漫画全話レビュー「めぞん一刻 第130話「なにも知らない子供たち」」 5/5 (1)

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1986年5月26日号

 

アニメでは

 

時系列とでき事
  • 1986年4月18日 三鷹瞬、響子さんとお見合い

 

この頃のでき事
  • 5月1日 - シチズン時計が「ビビ ウィズ・ソーラーセル」を発売。
  • 5月2日 - 世界ラリー選手権ツール・ド・コルスにおいて、ヘンリ・トイボネン/セルジオ・クレスト組が事故死。これにより同選手権におけるグループB規格が廃止になる。
  • 5月4日 - 第12回先進国首脳会議(東京サミット)開催。テロ問題でリビアを名指しで非難する。
  • 5月8日 - 英チャールズ皇太子とダイアナ妃が来日。
  • 5月10日 - アメリカでモスボールされていた戦艦ミズーリが再就役。
  • 5月27日 - エニックスがファミリーコンピュータソフト「ドラゴンクエスト」発売。
  • 5月28日 - 経団連第6代会長に斎藤英四郎が就任。
  • 5月31日 - FIFAワールドカップメキシコ大会開幕。

 

あらすじ

キャバレーのかすみさんが男と逃亡し、子供を預けられしまった五代君。とりあえず一刻館で預かることになります。一方、三鷹さんは明日菜さんとの縁談が強引に進むことに業を煮やし、響子さんに会って欲しいと両親に打ち明けます。

 

みどころ

  • 五代君と響子さんと太郎、花子の疑似家族感
  • 三鷹さんと律子さんの思惑

 

はじめに

前回、かすみさんに太郎と花子を無理矢理預けられてしまった五代君ですが、律儀に責任を持って一刻館に連れて行くんですね。キャバレーに置いてきても、警察に届けても良いと思うのですが。五代君の働くキャバレーバニーは全国チェーンらしいので、それなりに規模も大きく、本社もあるでしょうからね。今だと下手に子供を預かると未成年略取だとか誘拐とかで面倒になりそうですが…。

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覚えていないんだろうな

太郎は3歳か4歳か…。花子は0歳か1歳か。そんな年齢だと思うのですが、おそらくこの「事件」のこと。そして五代君のことを大人になったら覚えていないんでしょうね。私も幼稚園の頃の記憶を覚えているかと言えば…印象的なでき事は断片的に少しだけ覚えているのですが、ほとんど忘れてしまいました。これは、私の記憶力が駄目なのか、それともその頃の年齢の記憶はそんな物なのかわかりませんが…。

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こうやって一方は完全に覚えているでき事なのに、もう一方は完全に忘れているでき事って、上手く言えないのですが不思議な感覚がするんですよね。切ないなのか、悲しいなのか、その感情は自分でもわかりませんが…。

 

疑似家族

預けられてしまった立場上、五代君が太郎と花子の世話をするのは当然なのですが、立場や年齢上、響子さんも世話を積極的にするので、五代君、響子さん、太郎、花子でちょっとした擬似的な家族みたいな生活になっていました。五代君と響子さんが結婚して子供ができたらこんな感じなんだろうなあと想像させてくれます。

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ところで、かすみさんの子供である太郎と花子ですが…名前がシンプルと言うか、凄く手抜きに見えますよね。高橋留美子さんはこういったモブキャラに一見手抜きとも思える単純な名前を付けるのが好きで、うる星やつらにたまに出てくる馬鹿なカップルは馬男さん、牛子さんでしたし、らんま1/2でもパンスト太郎なんて出てきました。シンプルすぎるありきたりな名前であるが故、逆にインパクトに残ってしまいます。

 

 

遂に三鷹さん動く

五代君が子守で苦労している一方、三鷹さんは遂に意中の人、響子さんがいることを両親に告げます。怒られること、反対されることを心配していた三鷹さんでしたが、非常に軽いのりであっさり響子さんに会うことを了承する両親。叔父さんも三鷹さんと同じような強引さがあり、血の繋がりを感じましたが、実の両親も物凄くノリが軽く、三鷹さんの親だなあと感じさせました。このような肉親ネタもめぞん一刻では多いですね。今回の三鷹さんと両親もそうでしたが、響子さんと律子さん、五代君とおばあちゃん、こずえちゃんとその家族、八神と両親。

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めぞん一刻は、現実世界を舞台にした、日常のドタバタコメディからラブコメ、ラブストーリーとなっていくので、この家族の描写は避けて通れません。主要登場人物が魅力的なのは勿論なのですが、その家族まで特徴がしっかりあって面白いんですよね。それでいてそこまではぶっ飛んでいない、あくまで現実世界の枠内での面白いキャラになっているので、この世界観を壊しません。

 

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普通、漫画の登場人物の性格まではわかっている物ですが、その家族の性格までハッキリ印象に残る漫画なんて滅多に無いと思います。そのような意味でも、物凄くキャラ付けがしっかりしていて成功した漫画なのでしょうね。

 

それぞれの思惑

三鷹さんが両親の了承を得たことにより、響子さんの母律子さんに電話を掛け、両家勢揃いの会食のセッティングをしていましたが…要はお見合いですね。三鷹さんと響子さんはとっくに知り合っているので、お見合いという表現もしっくりきませんが、改めて両家公認になるようにの顔合わせです。

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三鷹さんは当然明日菜さんとの縁談を潰すため、そして響子さんと結婚するため。律子さんは元々娘の響子さんに再婚して欲しい。そんなメラメラ燃え上がるような描写がありましたが、一方その頃響子さんは何も知らずに太郎と花子とお昼寝中。こういった対照的な状況を描かせたらめぞん一刻はピカイチです。いつもきちんと最後にオチがあります。

 

総評

結構この辺は物語が複雑で、話が平行して起こっています。五代君の就職浪人、響子さんとの恋愛模様は勿論、かすみさんの子供太郎と花子の話、三鷹家と千草家のお見合いと、複数の話が平行して進展しています。

 

結局、太郎が大きな役割を果たすのですが、この辺の絡み方って面白いです。このあたりは基本的にラブストーリー一直線なので、シンプルに五代君、響子さん、三鷹さんの三角関係で話を進めても良いと思うのですが、全く関係の無いかすみさん、子供の太郎花子の話を絡め、結果的に「関係無い話」が「関係ある話」になるんです。

 

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