最高に感情が高ぶるアニメ「あしたのジョー2」レビュー

このあしたのジョー2だけを見ると、「ある程度成功しているボクサーの更なる成功の物語」ですからね。あくまで前作のあしたのジョーも含めないと、あしたのジョー2の本当の面白さ、凄さはわからないと思います。

 

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前作のあしたのジョーの魅力はそのままに、今作は更にパワーアップしていると感じました。音楽も演出(見せ方)も前作より数段格好良くなっているなと。出崎統氏という方は、光る吐瀉物などでこの世界では有名らしく、恐らくこの人の演出の仕方が格好良かったんだろうなと。前作でもこの人は制作に携わっていたらしく、確かに格好良かったのですが、今作は更に格好良い演出が盛り沢山でした。

 

まだ原作の方は読んでいないのですが、原作にはいないキャラクターや、原作には無いストーリーが沢山出たそうで、この辺りの評判はわかりませんが、原作を読んでいない私には全く違和感無くあしたのジョーの世界として楽しめました。勿論後日原作も読んでみるつもりです。アニメから入って原作を読むと言う順番は余り無いので、どういう感覚、感想になるのか…。

 

有名なラストシーンのジョーが真っ白に燃え尽きるシーンですが、今までてっきりジョーが死んだと思っていました。ところが色々ネットで調べた所、出崎統氏はジョーが死んでいないと明言していますし、原作者の構想でもラストは葉子と結婚するはずだったそうで…。

 

「最後に世界戦で、丈は白く燃え尽きたって言われているけど、死んでなんてないって俺は怒ってるわけ。あの世界戦が終わったところからまた始まるんですよ。やっぱりどっかで丈がリングに上がっている姿が浮かんでくるんです。」(DIRECTOR’S MAZAZINE NO.113「特集 出崎統」より)

 

「何かをやりきって死んでいくなんて事はあり得ない。みんな何かの途中で死んでいくんだと思うよ。その死が、後で生きている人達に残っていく場合がある。力石もそうだよ。あいつだって自分がやったことに満足して死んでいったわけじゃない。力石の死の意味を考えたら、ジョーが燃えつきて、やりたい事をやりつくして死ぬなんて、あり得ないと思うよ。」 (劇場版あしたのジョー2 DVDブックレット「INTERVIEW出崎統」より)

 

こんな事言われてもあのラストシーンはどう見ても死の描写ですよねえ…。

 

ちばてつやのひとこと

 

原作者も漫画家もこういうラストシーンが当初あったと明言していますし、先の出崎統氏のコメントもあるように、ジョーは死んでいないんでしょうね。一視聴者の感じたままの意見を書けば、あれはどう考えても死んでいる描写ですが…。

 

ラストの解釈は終わった後に出てきた話なので、本来のこのアニメの評価とは関係無い所なので置いておくとして、あしたのジョー2には悪い所が全く思いつきません。原作を読んでいる人だと、オリジナルストーリーに拒否反応示す人もいるかも知れませんけどね。

 

当たり前ですが、前作とこれを合わせてひとつのアニメ、作品ですね。どん底時代、少年院時代のジョーや丹下段平をじっくり描いていたからこそ、ジョーのサクセスストーリーが際だつわけで、東洋太平洋チャンピオンになった所や、新ジムが出来る所などでは、ジョーも丹下段平も感慨深くなっている話をやっていましたが、見ているこちら側もこの気持ちに共感してしまっていました。これがどん底時代をあっさり描かれていれば、恐らく感じる所はそれほど無いんでしょうけどね。前作でまともにボクシングを始めるまで23話ほど使っていますから、「あのどん底から良くここまで登ってきたなあ…」と、こちらも感慨深くなってしまいます。

 

今のアニメの体制ではこんなに前振りを丁寧に書くのは無理ですよね。1クール13話が当たり前。長くても2クール26話。4クール1年52話続くアニメなんて児童向けの極々一部だけ。もうこの手の国民的人気になるアニメなんて出てこないんでしょうね。ある意味豊かで余裕があり良い時代だったんですね。

 

物凄く今更な感想ですが、無茶苦茶面白かったので書いてみました。いやあしかし見て良かった。こんな面白い作品を知らないままなんて、余りにも勿体ない事をするところでした。

 

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