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「ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝1 -南海漂流編-/柳内たくみ」レビュー

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あらすじ

『門』封鎖から5カ月。特地では周辺列国の暴走により、各地で紛争が勃発していた。伊丹ら日本使節団は、帝国皇太女ピニャらと共に紛争当事国との交渉に赴くが、その道中に船が座礁し、伊丹とピニャの二人が大海原に放り出されてしまう。伊丹行方不明の報に異世界美少女達は大パニック!空と陸からの大捜査が始まった―かつてないスケールの超エンタメファンタジー。『門』封鎖後の異世界珍騒動、開幕。

 

長所と短所

  • ○外伝と謳ってはいるが本編最終巻の続き
  • ○これまでいまいち活躍が少なかったピニャが完全にヒロイン
  • ○話がシンプル
  • △政治や戦争の描写がほとんどない

 

はじめに

今回レビューするのは、柳内たくみさんの『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝1 南海漂流編』です。

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

外伝とは言えども続編だった

外伝と銘打っているので、てっきり本編で語られていなかった空白の時間や、伊丹ら主人公たちの裏でピニャは…ゾルザルは…なんて典型的な外伝かと思ったのですが、完全に本編最終巻冥門編からの続きでした。あらすじにあるように、本編最終巻で門が閉じた5ヶ月後の話です。まあ、実際には、本編最終巻最後は伊丹たちが門を再度開いて帰って来たところで終わったので、門が閉じてから帰ってくるまでの間とも言えるので微妙なところではありますが…。

 

ヒロインはピニャ

この南海漂流編は、伊丹とピニャが海で遭難し、主にたった2人で冒険する話です。完全に伊丹×ピニャの話になっていました。本編だとピニャは、ロゥリィ、テュカ、レレイの影に隠れ、また帝国の皇女という立場上、伊丹と一緒に行動する時間は少なかったので、この外伝でその補完をした感じですね。ただ、補完以上で、この巻だけでもうピニャがヒロインと思ってしまうほどピニャ、ピニャ、ピニャでした。

 

これまで主要キャラである、ロゥリィ、テュカ、レレイですら、1巻中半分以上伊丹を独占したことは無いので、この巻だけでこの3人を抜いてしまった感があります。これをよしとするかは誰に肩入れしているかで違うとは思うのですが、なんと言うかパワーバランスが一気に変わった感じです。これまでと同等かそれ以上に面白いんですけどね。

 

とは言っても、これは前半まで。後半は、遭難した伊丹とピニャを捜索しに、自衛隊といつものメンバーであるロゥリィ、テュカ、レレイ、ヤオが登場。前半とは打って変わり、主に伊丹捜索の様子を描いていました。

 

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝南海漂流編

 

話がシンプルで分かりやすい

前述もしたように、この南海漂流編では、ロゥリィ、テュカ、レレイ、そしてヤオなど、これまで伊丹の周りに常にいた主要キャラがほとんど活躍せず、伊丹とピニャの冒険物語のため、話の流れや構成が物凄くシンプルで、人間関係の構図もわからなくなることはありません。

 

また、帝国との戦争でもないので、帝国とそれれを取り巻く諸国との複雑な絡み合いはあまりありません。一応、伊丹やピニャたちの目的は、エルベ藩王国周辺への示威行為、交渉ではあるのですが、政治的な話はここだけなので、複雑な政治情勢を考えながら読んだり、頭を整理しないと理解出来ない話がなく、ただ目の前の文章を読み、その情景を思い浮かべるだけなので非常に楽に読めました。いわゆるエンタメに特化しているので、本編の政治や戦争、マスコミとの関係などは一切取り払われています。

 

ゲートの魅力の1つはアクが強いのですが、政治描写や軍事描写であることも事実。なので、この部分に楽しみを見出している方の場合、この南海漂流編には物足りなさを感じるかも知れません。逆に、この部分のアクが強いなと思っていた方だと、純粋な冒険譚となっているため、もしかしたら本編より楽しめるかも知れません。私はどちらかと言うと後者だったかなと思います。本編より楽しく読めたかも…。決して本編がつまらないわけではないんですけどね。小難しい話や政治思想がほとんど出てこないので、頭を悩ますことなく、単純に読んでいて楽しかったです。

 

おわりに

本編の政治や軍事の話を10とすると、この南海漂流編は1くらいです。政治・軍事の話はほとんどありませんでした。それも当然で、門が閉じてしまったので、現実世界の国同士の思惑、工作、マスコミはもう一切合切無い世界だからです。本編は、たまに中国批判、マスコミ憎悪の描写がクドクド続くこともあったのですが、それらは背景的に一切出しようがありません。単純に読んでいて楽しいと言う感情では、本編より上かもしれません。

 

そして、なんと言っても特徴的なのは、これまでほとんど無かったピニャと伊丹の絡みが中心だったことです。ただ、これで伊丹を想う女性のロゥリィ、テュカ、レレイ、ヤオの4人のハーレム要員の中に、完全にピニャが入ってしまったので…ここはどうなんでしょうね。伊丹1人に対して5人の女性が群がる完全ハーレムの様相を呈してきました。

 

こんな人にお勧め

  • ピニャが好きな人
  • ピニャと伊丹の絡みが見たい人

 

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