかいです。日本じゃ絶対にできないようなこういったクイズをやるのは、実にウルトラクイズらしいです。こういった「非現実」をテレビを通して臨場感たっぷりに視聴者も疑似体験できるのでたまりません。
ここでは長戸さんが最後抜けをするなど、非常に苦戦していました。機内ペーパーテスト1位であり、優勝候補筆頭だったのですが、結構ギリギリの抜け方をしているんですね。この辺の長戸さんの苦戦はすっかり忘れていました。
このコンボイクイズは、最初の三択クイズでコンボイの順番を決めたのですが、この並び順が非常に重要で、先頭に近ければ近いほど有利、後ろになればなるほど不利との状況は、頭でわかっていたのですが、始まってみるとこれが本当に影響が大きく、5番目の長戸さん、6番目の永田さんが抜けるのは本当に困難だったんです。
ここで脱落した1人は東大の及川さんでした。
そして罰ゲームは、世界最小1馬力弱のコンボイで空港までの80kmを帰るとの物でした。見た感じ、徒歩よりちょっとだけ速いくらいの速度なので、このまま本当に帰ったら、空港まで70~80時間掛かりそうです。
準々決勝「アヒルタイムショック/メンフィス」(5人→4人)
勝ち残り条件:最下位以外
前チェックポイントに続いて、このアヒルクイズも非常に印象に残っているクイズです。
アヒルが水浴びの時間を終え、帰ってくるその間にできる限りクイズを行い、獲得ポイントが一番少ない人が脱落です。動物の行動だけに、帰る時間はいつも完全に同じではないので、いつ終わるのか読めずドキドキでした。このホテルで水浴びするアヒルの話題は、このウルトラクイズが切っ掛けだったかは覚えていませんが、当時日本でかなり話題になっていたことを覚えています。
また、もう一つドキドキする要素があって、本来なら誰が何ポイント取ったのか画面に表示されるのですが、このクイズではそれが一切ありませんでした。更に、福留さんも途中で誰が何ポイントとか、誰が危ない等の言及も一切しません。これは、制限時間内にクイズをできるだけ多く読まなければならないため、福留さん自身がクイズ以外の無駄話を一切できなかったことと、視聴者にもドキドキ感を味わって貰おうとのことだったと思うのですが、制作側の思通りまんまとドキドキしてしまいました。
制限時間がわからない。何問クイズがあるか分からない。それぞれ何ポイント取ったか分からない。このような要素から、非常にシリアスで緊迫感のあるクイズになっていました。
ここでも長戸さんは前チェックポイントに続き最後抜けでした。本当にギリギリの戦いが続いていたんですね。歯車が噛み合わず、1問2問間違ったらそれで落ちていました。長戸さんが落ちていたらウルトラクイズの歴史が変わっていましたね。
そしてここで脱落したのは最年少19歳の木村さんでした。19歳がここまで来るだけで凄いです。この頃の1歳差の知識量は馬鹿にできまでんからね。単純な話ですが経験の差なのかなと思います。
一発勝負のクイズなら、前チェックポイントのように、最後の1人になると言うことはなさそうなのですが、今回のクイズ形式のように、数多くのクイズを出され、その蓄積がポイントになる形式だと、さすがに19歳の知識量と経験では苦しかったんでしょう。前チェックポイントのコンボイクイズは、言ってみれば一発勝負のトーナメントとのような物で、トーナメント形式だと集中力や瞬発力、さらには運で突破できる可能性がかなりあるのですが、今回のようなポイントが蓄積されていくリーグ戦のような形式になると、どうしても実力の差がハッキリ出ますからね。野球やサッカーでもそうですよね。前チェックポイントのコンボイクイズはトーナメントのような物で、今チェックポイントのアヒルクイズはリーグ戦のような物だったんだと思います。
罰ゲームはおそらく第13回で最もぬるい物でした。自作楽器を作り地元の人と一緒に演奏するとの物で、汗こそ掻いていましたが、罰ゲームと言うよりは、良い思い出になっていそうですね。
準決勝「激戦!! 通せんぼクイズ/ボルティモア」(4人→2人)
勝ち残り条件:3ポイント獲得後通過クイズに正解
さて…遂に来ましたボルチモアの準決勝。ウルトラクイズ史上最も激戦で、ウルトラクイズ好きからは伝説とまで言われている戦いです。何が伝説かと言うと、単純な話ですが抜ける人が中々決まらないことなんです。
このメンフィスは、アメリカで唯一365日24時間常に星条旗が掲げられている場所だそうです。第二次英米戦争でこの土地がイギリス軍に激しく攻められたときに、不屈の精神の象徴として星条旗を掲げ続け、遂にはイギリス軍を撃退したことから、アメリカ国歌の元になったでき事でもあるそうです。このように、自然と興味をそそられる面白いでき事を入れてくるウルトラクイズは、勉強にもなったんですよね。
ここでは、それまでの経緯から長戸さんvs秋利さん、永田さんvs田川さんの対決構図が鮮明になっていて、実際その通りに阻止して阻止されての激しい戦いが展開されました。この辺の対立構図の鮮明化も、この準決勝が印象に残っている理由でしょう。
通せんぼクイズはウルトラクイズ恒例のクイズ形式で、3問正解すると通過席へ移動し、そこで通過クイズに正解すると勝ち抜けなのですが…。通過席以外の他の3人がこの通過クイズに正解すると、通過席にいる相手の勝ち抜けを阻止する事ができるんです。更に通過席で正解できないと、獲得ポイントが0に戻ってしまい、また通過席に行くために3問正解しなければなりません。そしてこの展開が誰も勝ち抜けできずに延々と続くんです。
ここは想定外に長い戦いになってしまったため、用意した問題が切れかけ、一度休憩を入れてストックしてある問題から、必死でクイズを掻き集めたとの有名な裏話があります。背景の星条旗に注目すると、それがいつだったのかがわかります。後ろにはためく星条旗の大きさが変わっているんです。ここが編集ポイントであり、休憩を入れたところでしょう。
撮影用に見やすい大きい国旗を掲げて貰っていたのですが、あまりにも時間が掛かってしまい、予定の撮影時間を超えたため、施設側が通常掲げている国旗に変えたのではないかなと思っています。
そんな伝説の激戦を制したのは、長戸さんと永田さんの立命館クイズ研究会コンビでした。以降、クイズ研究会と言えば立命館大学クイズ研究会と世間に知れ渡るようになりました。
実はちょっとここでウルトラクイズ好きでは話題になることがあって、永田さんの戦法は少し議論になるんです。通過席に誰か(特に田川さん)が行くと、自分が間違ってでも早押しをして、通過席の挑戦者に回答させない戦法を取っているんです。これによって、一旦通過席での正解を阻止できるだけではなく、「より早く押さないと回答できない」状況になってしまうため、問題を読み上げている最中で、「~ですが」のクイズ形式があるかも知れなくても、ボタンを押さなければならなくなり、田川さんは早押しして誤答をしていました。結果的には永田さんの戦略勝ちになるのでしょうが…。勿論ルール上問題ありませんし、オンエア上それを乱発したとまでは言えないのですが、この戦法で阻止された田川さんは、のちの番組で冗談半分に恨み節を語っていました。
また、もう一つ面白いシーンもあって、長戸さんが通過席で他の3人に先に早押しされた時、その段階で諦めてウルトラハットを取ってしまうシーンがありました。これは、「相手は絶対に間違えない」と相手の実力を知っていて、そしてその実力を認めているって事なんですよね。凄いハイレベルの戦いだってことが伺える一幕です。
ここで抜けたのは、同じ立命館大学クイズ研究会の長戸さんと永田さんなのですが、ここでも印象に残るシーンがありました。福留さんから感想を聞かれた長戸さんは、永田さんのことを「最高の相手」と言い、永田さんは長戸さんのことを「最低の相手」と言っていました。この「最高と最低」の真逆のコメントは、ウルトラクイズ好きの間でも印象に残っている言葉でしょう。
そしてここで落ちた秋利さんと田川さんの罰ゲーム…なのですが、あまりにも激戦だったため、スタッフが急遽3位決定戦を用意したそうです。
罰ゲームは、クイズに間違ったらレンガを懐に入れていき、地面に付いたら負けと言う物と、レンガを抱いたまま空港までの移動だそうです。この3位決定戦は真剣勝負とは言えないお遊びのような物だったのですが、こここで3位になったのは秋利さんでした。
決勝「早押しクイズ/ニューヨーク」(2人→1人)
勝ち残り条件:10ポイント先取
決勝は同じ立命館大学クイズ研究会の長戸さんと永田さん。同じサークル同士でこのウルトラクイズの決勝と言うのは凄いです。ただこれでクイズ研究会の存在が良くも悪くも世間に広まりました。
ウルトラクイズ史上、最も激戦と言われるボルチモアの準決勝とは打って変わり、この決勝戦では長戸さんのワンサイドゲームになってしまいました。決勝までの永田さんを見る限り、それほどクイズの実力に差があるとも思えないので、出題の巡り合わせだったり、何かしら噛み合わないことが少しずつあったんでしょう。結果的に10対-2と、こちらもウルトラクイズ史上最も差が出た決勝となってしまいました。
この第13回ウルトラクイズは、ボルチモアの準決勝がやたらと語り継がれるですが、決勝の肩透かし感もあったからなんでしょうね。
決勝に限っては敗者に罰ゲームは無いのですが、準優勝者は完全放置されるので、これが実質的に罰ゲームです。準優勝者には誰も何も声を掛けず、ただただほったらかしです。称えられる優勝者。インタビューに答える優勝者。その横で解答席に座ってずっと放置される挑戦者。これまでの罰ゲームは、趣向を凝らした物で一時だけこのウルトラクイズの「主役」になれるのですが、この決勝に限っては敗者に罰ゲームが無いので、罰ゲームで主役になれることも無く完全放置なので、ある意味最も厳しい罰ゲームかも知れません。
今回優勝した長戸さんへの優勝賞品ですが…今回は人体冷凍保存の権利と言う、今まで以上にどうにもならない物でした。今までもいらない優勝賞品ばかりだったのですが、今回は体を冷やすところまでやっているので、まごう事なき罰ゲームですね。優勝賞品ですら罰ゲーム的要素があるんです。
ウルトラクイズは敗者こそが主役であり、罰ゲームをやりたいとの人も多かったので、今回は優勝して罰ゲームもできるので一挙両得だったのかも知れません。
本当の優勝賞品は世界を駆け巡る冒険
今回は特に顕著だったのですが、実は優勝賞品とは名ばかりの罰ゲームなんですよね。
このウルトラクイズの本当の優勝賞品は、何事にも代えがたい、この1ヶ月間の世界各地を駆け巡る冒険なんです。これは優勝者は1か月間丸々体験できるのですが、そこまでに帰国した人も期間はまちまちとは言え、通常では体験できない壮大な世界を冒険できるので参加者が殺到したんです。
自分も参加者になれる
ここで最後にウルトラクイズの魅力をおさらいしておきたいと思います。
一番大きな特徴としては、このウルトラクイズは年齢制限はある物の、誰でも参加できる素人参加型であることが挙げられます。他人のお祭りを見ているただのバラエティとはわけが違うんです。視聴者と番組の距離感が非常に近いんです。ただ番組を客観的に見ているだけではなく、自分も何万分の一かこの番組に参加している、もしくはそんな気分になれるんです。
そして何回も書いていますが、このウルトラクイズの形式だと、飛行機に乗るところまでは運だけで行けてしまうんです。こんな日本中が熱狂する番組で、もしかしたら自分も成田空港のじゃんけんまでは行けるかも知れない、グアムの○×クイズまで行けるかも知れない。そんな希望があるお陰で、先ほども書いたような「番組に参加している感覚」は更に色濃くなるんです。
実際は25,000分の50くらいですから行けるわけはないんです。しかし行けそうな気になる、行けるんじゃないかと思わせる。そう錯覚できることで、どれだけこのウルトラクイズクイズが身近になり、のめり込んで見られることか。これは当時見ていた人なら分かっていただけると思います。
世界各地を巡る旅の疑似体験
日本がいくら豊かになったと言っても、金銭面は勿論、手続きや休暇の問題などで、やはり海外旅行はハードルが高いです。更にそれが26年前や30年前ともなれば、更にハードルは高かったわけです。そんなさなか世界を駆け巡る1ヶ月間の旅。ワクワクするに決まっているんです。
旅番組の良いところは、普段見られない世界の観光名所や風光明媚なところを、テレビを通して疑似体験できることにあると思うのですが、このウルトラクイズはクイズ番組でありながら、この旅番組の要素や楽しみが十二分にあるんです。下手をしたら旅だけの専門番組よりも疑似体験感が上かも知れません。
更に言えば、このウルトラクイズは、ありふれた観光名所を紹介するなんて素直なことはしません。今見ると有名なところもあるのですが、当時はあまり知られていない場所や祭り、風習を紹介しているんです。今回だと、バンジージャンプは当時あまり知られていない最先端のレジャーでした。過疎の村おこしとして世界的に有名になったトマト戦争も、当時の日本ではあまり知られていませんでした。このウルトラクイズで知り、そして世間に認識された事も多かったように思います。
ウルトラクイズを見ていると、クイズ番組としての面白さの他にも新たな発見があり、「こんな物もあるんだ」、「こんなところもあるんだ」と、勉強になりながらも楽しめたんです。
感情移入
ウルトラクイズに参加している人は当然素人であり、昨日まで名前も顔も知らないただの人でした。ところがウルトラクイズを4週、5週と見続けていると、すっかりこの挑戦者たちに感情移入してしまい、誰に残って欲しいか自然と思うようになっているんです。
この頃はそこら中でウルトラクイズの話題になっていたので、誰に残って欲しいと学校でも話題になっていました。その贔屓の挑戦者が残れば嬉しいですし、落ちれば残念でした。私の場合、第何回か忘れましたが、自分同じ姓の人が出ていたので、残ってくれと必死で応援していた記憶があります。
この後の裏話の番組でも言っていましたが、当時ファンレターが少なかった、決勝に残っていない人でさえ、段ボール1箱分のファンレターが来ていたそうです。それが優勝者ともなれば…ねえ。下手なアイドル以上の人気になっていました。
満足感
この第13回の放送も全週見終わり、感想の記事を書くことができましたが、今一番思うことは、テレビを見たときの満足感が半端じゃないことです。テレビを見てこんなにも満足感を感じる番組はほとんど記憶にありません。娯楽が少ない時代だったので、テレビ番組を作る方も見る方も、制作費を含め全力だった時代なのですが、そのテレビ黄金期とも言える時代の中でも、突出して質が高い番組だったと思います。クイズ番組でありバラエティ番組なのにこの満足感を感じるのは自分でも信じられません。
鬱陶しいスタジオを挟んだり、画面隅のワイプで芸人やモデルが「わーすごーい!」とのリアクションを見せられたり、山場でCMに行ったりしないので、画面に集中するのを通り越して、画面の中に入り込んでいるような感覚を久々に味わいました。昔テレビ番組を見ているとき、この「画面の中に入り込んだような感覚」になったことがあるのですが、これは子供時代だから、多感な思春期だったからと思っていましたし、昔のことだから美化している「思い出補正」だとも思っていたのですが、どうやら違うようです。単純に今、画面に集中できない作りになってるんじゃないでしょうか。先ほども書いたように、画面内に余計な情報が多く、集中が切れるような演出やCMへの行き方が、テレビにのめり込めない要因なんじゃないでしょうか。そろそろテレビ番組も原点回帰で、情報過多、装飾過多の画面構成から脱却しても良いように思います。
他の回も是非再放送を
権利関係で難しいとは思うのですが、こうやって第12回と第13回を観てきた者としては、やはり他の回も観たいです。と言うか全ての回を観たいです。私がウルトラクイズで記憶にあるのは、おそらく第10回くらいからです。一桁の回は年齢的に考えても多分観ていないか、もしくは観ていても記憶にありません。記憶にある第10回以降を、もう一度懐かしみながら観るのも良いのですが、全く知らない第9回以前もやはり観てみたいんです。
また、ファミ劇への一つの提案としては、ウルトラクイズをやるときに、第1週を無料放送で、その後通常の有料放送でと言うスタイルはどうでしょう。第1週を観たらもう辛抱溜まらず加入する人は結構多い気がします。実際、去年の第12回の放送は、CS番組の中で最も多く観られた番組だったそうです。それだけ反響があるのですから、是非とも他の回の放送もお願いします。
しかし、このペース(第12回は6月初回放送)でウルトラクイズを放送していくとしたら、約半年に1回の放送でしょうか。ウルトラクイズは全17回あり、既に2回分放送したので残り15回です。半年に1回ペースと仮定すると、全回放送するのに約7年半。2022年か2023年までか…。頑張って生きよう…。
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