目次
あらすじ
『門』封鎖から10カ月。特地アルヌスでは、富田二曹と元帝国騎士ボーゼスとの赤ん坊の誕生を祝うため、伝統祭事が行われることになった。ところが、亜神四柱の出席が決まると特地じゅうが大騒ぎ。式典は異例の大祭典へと発展していく。一方、これを好機と見た一人の新米亜神が、とある古の因縁に決着を付けるべく、アルヌスを目指していた―かつてないスケールの超エンタメファンタジー!異世界大祭典で、黒ゴス神官ロゥリィ大暴れ!
長所と短所
- ○全編ドタバタコメディ
- ○ロゥリィの人間時代の過去が語られる
はじめに
今回レビューするのは、柳内たくみさんの『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝2 -黒神の大祭典編-』です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
今巻は全編ドタバタコメディ
前巻の南海漂流編では、伊丹とピニャの冒険譚だったのですが、今回は富田とボーゼスの結婚式(をダシにした)ドタバタコメディでした。南海漂流編もそうだったのですが、今回はそれ以上に政治や戦争の話は無し…と言うか本当に一切ありません。
富田とボーゼスの結婚式に便乗し、自衛隊とアルヌス共同の大きなお祭りを企画し、そこに特地に存在する全亜神6人が集結したり、集まってくる人を受け入れるインフラ整備に四苦八苦したり。
ロゥリィの人間時代の過去が語られる
メインの話ではないのですが、今回はロゥリィの過去が語られました。ロゥリィが昇神する前の人間で、まだ家族と一緒に暮らしていた頃の話、そして昇神した時、昇神したすぐ後の話などです。このような主要キャラの過去が掘り下げられる話を見ても、もはやゲートの外伝は外伝ではないみたいですね。本編と外伝の違いは、本編ががあくまでゲートが閉じる前の話、外伝がゲートが閉じた後の話って区分けのみのようです。本編読んだからもう満足と、外伝を読まなかったら大変なことになっていましたよ…。
外伝は外伝らしく、本編で語られなかった裏舞台や、空白の時間を使った隙間話をやる物だとばかり思っていたのですが、普通に本編並みに重要な話が語られています。
ボーゼスと富田の結婚式とロゥリィの過去の2本立て
前述してきたように、今回のお話の柱は完全に2本で、ボーゼスと富田の結婚式、そしてロゥリィの過去編でした。この2本の話がザッピングしながら進んでいきます。ちょっと話があっちに飛びこっちに戻りとするので、落ち着かない感じは若干しますが、一応この2本の話はリンクしていて、富田とボーゼス(をダシにしたお祭り)とロゥリィは結婚式という繋がりがあります。何故ロゥリィの過去編をボーゼスと富田の結婚式の話の間に入れてきたかはきちんとした理由がありました。
新登場人物もいっぱい
今回も前巻の南海漂流編に続き、何人もの新登場人物が出てきました。
ボーゼスと富田の結婚式編では、ボーゼスの父親の、ボーゼスを憎み邪魔をするレディ、新たな亜人。ロゥリィ過去編では、同僚のメグル、ベルティ、ビムリコ、指導官のナムダなどなど。結構新キャラが多く、勿論アニメでは描かれていないので、この辺りはもう文章からその容姿や仕草を想像するしかありません。
外伝2冊を読んだところですが、このように新キャラが多く、ボリュームもたっぷりなので、きちんとやれば1巻で1クール13話できてしまいます。やはりアニメでこの辺りを見たいのですが、現時点の外伝を入れた全10巻をやると物凄く長くなってしまいますから無理なんでしょうね。
総評
いやあ、今作も外伝では無く普通に主要キャラの過去が語られたりと、本編並みの重要な話でした。本編では自衛隊vs帝国の戦争がメインで、なおかつキャラがどんどん追加されていったので、全てのキャラを完全に掘り下げることはできなかったんでしょうね。前作も今作も終わりは次に続く終わり方なので、外伝1巻ずつすら完結していないんです。完全に外伝も本編の続き物です。
こんな人にお勧め
- ロゥリィの過去を知りたい人
- 亜人全員を知りたい人
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