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漫画全話レビュー「めぞん一刻 第055話「ちょっと休もうか」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1983年5月30日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1983年5月 五代勇作、コンパの女の子とホテルに入る直前まで行く

 

この頃の出来事
  • 5月4日 – サラリーマン新党(代表・青木茂)結党。
  • 5月9日 – ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が、地動説を支持したガリレオ・ガリレイに対する宗教裁判の誤りを認める。
  • 5月10日 – カシオ計算機が電子手帳「データバンク」を発売。
  • 5月11日 – IRAS・荒貴・オルコック彗星が地球から約466万kmのところを通過。
  • 5月20日 – 泥酔者を死なせた警察官に、福島地方裁判所が戦後初の特別公務員暴行陵虐罪を適用し有罪判決。
  • 5月21日 – 歌手の坂本スミ子が大麻取締法違反で書類送検。
  • 5月23日 – 東京ディズニーランドに500万人目のゲストが来園。
  • 5月23日 – ファッション雑誌の「ViVi」(講談社)と「LEE」(集英社)の2誌が創刊。
  • 5月26日 – 日本海中部地震(M7.7)。
  • 5月28日 – 第9回サミット開催。

 

あらすじ

大学の新歓コンパで女の子と仲良くなった五代君。送っていく途中、ホテルの横で気持ち悪くなる女の子をホテルに連れ込もうとした瞬間、響子さんと遭遇してしまいます。

 

 

みどころ

  • 五代君童貞喪失一歩手前

 

初登場人物

  • ジュンちゃん
  • 白石衿子

 

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はじめに

今回は色々な意味での問題回です。

 

心に唯一と決めた響子さんがいるにもか関わらず、ふらふらと欲望に負け、行きずりの子とホテルに入る気満々になったり、そこで響子さんと遭遇したり…。

 

五代君は童貞

五代君は童貞です。たまにこのことはハッキリ明示されるのですが、今回は坂本の口からズバッと言われていました。

 

作者の高橋留美子さんは、二十歳を過ぎて童貞は正しくないとの考えだったらしく、このあと出てくる北海道旅行の大口小夏とのエピソードで、五代君の童貞を喪失させる考えだったのですが、編集の大反対で却下されます。今回の白石衿子とのエピソードもこの流れの一環で、あわよくばここで五代君を童貞から卒業させたかったんでしょうね。まあ結局特定の人間とではなく、ソープで童貞を喪失しましたが…。

 

五代君の好み

今回五代君は大人しそうで清楚そうな白石衿子に惹かれていましたが、五代君の好みは分かりやすいです。絵的に見ただけで「あ、響子さん似てるな。五代君の好みわかりやすいな」と思わせるのは上手いです。どことなく響子さんと外見や雰囲気が似ていて、そこに惹かれる五代君を見て、読んでいるこちらは、ああやっぱこういう子好きなんだなあと、漫画なのに納得してしまいますからね。

 

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響子さんの五代君評

響子さんは最初五代君を浪人さんとしか認識しておらず、名前すら覚えてくれませんでした。それがいつのまにか駄目な弟扱いとなり、「響子さん好きじゃ~」の回からは一応男として認識するようになりました。そして今はとどうかと言うと、少なくとも「可愛い年下の男の子」を否定しないまでに好感度が上がっている模様。

 

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初期のめぞん一刻はドタバタコメディなので、関係が進んでも後退しても次の話の時には基本的にリセットされるのですが、それでも完全にリセットかと言えばそういうわけでもなく、3歩進んで2歩下がる的に、物語には表出しない程度には、カタツムリの進む速度の如く、ゆっくりとはそれぞれの感情は動いています。その結果、やっとのことで「可愛い年下の男の子と言えなくもないかな…」程度までには響子さんの心は動いたみたいです。それだけに今回の失態は…ねえ…。

 

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本来は致命傷

五代君は白石衿子をホテルに連れ込もうとした瞬間を響子さんに見られたわけですが、これって本来致命傷で、大袈裟でも何でもなく、現実にこういうことがあっても、取り返しが付かないシーンですよね。

 

この時、響子さんは無表情で怒っていましたが、こういう響子さんの怒りが怖いんです。まあ端から見てるとその嫉妬も可愛いんですけどね。

 

こずえちゃんではない理由

今回ホテルに連れ込もうとしたのは、今まで微妙な関係ながらも親密だったこずえちゃんではなく、今回突然現れたモブキャラの白石衿子でした。そして数話あとに出る、五代君の初体験相手となるはずだった大口子夏も、これまたこずえちゃんではなくモブキャラです。

 

何故こずえちゃんではないのかと言えば簡単で、「五代君とこずえちゃんの関係は固定してしまっているから」です。「どれだけデートを重ねても、切っ掛けがあっても、五代君とこずえちゃんは何もないこと」が、この2人の関係の面白さとして確立してしまっているので、これはもう動かしようがないんです。

 

もう少し詳しく見ていくと、一つはこずえちゃんはネンネなので、どんなに無茶なストーリー展開をしてもキスが限界です。今までもなんとか限界まで頑張って、こずえちゃんがキスの要求をしてくるくらいでした。このネンネのこずえちゃんとホテル?初体験?あまりにも現実味がないんです。

 

もう一つは、こずえちゃんと致してしまうと、それは即エンディングになるからです。こずえちゃんの両親は強烈で、五代君の妄想でも、キスをしただけで銃を突きつけて結婚を迫るなんて描写がありましたが、あれは当たらずとも遠からずで、こずえちゃんと両親の性格を考えると、こずえちゃんに手を出したらもう響子さんへのルートは完全に閉ざされてしまいます。

 

このような理由から、響子さんとの関係に影響を与えない、一晩限りの火遊びならばとの理由で、すぐに退場させられるモブキャラを五代君の初体験の候補にしたのでょう。まあ結局誰もそうはなりませんでしたが色々考えたんでしょうね。

 

五代君は普通

五代君は良くも悪くも普通すぎる程普通の男性です。

 

今回の話も男性からすると普通で、若い童貞の男性が可愛い子と出来るチャンス到来となれば、9割方こうなるの当たり前です。ここで心に決めた人がいるからと踏みとどまれる人は、残念ながらほぼいないと思います。これがある程度経験をして、付き合っている彼女がいるとなるとまた話は別ですけどね。女性作家なのにそういった男性の「普通」、欲望の「普通」を描けるのは凄いことだと思います。

 

しかし五代君の童貞についての扱いは、作者も編集も悩んだみたいですね。いっそのこと、過去の高校時代の彼女と経験済みとしておけば楽だったのでしょうか。

 

おわりに

この回は生々しすぎてアニメ化されなかったんでしょう。午後7時半のお茶の間ど真ん中の時間で、当時はアニメは子供が見る物との固定観念が強く、家族で食卓を囲んで見るのも普通でした。実際私も、うる星やつらを家族で見ていました。子供の部屋にテレビがあることが珍しかった時代なので、リビングで見るしかないとの時代背景もあります。うる星やつらも結構セクシーな絵や話があったんですけどね。子供過ぎてそういう物が恥ずかしいとの感覚が無かったので、普通に親と見ていましたよ。父親が見る巨人戦が無い日は…ですが。

 

 

話が横道に逸れましたが、新歓コンパで未成年がお酒を飲み、泥酔して男を誘い、そしてホテルの前で「ちょっと休んでいこうか」ですからね。凄く生々しいです。もしこれを夜7時半にやっていたら、お茶の間が凍り付いていたであろうことは想像に難くありません。どうしてこれをアニメ化しないんだとの不満はちょくちょくあるのですが、今回ばかりは致し方がないのかなと。ただ、この回の五代君の慌てふためく様と、響子さんの静かな怒りは、アニメで見てみたかったです。

 

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