この映画は史実を元にした、それも世界で最も有名な歴史ロマンを題材にしているので、見る人がこの史実を知っているか、どの程度知っているか、思い入れがどのくらいあるかで、評価はがらっと変わると思うので、まずは私の立場から書いておきます。
結論から言うと三国志は大好きです。中学生の頃、横山光輝氏の漫画「三国志」を全巻購入しました。70巻近くあり、中学生には全巻揃えるのはきつかったのですが、それでも全巻購入しました。三国志大辞典のような5,000円ほどする辞書のような本も買いましたし、光栄のゲーム「三国志」もファミコンで全部やっていますし、PCの三国志も大体やっています。
そんな三国志大好きな私の感想は…うーん…微妙…。
正直に言って、ぼろくそ書こうと思えば書けます。それくらい演出やストーリーに「ん?」と思うような所がありました。しかしこれだけの大作で、史実の武将が実写として動いているので、その分甘くなっているのかも知れないです。
取り敢えず面白いと断言したり、友人に勧められるほど面白くは無かったです。私が面白いかどうか判断する材料の重要なひとつは、「友人に勧められるかどうか」です。
ジョン・ウー監督お得意の鳩と無駄なスローモーションは相変わらずでした。しかし鳩好きだなあ…。
この映画は2時間20分くらいあるのですが、赤壁の戦いは始まりません。つまり前振りだけでこの映画終わります。この映画のタイトルでこの内容では、恐らくこの部分はかなり不評なのでは…。
戦のシーンで折角袋小路に追い込んだのに、何故か関羽や張飛が1人で突っ込んで、わざわざ1対100くらいの戦いにするのですが…。いやあ…いくらなんでもそれは…。赤壁の戦いをリアルに描いているはずの映画なのに、この部分はいくらなんでもあり得ない事なので冷めてしまいました。有名な武将の強さを映画的に際だたせたいという意図はわかるのですが、その際立たせ方と規模の大きさがいくらなんでも大袈裟すぎです。本来の有名な武将も飛び抜けて強かったであろうことはわかるのですが、1人で100人くらいに囲まれても全滅させちゃいますからね。戦のシーンで「ああ…とんでも映画だなあ」って思ってしまいました。
孫権の妹のキャラも酷かったです…。孫権の妹が出てくると、ここだけ突然コミカルになる事が多いのでかなり浮いていました。
赤壁の戦いを忠実に再現したいのか、エンタメとして演出したいのか。シリアスに話を進めたいのか、コミカルに話を進めたいのか。映画の方向性が行ったり来たりするので凄く気になりました。
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