アニメ全話レビュー「めぞん一刻 第88話 「愛ふたたび?こずえが残したキスの味!!」」 5/5 (3)

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あらすじ

1988年01月06日放送。

 

前回、犬の妊娠を明日菜さんの妊娠と勘違いした三鷹さん。五代君の前に現れ、響子さんを託すと伝えます。

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一方その頃こずえちゃんは久々の登場で、銀行員の先輩にプロポーズをされていました。一刻館にも久々に訪れたこずえちゃん。響子さんとともに、五代君に会いにキャバレーへ一緒に行きます。こずえちゃんはプロポーズされたことを五代君に相談したかったのですが、大事な卒業試験中とのことでそれは言わず、帰り際に騙し討ちでキスをするのですが、偶然にもそれを響子さんに見られてしまい…。

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三鷹さんの登場はこれで本当に最後

厳密にはこのあと、五代君と響子さんの結婚式で、三鷹さんと明日菜さんが登場しますが、ストーリー上、三鷹さんと明日菜さんが登場するのは、今回の話で完全に終了です。三鷹さんのめぞん一刻中の話はこれで終わりです。悲しい…。

 

三鷹さんは意中の響子さんと結ばれず、無念な立場なのですが、政略結婚と言われるほど資産家同士の結婚なので、今後一生お金に困ることがないのは確定で、必ずしもがっかりする必要も無いんですよね。勿論、お金だけが人生ではないのですが、あって困る物ではないですし、「先立つもの」と言われるくらい、なくてはならないものなのは間違いないですからね。それでいて明日菜さんは三鷹さんにべた惚れです。好くことより好かれることの方が幸せなんてのもよく言いますしね。

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三鷹さんが五代君に最後に掛ける言葉がまた良いんです。五代君が三鷹さんに「幸せにしてやって下さい」と言うと、三鷹さんが「生意気だよ…」と。この言い方も絶妙で、どこか寂しげで、それでいて大人の余裕を最後に見せつけた感じ。で、これでやはり気になるのが五代君が大学四年なこと…。就職浪人中で社会の厳しさを身も持って知り、響子さんを幸せにしようと奮闘中の五代君と、大学四年の五代君では、この会話の重みが全然違うんです。これはどうしても引っ掛かっちゃうんですよねえ。

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響子さんはダメージ無し

三鷹さんが明日菜さんと結婚すると決まっても、その後の響子さんは至って普通で、特に普段と変わりが無いんですよね。

 

 

五代君が響子さんから離れようとしたときは、涙を流して一人傷心旅行に出かけたのとは実に対照的です。こういう何気ない描写からも、既に五代君を選んでいて、三鷹さんに勝ち目がなかったのが分かります。ただ、だったらもっと早く三鷹さんを解放してやれば良かったのにとは少し思いますが。

 

三鷹さんも読者も救ってくれたエピソード

この三鷹さんと明日菜さんの結婚は、顛末を淡々と言葉にすると、実に酷いと言うか、冗談みたいなんです。

 

キスしただけなのに、犬の妊娠を明日菜さんの妊娠と勘違いし、意中の響子さんを諦め、愛していない明日菜さんに早まって結婚を申し込む。冗談と言うか悪夢です。本当ならこんな話救われません。精一杯曲げに曲げて、やっと笑い飛ばすような話に変換することくらいでしょう。しかしこの冗談みたいな話を、物凄くいい話で感動させる話に変換しちゃいました。

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犬の妊娠を勘違いして、愛していない女性と結婚をする。こんな馬鹿話が、たった一話で感動するほどいい話にできちゃうなんて、高橋留美子さんの才能の凄さを実感します。そしてこれで救われたのが、三鷹さんであり見ている私たちでもありました。三鷹さんは明日菜さんの健気さに対して、「ずっと一緒にいるんだからゆっくり幸せになろう」と、もう無理はしないことを決めたことで、肩の荷が下りたでしょう。実際この時三鷹さんは心の中で、「さようなら音無さん…」と完全にけじめを付けていました。また、見ているこちらも、「気の毒な三鷹さん」と言う見方を変えることができました。おそらくこのエピソードがなければ、三鷹さんは本当に幸せだったのか、視聴者はずっと疑問に思っていたんじゃないでしょうか。しかしこのエピソードがあったお陰で、三鷹さんは確実に幸せなんだと確信が持てました。

 

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こずえちゃんは大学四年?

アニメだとこのこずえちゃん大学四年ですよね?

 

あとの話になりますが、と言うことは、こずえちゃんは内定が出た銀行に就職せず、卒業後すぐに結婚し、名古屋に行ったんでしょうか。原作漫画では銀行で働いていたからこその「銀行の同僚」だったんですけどね。アニメは就職浪人の一年間をショートカットしているので、こういうところでもちょっと無理が出ていますね。

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ちなみに、アニメではこずえちゃんの銀行の先輩の顔が出ていました。原作漫画ではなかったんですけどね。

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そしてもう一つ。この銀行員の彼は、貯金を一杯貯めているので、結婚式で一緒に使おうとプロポーズしていましたが、原作漫画の画像を見ると、ぼやっとですが数字が見える気が。桁数は百万円単位で一千万は無い模様。さらに先頭の文字を見ると、「86xxxxx」と見えるような気がします。860万円くらいでしょうか。

 

原作漫画では

 

最終決戦

八神も退場し、三鷹さんの出番が終わり、今まで息を潜めていたこずえちゃんが久しぶりに出てきたことで、響子さんとこずえちゃんの最終決戦が始まります。まあ最終決戦と言うか、こずえちゃんが勝手に引っ掻き回すだけなのですが。もう物語に絡んでくる主要な登場人物は、五代君と響子さん、そしてこずえちゃんだけなので、そういう意味での最終決戦ですね。色んなキャラが物語を引っ掻き回しドタバタしていたのですが、どんどん登場人物が退場していき、遂に主な登場人物は三人になってしまいましたよ…。すっかり寂しくなりました。

 

ただこれは悪いことではなくて良い事なんです。主要登場人物がなんとなくモヤッと退場。「え?これでもう出て来ないの?」「あのキャラは?」なんてことがなく、きちんと全ての登場人物に、しっかりと物語からの退場シーンを与える。言ってみれば、全ての主要人物に「最終回」が用意されているんです。ここまでめぞん一刻を観て来た人なら、それぞれの人物に思い入れがありますからね。その人物が蔑ろにされない、放りっぱなしにされないのは、観ている人にとっては凄く嬉しいんです。

 

このように、順次登場人物が退場していき、どんどん話が纏まっていくお陰で、物語が収束していく事がわかりやすく、そしてそれぞれの人生に決着が付いていく様がしっかり描かれるので、安心して観ていられるんです。

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