「Rakuten UN-LIMITED Vを固定回線として使ってわかったこと/楽天モバイル」レポート ~ADSLの乗り換え先を探して…固定回線として取り敢えず使える~ 5/5 (1)

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今回レポートするのは、楽天モバイルさんのインターネット回線『Rakuten UN-LIMITED V』です。

 

それでは早速レポートを書いていきたいと思います。



レポート

はじめに

楽天モバイルのRakuten UN-LIMITED Vは果たして固定回線の変わりになるのかどうか…。

 

数ヶ月前に契約して使用しているのですが、遂に自分の住んでいるところがエリア内になったので、この疑問を解消すべく、固定回線として使用してみました。固定回線として使用する方法、その使い勝手などを書いていきたいと思います。

 

楽天モバイルのRakuten UN-LIMITED Vとは

まずは楽天モバイルのRakuten UN-LIMITED Vとはどんなサービスなのか。基本的なことをおさらいしておきます。

 

楽天モバイルはドコモ、au、ソフトバンクに次ぐ第4のキャリアとして昨年2020年にサービスをスタートしました。価格が2980円で使い放題との謳い文句が話題になりました。まずは本当に使い放題なのか…についてですが、いくつか条件があります。

 

  1. 楽天エリア内では容量無制限、速度無制限(※1)
  2. 楽天アリア外のパートナーエリアではau回線を使用
  3. パートナーエリアでは月5GBまで速度制限なし
  4. パートナーエリアで5GBの通信容量を使い切ると1MB制限になる
  5. 月額2980円
  6. 月額2980円だが1年目は無料
  7. 通話はRakutenm Linkを使用すれば国内通話は時間無制限で無料(※2)

 

ザッと書くとこんな感じでです。ただ少し注釈が入ります。このことについても後述していきます。

 

W05を購入してBAND固定した

私が現在使用しているスマホは、楽天公式に対応していると謳っているAQUOS Sense 3 liteなのですが、どうやっても楽天回線を掴みません。他のスマホで来ている電波を調べたところ、楽天のBANDである『44011』があったので、電波は来ているけどスマホが掴まないのだろうと…。

 

ネットで調べて楽天回線であるBAND3に固定出来るWi-Fiルーターを購入しました。これはAmazonなどでも売っていますし、ヤフオクなどでもたくさん出品されています。

 

W05の設定方法はネットにたくさんあります。その通りにBAND3で固定したところ楽天回線を掴みました。どうも私のスマホでは楽天の電波はまだ弱く、auの方が強いのでそちらの方を勝手に選択してしまうのではないかと…。

 

簡単に手順を説明すると下記のようになります。

 

  1. W05を購入してバージョンをBAND3対応のものにダウングレード(11.450.07.31.824以前)する(ヤフオクなどでバージョンダウングレード済み、設定済みが売っています)
  2. 楽天モバイルのSIMカードを入れて再起動して通信を有効にする
  3. 『192.168.100.1』か『http://speedwifi-next.home/』にアクセスしてユーザー名『admin』とパスワード『本体裏面にあるIMEI下5桁の数字(初期設定)』を入力してW05にログインする
  4. 『プロファイル設定』から楽天モバイルの設定を作る※1
  5. スマホとW05をWi-Fiで接続する

 

本体ファームウェアのダウングレードはこちらの情報を元に行ってください。

 

前述もしましたが、ヤフオクなどでダウングレード済み、楽天モバイル設定済みのW05が3000円程度売っているので、そちらを購入した方が楽なのでお勧めです。私の場合、何故か設定をミスしてしまったため初期化し、自力で以下の作業でBAND3固定化を行いました。しかし、問題なければ届いた状態でちょっと弄ればすぐに使えるようになっているはずです。

 

ヤフオクのW05を販売しているページ一覧はこちらになります。

 

※1の楽天モバイルのプロファイルで入力する項目は下記になります。

 

  • プロファイル名:Rakuten(任意の名前を入力)
  • APN(接続先情報):rakuten.jp
  • ユーザ名:空白(未入力)
  • パスワード:空白(未入力)
  • 認証タイプ:CHAP
  • IPタイプ:IPv4&IPv6

 

ここまでで楽天モバイルの回線に繋がるようになっているはずです。画面左上のアンテナピクトが圏外から立っていることを確認してください。そうしたら今度はBAND3への固定化作業に入ります。

 

  1. Android用アプリの『W04 L01 LTEBand』をインストールする
  2. 『DeployGate』というアプリがホーム画面に追加されているので起動する
  3. 『W04 L01 LTEBand』をタップして起動する
  4. パスワード『本体裏面にあるIMEI下5桁の数字(初期設定)』を入力する
  5. 『GET』をタップして現在のバンド対応状況を反映させる
  6. Band3のみをチェックして『SET』をタップして反映させる

 

以上でBAND3固定化作業は終わりです。少しPCに詳しい方なら簡単にできます。

 

ホーム画面にインストールしたアプリが出てきます。

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初期設定では、このようにいくつものBANDに対応しており、最適なものが選ばれるようになっています。しかし、楽天モバイルを使用したい方にとってはこれが邪魔となり…。楽天モバイルのBAND3のみを固定する必要があります。BANDは同アプリでいつでも変えることができます。

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うちに入る電波はやはり弱いようで、部屋の奥にルーターを置くとアンテナが1本。窓際に持っていくとアンテナが3本立ちました。屋内で電波が弱い場合、窓際や高いところなど位置を工夫してみてください。

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速度は平均して14M程度で、良いときは18Mほどでした。うちの回線はADSLなのですが、その速度が12MBくらいなのでそれよりも速くなり、固定回線としても十分使用できることがわかりました。ただ、うちは電波が弱い方みたいですね。

 

ネットの報告を見ると20Mや30Mが当たり前に出ているようなので、やはりまだエリア内になったばかりで基地局が少なく電波が弱いようです。今後さらなる基地局の増設で速度が上がることを期待します。

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楽天エリア内でも速度制限がある

まず前述の※1ですが…楽天エリアは通信容量制限なし、速度制限なしのはずなのですが…あります。先に結論を書くと、1日10GBで制限が掛かり、制限後の速度は3MBになります。2020年4月頃まで、制限後の速度は1MBだったので、制限後の速度は大幅にアップしたようです。とはいえ、厳密には容量無制限でも速度無制限でもありませんでした。

 

実際にtorrentで適当なファイルを10GBDLしましたが、10G超えたところでピッタリ3MBに制限されることを確認しました。そして、気になるのはその制限はいつ解除されるのかですよね。下手したら月が変わるまでこのままなのかと思ったのですが、深夜0時を過ぎたあたりに制限が解除されました。

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0時を1秒でも過ぎたら解除されるわけではありません。0時15分だったり10分だったり1時だったりまちまちです。おおよそ0時ってところです。また、いつまでも制限が解除されない場合、端末を再起動したり、機内モードにしてIPアドレスを変えて下さい。それで制限は解除されます。

 

ドコモの新サービスプラン『ahamo』の場合、容量は『月』に20GBで制限後に1MB規制なので、ahamoより圧倒的に使える回線です。

 

前述したように楽天エリアはまだまだ全国に広がっておらず、楽天公式のエリアマップで濃いピンク(楽天アリア内)になっていても楽天回線(BAND3)を掴まないことも多いです。そのため、楽天エリアで電波を掴める地域の方は使えますが、エリア外の方は、固定回線としては使えないということになります。

 

【ドコモ ahamo】2980円

  1. 1ヶ月20GBを超えると1MBに速度規制
  2. 速度規制解除時期不明(おそらく翌月1日)

 

楽天モバイル Rakuten UN-LIMITED V(楽天エリア)】2980円※1年目無料

  1. 楽天エリアで1日10GBを超えると3Mに速度規制
  2. 0時過ぎに速度規制解除

 

楽天モバイル Rakuten UN-LIMITED V(パートナーエリア:au)】2980円※1年目無料

  1. 楽天エリア外のパートナーエリア(au)で月5GBを超えると1Mに速度規制
  2. 翌月1日に速度規制解除

 

まとめると下表のようになります。

楽天
ドコモ
Rakuten UNLIMIT
(楽天エリア)
Rakuten UNLIMIT
(パートナーエリア)
ahamo
価格 2980円
容量制限 10GB/ 5GB/ 20GB/
容量を使い切った後の速度制限 3M 1M
制限解除時期 翌日0時過ぎ 翌月
対応エリア 狭い 広い

 

楽天モバイルとパートナーエリアの公式マップはこちらになります。濃いピンクが楽天エリアで、薄いピンクがパートナーエリア、白が圏外となります。

 

注意点としては前述したように、楽天エリアでもパートナーエリアの回線の電波が強く、自動的にパートナーエリア回線を掴んでしまう場合が多々あります。ハッキリいうとこのエリアマップはあまり当てになりません。そのため、楽天エリア内でどうしても楽天回線を掴みたければ、BAND固定出来るルーターやスマホを購入することをお勧めします。

 

torrentも使えた

前述したように、10GBDLしたら制限が掛かるのかどうかで使用したtorrentが普通に使えました。ポート解放した方がたくさんの人と繋がるので速度は出ますが、別にポート解放も必要なく限界まで速度が出ました。こちらの画像は1.3MB(13M)の速度ですが、一番速度が出たときで1.8MB(18M)でした。(DL速度と実行速度では単位と表記が違うので併記しています)

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制限が掛かると以下のように見頃に300kbps(3MB)に制限。

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制限後の3Mは使えるのかどうか

速度制限後の3Mですが、ファイルのDLなどをせず、WEB閲覧などなら余裕です。画像も音楽も余裕です。動画もyoutubeでフルハイビジョンは見られます。4Kは厳しいです。

 

実際に使用してみた感じは、大きなファイルさえDLしなければ普通に使えます。OSのアップデートで2GBだったり、最近のゲームだと容量が多いので20GBとか落とすのでなければ問題ありません。ただ、私の環境の問題かもしれませんが、速度は安定しない感じがしました。

 

無制限中でも、前述のuTorrentを使用して観察すると、800kbps(8M)~1.8MB(18M)を結構頻繁に上下しました。上限の1.8MB(18M)に貼り付くことは少なく、5割ほどは1.4MB(14M)程度で、残り3割が1.7~1.8MB(17M~18M)、残り2割が800kbps~1.1MB(0.8M~11M)といったところでした。

 

裏でDLをしているとその限界まで帯域を使ってしまうため、WEB閲覧などがなりもたつくことが頻繁にありました。今まで使用していたADSLだと、上限が12MB程度できちんと固定されていたので、DLは帯域制限ソフトで8Mから10Mに設定しておけば、余った2M~4MでWEB閲覧など他のことができました。

 

このRakuten UN-LIMITED Vは帯域が上下し、その帯域一杯までDLで使ってしまうため、このような帯域制限ソフトで他のことのために開けておくことも難しいようです。その場合は余裕を持って、帯域制限ソフトで限界の1/3くらいにすると良いでしょう。半分の1Mや0.8Mの制限では、まだWEB閲覧等でもたつきがありました。私の場合は6Mとかですね。この辺りは工夫が必要そうです。もちろん、そんなにDLなんてしないという方ならなんら問題はありません。

 

私が使用している帯域制限ソフトは下記になります。海外のソフトですが、インストールすると日本語化されます。

 

結論ですが、普通に固定回線として使用できます。ファイルをDLしない方はもちろん、する方でも制限後に3Mになるので、DL以外には使用できます。大きなファイルのDLでも1日10GBまでは速度制限がないため、30日×10GBの月300GBは速度制限なしでDLできます。3Mでもまあ根気があれば3Gだろうが4GだろうがDLできます。

 

競合するであろうドコモの新プラン『ahamo』が月20GBで、制限後に1Mの速度規制であり、解除はおそらく月初めになるので、固定回線にするなら楽天モバイルの方が上です。

 

以上のことは楽天エリアであれば…です。楽天エリア外だとパートナー回線としてauを借りており、月5GBの容量制限があります。それを使い切ると1Mの速度規制になるため、楽天モバイルのパートナー回線であればドコモのahamoの方が上です。

 

あとはドコモの新プラン『5Gギガホプレミア』が気になりますね。6550円と高いのですが、容量も速度も無制限を謳っています。5Gとはなっていますが、5G未対応の4G回線でも同じく無制限とのこと。

 

こういった回線業者の無制限はなにかしらの細かい制限がありますからね。価格が高いので、おそらく本当に無制限ではないかなあとは思いますが…。こればかりは他の方が使っての報告を待つしかありません。

 

楽天Linkの通話無料が凄い使える

通信速度や容量とは関係なので余談になりますが、楽天Linkは凄い重宝しています。というのも、前述したようにこの楽天Linkというアプリから電話を掛けると、基本的に国内通話は何分使用しても無料なんです。他では5分とか10分とかですよね。または無料にするには別途料金が掛かったり。しかし、こちらは正真正銘の無制限で無料です。

 

例外として0570、0180、188など、ごく一部の通話は無料になりませんが、一般家庭や他社携帯でも全て無料になるので、これは気にしなくて良いと思います。

 

ネットを見ると評判が悪いんですよね…。私は普通に使えていますし、音質も良く遅延もないのですが…。まあ何かトラブルがあればネットに書き込みはしますが、私みたいに問題なく使えている場合、問題ないとわざわざ書き込みませんからね。

 

私は少し変わった使い方をしていて、人に電話番号を教えるときは基本的に050のIP電話の番号を教えています。何故かというと、050のIP電話なら携帯会社をいくら変えても番号が絶対に変わらないからです。

 

090や080、070の場合、MNPをしなければ番号が変わってしまいます。そのたびに番号を知人に教えるのも面倒なので…。今後、もっとMNPの手続きが楽になればそちらを教えるんですけどね。そして発信はこの楽天Linkから行っています。なんせ通話無料ですので。

 

楽天Linkの仕組みは基本的にIP電話と同じ(厳密には違いますが)で、ネット回線を使用したもになります。そのため音質や遅延に多少問題があることは事実ですが、その辺の050アプリよりも音質、遅延ともに良いと感じています。

 

アプリの利用方法も一般的な電話アプリと同じく、数字をタップして電話を掛けたり、Gmailの連絡先を同期して掛けたりもできます。唯一の不満点はスピーカーにできないことです。これができれば文句なしなんですけどね。

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総評

ADSLは2023年1月に終了なので、乗り換え先をそろそろ探しているADSL難民がチラホラいるようです。私もそうなのですが、今回の楽天モバイル固定回線化実験により、それが可能であることが分かりました。

 

1日に20GとかDLする方には向きませんが、制限後でも3M出るので、その後のWEB閲覧や動画の再生程度なら全く問題なく使えました。ヘビーユーザーでも一応使えるかな…と。というか、2021年1月現在だと、最も安く固定回線かできるのがこの楽天モバイルのRakuten UN-LIMITED Vだと思います。ただし、これは楽天エリアに限った話で、パートナーエリアの場合は固定回線としてはお話になりません。

 

楽天に限らず回線業者は状況が変わると平気で規約を変更し、速度規制、容量規制を行ってきた歴史があるので、今後どうなるかは未知数です。なので、じゃあ今すぐに楽天モバイルに固定回線もまとめちゃおうというのはお勧めしません。まだ様子見するのが良いと思います。

 

1年目は無料なので、その様子見として今加入するのはお勧めです。今から加入して1年様子を見て乗り換えるか決めれば良いですからね。

 

2年前くらいはMVNOでも200kbps上限なんて当たり前にありました。ところがここ2,3年で状況は大きく変わり、今やこれまで触れてきたように、1日10GB、それを超えても速度規制で3MBのサービスまで出てきました。

 

ドコモやソフトバンクも競い合って、安くて速くて容量も緩いプランを出してきました。この競争が続けば、おそらくADSLが廃止される2023年1月までにもっと良いサービスが出てくると思います。

 

個人的には10~15M出れば良いので、速度制限がそれくらいで容量無制限3000円であれば良いんですけどね。制限後の3MはWEB閲覧や動画再生も問題ないのですが、ファイルをDLするとやはり厳しいです。となると、5Mくらいは制限後も欲しいです。

 

2020年4月に制限後の速度規制が1Mから3Mにゆるくなっったので、ここもまた5Mになれば最高なんですけどね。そうなったら楽天1本で行くつもりです。

 

ADSLの乗り換え先はどこかにあるんだろうかと心配していましたが、ADSL終了まで2年あるこの時点で、この楽天モバイルのサービスがあるので、あと2年でもっと良いサービスが出てくるでしょう。

 

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