漫画全話レビュー「めぞん一刻 第071話「雪に二文字」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1984年1月30日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1984年1月 五代裕作と三鷹瞬、入院生活で響子さんを怒らせる

 

この頃の出来事
  • 1月1日 – AT&T分割。
  • 1月9日 – 日経平均株価が初めて10,000円の大台を突破。終値10,053円81銭。
  • 1月13日 – 13日の金曜日、仏滅、三隣亡が重なった。
  • 1月14日 – マクドナルドの創業者レイ・クロックがカリフォルニア州サンディエゴの病院で死去。
  • 1月18日 – 福岡県三池郡高田町(現:みやま市)の三井三池鉱業所の有明鉱坑内火災、一酸化炭素中毒で83人死亡。
  • 1月19日 – この日発売の「週刊文春」にて、三浦和義のロス疑惑を追及する記事「疑惑の銃弾」が掲載。これがきっかけでテレビ各局のワイドショーは連日ロス疑惑報道を大きく伝えることとなる。
  • 1月20日 – カシオ計算機が「データバンク テレメモ10」を発売。
  • 1月21日 – 映画ターザンの主役をつとめたジョニー・ワイズミュラー死去。
  • 1月24日 – 米アップルコンピュータがマッキントッシュを発表。
  • 1月24日 – 宝酒造が「タカラ缶チューハイ」を発売。
  • 1月30日 – 日産自動車がイギリスへの自動車工場進出を決定。

 

あらすじ

三鷹さんが入院してきて五代君と同室になった2人。響子さんは2人の世話をするのですが、案の定五代君と三鷹さんによる響子さんの奪い合いが始まります。ところが2人の思いとは裏腹に、三鷹さんにはテニススクールの女の子達が、五代君にはこずえちゃんが看病に押し掛け、響子さんは怒ってしまいます。

 

みどころ

  • 五代君と三鷹さんの響子さんの取り合い

 

はじめに

前回、三鷹さんがなんとわざと骨折をし、五代君と同室に入院してきたことにより、響子さんは五代君と三鷹さん2人の世話をすることになる回です。響子さんの無表情で静かな怒りの怖さが良く表現されています。

 

 

響子さんの奪い合い

同じ病室に五代君と三鷹さんが揃ってしまったため、響子さんは2人の世話をすることになるのですが、この3人が揃えば当然響子さんの奪い合いが始まります。五代君と三鷹さんは、お互い「フンッ」とあからさまに対決するようなことは、今までもこれからも無いのですが、今回は流石に同じ病室の隣のベッドなので、思い切り直接対決をしていました。

 

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一刻館の3号室は空いているので、読者はいつかこの一刻館の3号室に三鷹さんが来るのではと思って読んでいたと思うのですが、結局それは実現しませんでした。もしこれが実現したら、今回の入院エピソードのような、響子さんの奪い合いや、2人が直接反発し合う話がてんこ盛りだったのでしょうね。ただ、ずっとこの分かりやすい対決では飽きてしまうと思うので、やはり三鷹さんは外野にいて、時たま出てくるくらいが丁度良かったように思います。多分三鷹さんが3号室に入ってしまうと、明らかなライバルキャラである以上、そうそう無視は出来ず、こんな話ばかりになったのではないでしょうか。

 

気の迷いではない

響子さんは屋上で五代君のパジャマを干しているときに、抱き合ってキスしそうになったのは、気の迷いではないと断言していました。やはりあの時点で五代君を好きだったことは確定だと思います。問題は、あの瞬間五代君を好きだと思ったのか、それとももっと前から好きだと思っていて、あの時思いが爆発したのかなのですが、これは前にも書きましたが誰にも分かりません。そこはそれぞれ想像して楽しむ部分だと思いましょう。

 

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響子さんが五代君を好きなのは前回の時点で確定として、この後の八神のエピソードで出てくるのですが、そうすると惣一郎さんを好きだった自分が嘘になってしまうとの真面目すぎる思いから、それを表に出して認めて良いのかの葛藤がこの後ずっと続くことになります。このような複雑な響子さんの五代君への思いは4段階があります。

 

  1. 五代君を好きになる
  2. 五代君を好きな事に気付く
  3. 惣一郎さんとの兼ね合いから五代君を好きだと認められない葛藤
  4. 五代君を好きになった自分を認める

 

「響子さんは五代君をいつ好きになったのか」の話題では、その人が(1)から(4)のどれを想定して話しているのかに微妙なずれがあるので、話も若干ずれることがあります。

 

この入院エピソードの2回のキス未遂ですが、これは(1)か(2)のどちらかです。個人的な感想だとあれは(2)で、もう少し前から五代君のことを好きだったと思うのですが、(1)がいつだったのかはやはりわかりません。響子さんも最後に「(好きになったのはいつからだったか)忘れちゃった」と言うのですが、あれは恥ずかしくて誤魔化していたわけではなく本心だと思います。それらしい言動は所々あるんですけどね。明確にこことは断言出来かねます。

 

三鷹さんの攻撃

横道に逸れましたが、この回の話に戻すと、三鷹さんは五代君の邪魔をしに入院してきたのですからやることは一つです。五代君と響子さんの邪魔をし、三鷹さんは響子さんにアタックすることです。

 

三鷹さんは五代君と響子さんのなんとも言えない和んだ空気を感じ取り、何かあったことを察し、多少強引ではあるものの、無理矢理響子さんを抱きしめます。この「抱きしめる」行為では五代君との対比が面白いです。五代君はなんとなく自然と響子さんと抱き「合った」のですが、今回のこの三鷹さんの場合、三鷹さんから一方的に抱きしめたに過ぎず、この時点でこの両者の違いは明らかです。

 

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そして、三鷹さんは響子さんの微妙に拒否している反応を感じ、「計算」で抱くのをやめて謝るのですが、恋愛にこのように計算してしまうのが三鷹さんの悪いところで、最後まで響子さんが受け付けなかった部分です。三鷹さんが響子さんを本気で好きなのは、わざと骨折して入院して今回のことからも明らかなので、その気持ちをそのままストレートにぶつけていれば…。ただこういう性格は、今までの人生の積み重ねで出来上がったもので、その性格を変えることはほぼ不可能でしょうね。結局どこまで行っても響子さんとくっつく運命ではなかったのでしょう。

 

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ただ…響子さんもやはり強引に迫られると本当に弱いです…。五代君の酒に酔っての「好きじゃ~」事件や、今回の件も含め、響子さんは強引に迫られると基本的に断れない性格のように思います。もし三鷹さんが、計算とは言え相手の気持ちを思いやる優しい人ではなくもっと悪い人で、響子さんの気持ちを無視して、強引に手込めにしていれば…。もしかしたら響子さんは、三鷹さんに堕ちていたのかななんて思ってしまいます。

 

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響子さん怒る

五代君と三鷹さんは案の定響子さんを奪い合い、響子さん好きアピールをするのですが、そんな戦いの真っ最中に、三鷹さんにはテニススクールの女の子達が、五代君にはこずえちゃんが駆けつけ、私が看病するので響子さんはもういいよとなってしまいます。

 

今まで有り難う、もう看病は結構ですと言ったこずえちゃんには勿論悪気はありません。こずえちゃんは管理人さんがわざわざ店子の看病をしてくれ、負担を掛けて申し訳ないので、もう大変な思いを押しつけられないとの純粋な思いです。これが、こずえちゃんがきちんと響子さんをライバル視していれば、この言葉の意味も全く違ったものになり、響子さんも対抗心をめらめら燃やす事もあったのでしょうが、こずえちゃんは響子さんを恋のライバルとは純粋に思っていないので、対抗心を燃やそうにも燃やせない「暖簾に腕押し」状態なのです。

 

これが気付いていない天然の怖いところです。ナチュラルに悪意無く響子さんを排除し、そして怒らせてしまいます。そして響子さんは対抗心をこずえちゃんに向けられないのです。ただ、響子さんもその後思っているように、響子さんに看病して欲しいのなら、こずえちゃんやテニススクールの子たちの看病を断るべきなんです。

 

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そして響子さんの無表情の怒りの闊歩から、笑って雪が積もった地面に「バカ」と書かれる怖さ…。ハッキリと「ちゃんと断んなさいよ!」と怒鳴られた方がどれだけ楽か…。

 

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おわりに

今回は話が盛りだくさんでした。

 

五代君と三鷹さんの響子さんの奪い合いに始まり、前回のキス未遂は気の迷いではないと響子さんが結論を出し、五代君と響子さんのなにかの空気を察知した三鷹さんが響子さんを抱きしめ、そして他の女の子達が看病に来て響子さんを追い出して響子さん激怒。

 

前回、五代君と響子さんはキス未遂をし良い雰囲気になり、三鷹さんは響子さんを抱きしめ、ある程度良い感触を得たのですが、同じ回の最後には響子さんが激怒してしまいました。目まぐるしく展開が変わった回です。

 

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