「ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝5 -特地迷宮攻略編-/柳内たくみ」レビュー

あらすじ

時は遡り、炎龍討伐から程なくした頃―。第三偵察隊の任を解かれ、特地資源調査担当となった伊丹耀司は、テュカ、レレイ、ロゥリィ、ヤオを伴い、異世界の探索に乗り出した。その道中、立ち寄った寂れた町で、レレイが流行病に侵されてしまう。高熱に喘ぐレレイを救うため、伊丹はヤオとロゥリィを引き連れ、病に効くという果実を探しに怪異ひしめく迷宮に挑む―「特地迷宮攻略編」。その日、少女歌劇団による演目を観た幼き皇女ピニャ・コ・ラーダは、あるひとつの強い想いにとらわれた。「そうか…たとえ女であっても、国を守るために剣を取って戦ってもよいのだ!」衝動に突き動かされるまま、騎士団を立ち上げたピニャ。ところが団員のお嬢様方は早くも不満たらたらで…。のちに皇女直属の精鋭「薔薇騎士団」へとつながるピニャの熱き野望を、指導官グレイの視点で綴った青春群像劇―『帝国の薔薇騎士団 グレイ・コ・アルド編』本編で語られなかった知られざるストーリーが書籍化!大ヒット自衛隊×異世界ファンタジー。

 

長所と短所

  • ○ヤオがヒロインになる
  • ○ピニャの騎士団の昔の話がわかる

 

はじめに

今回レビューするのは、柳内たくみさんの『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝2 -特地迷宮攻略編-』です。

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

既刊分終了

やっとこれで現在既刊されているゲート全10巻を読み終えました。いやあ長かった…。

 

元々小説を読み慣れていなかったこともあるのですが、1巻全て500ページ前後ありますからね。全部で5000ページを超える分量でした。この最新刊(最終巻?)が発売されたのが2015年半ばなので、次の外伝もあるかもしれませんが、1年以上音沙汰がないのでこれで終わりですかね。

 

3本立て

この巻はこれまでと違い、短編3本立てとなっていました。

 

メインお話は時間が巻き戻り、帝国と日本が戦争をしているさなか、レレイが学都ロンデルに向かう途中のヤオとの冒険。2つ目は本当に短編30ページほどで、栗林が特地の任務に就くまでの話。そして、最後がピニャの騎士団の成り立ちや訓練の話を、グレイの始点から語った話。この3本立てです。

 

やっとヤオがヒロインに

この巻では、主要キャラで最後までスポットライトの当たらなかったヤオが、やっとヒロイン的立ち位置になりました。ヤオの心の内や伊丹との関係を中心に描く話になっていて、やっと報われた感じです。

 

ヤオと伊丹との関係は、ヒロイン的な他のキャラ、テュカ、レレイ、ロゥリィ、ピニャとは違い、自分の仲間を救って欲しいがため、伊丹の大事な仲間であるテュカを、精神的に崩壊寸前にまで追い込んだ、伊丹にとっては憎むべき相手でした。このような成り立ちのヤオを、他のキャラと同じように、伊丹の取り巻きに持っていくのは難しいと思っていたのですが、なんだかんだで他の取り巻きと同じような立ち位置になりましたね。

 

ゲート外伝+ 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり <特地迷宮攻略編>

 

ただ、これもヤオというキャラクターらしいというか、他のヒロイン達と違い、丸々1巻ヒロインとして活躍する場は与えられなかったというか…。この外伝の半分ほどだけ、ヤオヒロインの話でした。

 

栗林の話

栗林の話は短編も短編で、数十ページしかありませんでした。まあ本当にサブキャラですからね。

 

栗林の話は、特地に派遣されることが決まり、屈強な男達と出会える喜び、しかし実際に行ったら倉田みたいなヲタクがいたり、よりによって隊長がヲタク中のヲタクの伊丹でガッカリとの流れでした。

 

ピニャの騎士団の話

最後の短編は、ピニャが少女時代に立ち上げた騎士団の話を、指導教官のグレイの視点から見た話の回顧録でした。語り口調もずっとグレイのままで、本編ではあくまでサブキャラだったグレイが、この短編では主人公のような形になっていました。

 

騎士団立ち上げの話から始まり、主な舞台は露営(野外)演習の話でです。ピニャは本気で騎士団を軍隊にしたく張り切るのですが、周りはあくまで貴族のお遊び、規律の勉強との立ち位置を出ません。必死で皆を本気にさせようとするピニャ、反目するボーゼス、快活なビフィータ、右腕のハミルトンなどなど、本編でもお馴染みの騎士団のキャラが出てきました。演習だったはずが、自然災害で堤防が決壊仕掛けたり、脱走したゴブリンが襲ってきたりとトラブル続きで、騎士団が結束していく様が上手く描かれていて面白かったです。

 

おわりに

一応ゲートはこれにて終了です。本編5巻、本編後の世界を4巻、時間を巻き戻っての外伝で、唯一主要キャラでヒロインを経験していなかったヤオを消化。一通り物語としても、キャラへのスポットライトとしてもやりきったと思います。

 

ゲートが再開通したあと、特地に取り残された自衛隊員と日本に戻った仲間との再開シーンや、特地でもまだ海に本格的に自衛隊は出ていないので、そのあたり広げようと思えば出来ない事はないのですが…。続きは希望が薄い気がします。

 

まあなにはともあれ、アニメを見て填まりに填まったゲートの続きを、存在する限り全て読むことが出来て満足です。

 

こんな人にお勧め

  • ゲートを読み終わりたい人
  • ヤオが好きな人
  • ピニャの騎士団が好きな人

 

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