変わり種野球漫画「砂の栄冠/三田紀房」(第1~18巻)レビュー

1,000万円を元手に甲子園に行けるか?

これは物凄く風変わりな野球漫画、高校野球漫画です。

 

「1,000万円あげるからこれを好きに使って夏の甲子園に連れて行ってくれ」と言うお願いを地元のお爺さんからされる話です。勿論最初は頼まれたキャプテンで主人公の七嶋も受け取りを拒否しますが、お爺さんが強烈なキャプテンシーと実力を見込んで頼み込み、結局このお願いを受けることになります。こんな奇抜な高校野球の漫画なのですが、これが物凄く面白い漫画でした。

 

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高校野球はお金が掛かる

高校野球で勝つにはお金が掛かる、かつ甲子園に行くとなるとなおさらお金が掛かる。こんなお金お金の話が一杯出てきます。普段見ている私たちからすると内情は知らないので新鮮で面白いです。

 

何をするにもお金が掛かるのは当たり前なのですが、改めて細かく、強くするためにはここにいくら掛かるなどと説明されると驚きますね。

 

1,000万円の秘密

この1,000万円受け取ったことは、のちに近しい人にはばれますが、基本的に七嶋しか知りません。この1,000万円の使い道も七嶋が独断で決められるので、色々誘惑に負けそうにもなりますし、1,000万円で夏の甲子園に行くというプレッシャーにも押しつぶされそうになり、その責任感と情熱でチームと軋轢が出来たりと、この1,000万円の資金を中心に話が進んでいきます。

 

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七嶋はスーパーマン

主人公の七嶋は一言で言えばスーパーマンです。最初の頃は少し能力の高い選手という描写だったのですが、1,000万円の責任感で急激に成長してと言うことで、打ってよし守ってよし投げてよしの三拍子揃ったスーパーマンになります。これが良いと思うかどうかは人によりますね。ただ努力と根性とチームワークのスポ根漫画とは違うことは確かです。

 

スポ根だけで勝てるかと言えばそれは現実的には厳しいわけで、寧ろこういったように「主人公はスーパーマンですから」と言われた方がある意味現実的ではありますよね。

 

使えない監督ガーソ

砂の栄冠はグラウンド外では「高校野球とお金」がメインテーマなのですが、グラウンド内では「無能監督ガーソ」がテーマです。のちにチームメイトとの軋轢も加わりますが、それはまた別の話と言うことでここでは割愛します。

 

野球に限らずスポーツで監督が無能だとどうしようもないのですが、特に野球だと一球一球の指示すら監督が出すので、他のスポーツ以上に監督の比重が大きいんですよね。そんな監督が重要な野球、しかも1回負けたら終わりという高校野球で、この監督は驚くほど無能です。普通無能とは言ってもどこか良い面があったりするのですが、ガーソはそれが全くありません。容赦なく無能です。

 

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主人公の七嶋はこの無能監督をおだてたり、時には外堀から埋めていったりして、間違った采配をしないように誘導していきます。この辺の監督との変な駆け引きも砂の栄冠の面白いところで、こんな話も普通野球漫画では見たことがありません。この辺も一風変わっていて物凄く面白いんです。

 

こんな人のお勧め

  • 野球漫画が好きな人
  • 一風変わった高校野球漫画を読みたい人

 

ダークな高校野球漫画

スポ根漫画好きとは言え、そればかり読んでいるとさすがに飽きるので、こういったダークなスポーツ漫画もたまに入れると面白いですよね。

 

砂の栄冠は高校野球とお金の話の漫画です。お金を使って強くなれるのか?勝てるのか?どう使えば強くなれるのか?そのお金の使い方は正しいのか?などなど興味深い話が盛りだくさんです。

 

ここまではまった野球漫画は久しぶりで、今一番好きな野球漫画です。絵柄に癖がある漫画家ですが、過去の作品からも面白さはお墨付きですのでお勧めです。

 

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