アニメ全話レビュー「めぞん一刻 第07話 「五代くん悩みます!響子さんの好きな人」」

今回レビューするのは、めぞん一刻の第7話です。

 

思うところがあり、今回アニメ全話レビューの大幅な加筆修正に着手します。リライト済みの場合、下記のように明示します。長く掛かりそうですがゆっくりやっていきます。

 

【リライト済み(2020年2月7日)

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。

 

あらすじ

響子さんが未亡人である子とを知って悶々とする五代君。そんなとき、すっかり懐かれた郁子ちゃんの家庭教師をすることになります。いまいち五代君を信用しきれないお響子さんは、郁子ちゃんの母や郁子ちゃん本人に手を出すのではないかと、一の瀬さんや朱美さんに言われて不安になるのですが…。

 

みどころ

  • 音無家の様子
  • 郁子ちゃんの天真爛漫さ
  • 若いときの響子さん

 

初登場人物

  • なし

 

感想

惣一郎さんと犬の惣一郎さん

前回、響子さんたちのお墓参りについて行ったことにより、響子さんが未亡人だと知った五代君。冴えない五代君が、綺麗な2歳年上の女性を射止めるのも難易度が高かったのですが、未亡人となるとさらに難易度が上がってしまいます。さらには結婚して半年で死んでしまったため、良い思い出ばかりの状態。

 

初期の五代君は妄想が激しく、結構ゲスな言動をするのですが、今回もそのようなことがありました。響子さんが犬の惣一郎さんと抱き合っている夢を見てうなされてしまいますし、大学に出掛けるときは犬とじゃれる響子さんを見て「やっぱり犬が良いんですか…?」と。この「やっぱり」って結構ゲスです。

 

やはり【(:矢張り)】(副)
①〈前/ほか〉と同じであるようす。
「今でも━あのままだ」

②(前から)思ったとおり。
「━だめだったか」

③あらためて〈考えると/考えた結果〉。
「いや、━おかしい」「━行くことにしました」
④一般(イッパン)に そう言われているとおり。
「━学者だけのことはある」
⑤表現をやわらげ(相手の同意を求め)る。
「━こういうことだと思いますが」
▽やっぱり。

三省堂国語辞典 第七版 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2014

 

五代君は以前から響子さんと犬の惣一郎さんが、変な関係だったのではと面と向かって言ったわけで…。私のことをなんだと思ってたのよと殴られて当然です。

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この時点で五代君は響子さんの胸をどさくさ紛れに揉んでビンタされ、屋根裏の暗闇で気絶している響子さんにキスしようとしてポカポカ殴られ、そして今回、響子さんと犬の惣一郎さんの関係を勘ぐってビンタされ…。7ヶ月の間に3回ビンタ、ないし殴られています。

 

しかもこのとき、五代君は遅く起きて午後から大学に行く予定だと、響子さんに言われて答えていましたが、一の瀬さんに突っ込まれたように、下着を干すところを待っていたとか…。まあ19歳の童貞ですからね…。仕方がないのか…。

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一刻館の土地の使い方は贅沢

一刻館の全景や管理人室の庭が描かれるとたまに思うのですが、一刻館の土地の使い方って物凄く贅沢です。23区外とは言え、東京にあれだけ庭や玄関先のスペースがあるなんて…と思います。もし一刻館を建て替えるときが来たら、土地が十分にあるので結構良いマンションが建つのではないかなと。

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管理人室の庭には洗濯機がありましたが、昔はこのように外に洗濯機があることが多かったです。今でもあるにはありますが、このようにほぼ雨ざらしの状態ではなく、きちんと屋根がある廊下なんかにありますね。ただ、管理人室の洗濯機は何も雨を遮る物がないので、これは結構当時としても過酷な状況かも…。

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惣一郎さんは死んでいない

一の瀬さんは管理人室に来て、以前のようにお見合いを勧めていましたが、響子さんは今回はキッパリ断っていました。前回は断ろうとしたときに、五代君が聞き耳を立てていることがわかり、話の途中で断れていませんでした。

 

「再婚する気はございません」、「惣一郎さんはまだ死んでいません」とキッパリ断っており、これ以来一の瀬さんはお見合いの話をしなくなりました。

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高橋留美子作品全般でも言えるのですが、当時を考えても結構古い言い回しがあり印象的です。このときは『ありていに言えば』、『操を立てる』と響子さんと一の瀬さんが言っていました。

 

このあとに出てきますが、『落伍者』なんて言葉もありました。うる星やつらですが『やらいでか』なんて言葉も印象的です。どれも連載時ですら古い言葉で、古い言葉使うなと突っ込める部分でした。

 

あり てい [0] 【有り体】

(多く「ありていに」の形で用いる)ありのままであること。 「 -に言えば」 「少しも恐るる所なければ、-に陳述せよ/変目伝 柳浪」

 

操を立・てる

①志をおし通して変えない。

②貞操を守り通す。

 

落伍者

読み方:らくごしゃ
隊列や隊伍から後れおいて行かれた人。比喩的に、大勢の人が歩むような人生に遅れを取ったり、悪い方向に行って落ちぶれてしまったりしている人のこと。

 

やらいでか

提案に積極的に乗る意思を示したり、意欲満々の意気込み・威勢を表明したりする意味で用いられる、掛け声に類する表現。言葉の意味としては「やらないままでいられようか」というような言い回しを約めて転訛したものと解釈できる。江戸時代あるいはそれ以前の下町の庶民的で荒っぽい言い方というイメージで用いられることが多い。

 

私は連載が終了してから中学生の時にめぞん一刻やうる星やつらを読んだので、高橋留美子漫画で知ったこのような古い言い回しは多いです。漫画を読むとバカになるとか言われましたが(今も?)、漫画は語彙を広げるのに有用だと思います。漢字も覚えますし、度を超しすぎなければ勉強に役立つ面もあるはず。実際、私は漫画で知った漢字やことわざ、言い回しが多かったです。

坂本は結構もてる

午後から三流大学の講義に出ようとした五代君ですが、休講とのことで暇になってしまい、今回は五代君、坂本、坂本の彼女(?)で喫茶店『はっぴー・とーく』でご歓談。この喫茶店の名前は原作と同じでした。

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今回は五代君の通う大学の正門も出てきました。その正門に堂々と書いてある大学名は…そう、『三流大学』です。以前も書きましたが、なんと堂々とした名前でしょうか。これは三流大学(仮)のような抽象的なものではありません。めぞん一刻の中では、本当に三流大学と言う名前です。これは漫画でもそうでした。

 

掲示板で休講のお知らせを見ている五代君ですが、張り紙に『教育心理』と書かれています。以前の受験票でも教育学部を受験したことが分かるのですが、その流れが受け継がれています。

 

五代君が教育学部を受験し、大学でも教育学部に進んだことは、漫画では最初に提示されていませんでした。おそらく漫画では後付けだったのですが、アニメは先行する漫画を見て先のことが分かっているので、独自の伏線として出してきたようです。このあたりは後発であるアニメの強みです。

 

坂本は結構彼女を取っ替え引っ替えしており、部屋やインテリアもなかなか良い物だろうなとの様子が今後描かれます。かと思えば、五代君と必死でバイトに明け暮れたり、生態が良くわからない人物でもあります。お金がカツカツでも無理して良い生活を望むタイプでしょうか。貧乏一直線の五代君とは性格や趣向が違うようです。

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この子は坂本の恋人とハッキリ描写があるわけではありませんが、漫画でもアニメでも席の座り方は五代君の対面で坂本の隣でしたし、喫茶店を出たあと、五代君だけが別の方向へ別れて歩き出し、坂本と女の子は一緒にどこかへ一緒に行ったので、この状況を見るとおそらくそうだろうなと思います。

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五代君は喫茶店で、「忘れなくちゃ、でないと、再婚したってお互いが不幸だ」と言っており、この時点で既に結婚を考えていた様子が描かれていました。ただ、これはアニオリのセリフで、漫画では再婚なんてワードは出てきませんでした。

 

今回の林原めぐみ

今回も林原めぐみさんが出演。喫茶店で五代君と話す坂本の横に、坂本の彼女らしき女性を林原めぐみさんが演じていました。名前はないのですが、今回は結構セリフがありました。

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アニオリの白昼夢

坂本達と別れたあと、歩きながらまた五代君の白昼夢が炸裂。アニオリではありますが、大学を首席で卒業して金持ちになり、無事響子さんと結婚した妄想をしていたようで、オチは電柱にぶつかる鉄板。

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白昼夢に出てきたメイドは一の瀬さん、四谷さん、朱美さんに加えて坂本も入っていました。

 

単行本9巻の扉絵が五代君の部屋のポスターに

四谷さんが穴から忍び込み、カップラーメンを奪って食べていたシーンで、五代君の部屋に通常版の単行本9巻のポスターがありました。

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この話の放送日は1986年5月7日。正確な発売日はわかりませんが、単行本9巻の発行日は1985年9月1日。この話を制作しているときに9巻が既に発売したのでしょう。当然、アニメスタッフは漫画を読み込んで、制作の参考にしなければならないのでチェックしていたでしょうしね。

 

9巻はなんの話が収録されていたかというと、五代君が教育実習に行き、あの八神初登場あたりです。

 

このめぞん一刻でもうる星やつらネタを出してきたり、この頃のアニメはこんな遊びが多かったですね。

 

大学生になって初めてのバイトは郁子ちゃんの家庭教師

管理人室に音無老人から電話が掛かってくるのですが、先日のお墓参りで強烈に懐かれた郁子ちゃんの家庭教師をして欲しいとのこと。孫にはめっきり弱いらしく、郁子ちゃんに強引に電話口でおねだりされていました。郁子ちゃんは今年から中学に上がったとのことで、この時点で中1のようです。

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音無老人も郁子ちゃんに頼まれたからというだけではなく、「五代君なら好青年だろ」と言っていたので、第一印象は良かったみたいです。

 

郁子ちゃんに電話口で頼まれた響子さん。楽しく勉強するのも大事だけど、良い成績を取りたいならそれなりの人の方が…と説得。しかし、郁子ちゃんは「お兄ちゃんが良いの!」の一点張り。結局音無老人も郁子ちゃんに弱く、頼まれてしまったため五代君に話を持っていくことになります。

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たった1回会っただけで熱狂的に郁子ちゃんに懐かれましたね。なおかつ音無老人にも人柄は気に入られていますし、豊臣秀吉よろしく、やはり人たらしの才能があるようです。

 

やはり鍵は掛けない五代君

郁子ちゃんの家庭教師を頼みに響子さんは五代君の部屋を訪ねるのですが、ノックをして返事も待たずに開けてしまいます。五代君は布団に寝転がってエロ本を読み、ティッシュがそこら中に散乱していました。やはり五代君は部屋に鍵を掛けないのですね。

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壁から四谷さんがいつでも入ってきて、ドアは鍵を掛けていないので誰でも開けられるその状況で、リラックスしてエロ本を読むとか信じられない…。もう一刻館の異常な状態に慣れすぎて、感覚が麻痺しているのでしょうか。

 

この頃から世話女房

五代君が初めて郁子ちゃんへの家庭教師に出掛けるとき、手土産を用意してましたし、ボタンが開いているところを締め直して上げたり、世話女房ぶりをいかんなく発揮する響子さん。それを見ていた一の瀬さんと朱美さんが良い酒のネタが出来たと管理人室へ。

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響子さんの世話女房びりは今後もちょくちょく出てきて、『頑張ってくださいね!』と同じく、ほとんどの場合エールになるのですが、状況によっては逆にプレッシャーになったり、エールではなく明らかに嫌みの行動に変わったりします。そして、それを一の瀬さんや朱美さんが見ている。このパターンも多いです。

 

響子さんは男の人を世話することが好きなようなので、完璧で世話することの必要ない三鷹さんは物足りなく、相性も悪かったのでしょう。響子さんは人生を狂わせるほど壊滅的なダメ男好きとまではいきませんが、ある程度抜けていて、女性に世話してもらわないとダメなタイプの男が好きみたいです。

 

音無家初登場

今回、五代君は音無家に初めて行きましたが、ここは響子さんの元夫の住んでいたい家なんですよね。さらに言えば響子さんと惣一郎さんの新婚生活をしていた場所でもあり…。この辺り、五代君はあまり深く考えていなかったようです。

 

音無家はどこにあるのかわかりませんが、東久留米に近い場所で結構大きな一軒家です。前述したように、新婚の時に響子さんが住んでも平気なくらいです。音無老人、長女の郁子ちゃんの母、作中出ませんがその夫、郁子ちゃん、長男の惣一郎さん、響子さん。6人住んで余裕の家です。さらに東久留米にアパート所有。名門女子校の理事。結構良い家柄ですよね。

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響子さんも住人のオモチャ

郁子ちゃんの家庭教師に送り出した響子さんですが、一の瀬さんと朱美さんに、郁子ちゃんやその母親に手を出すんじゃないかとからかわれていました。このシーンはおそらく2人とも本心からはそんなことは思っていません。

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意志が弱いからふらふらと手を出しちゃうかもよと言っていましたが、それよりももっと意志が弱く、女性に手を出せないことを、目の前での響子さんに対する態度を見ている彼女らは知っています。

 

響子さんは真面目なので、からかわれていることに気付かず、本気で五代君が手を出すのではないかと心配していました。この頃響子さんは、お尻を触れたら五代君だと思い、女性に手を出すかもと言われたらそうかと思い…。五代君はまだそんな扱いでした。五代君への信用はありません。

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このあと八神の話の頃になるとそれは打って変わり、いくら八神に迫られても五代君なら拒否するだろうと絶大な信頼を寄せます。これは少しただの純粋な信頼とは違い、『自分のことを大好きだから他の女には目もくれないはず』という自信なんですけどね。それでも後半のものすごく信頼している五代君比べると雲泥の差です。

 

郁子ちゃんの柳のような性格

郁子ちゃんはこのあと出てきて分かるのですが頭が良いです。志望校にも受かります。しかし、この頃はまだまだ子供で、勉強には全く集中せず。五代君に好きな人はいるか聞いたり、おやつを持ってこられたら嬉々として休憩を自ら取ったりしています。

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そして今回、惣一郎さんのことが気になっている五代君にはチャンス到来。アルバムを引っ張り出してきた郁子ちゃん。そこに若い響子さんが写っていて喜ぶのですが、肝心の気になっていた惣一郎さんの写真は、郁子ちゃんがいたずらで破って顔がわかりあませんでした。今後もずっとこんな感じで惣一郎さんの顔はわかりません。どんなに探しても見付けても見られません。

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郁子ちゃんは必死に惣一郎さんのことを聞く五代君に素っ気ない態度で、終始自分の写真を見せようとしていたりマイペースです。最初の家庭教師が終わって帰るとき、五代君は「子守じゃな…」と言っていましたし、郁子ちゃんもほぼ遊んでいる気分のようでした。でもこれで郁子ちゃん成績が良いんです。

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五代君は家庭教師が終わったあとも、音無老人に引き留められていたようで、食事とかなにかでお付き合いしていたようです。さっさと帰ってしまっても良いのに、こういうところはいつも五代君は人付き合いが良いです。

 

響子さんはまだ五代君を信用し切れていない

五代君は音無老人に引き留められて帰りが遅くなり、夜22時30分になってもまだ一刻館に帰ってきていませんでした。昼間に一の瀬さんと朱美さんから手を出すかもよとからかわれ、本気で心配していた響子さんは気が気ではなく…。

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五代君は郁子ちゃんに見せてもらった、お嫁に来てすぐの頃の響子さんの笑顔を思い出し、こんな笑顔見たことない…と物思いにふけりながら帰ります。そして、五代君がとんでもないことをやらかしていないか心配する響子さんと五代君で噛み合わない会話が起こります。

 

五代「あ、ただいま…」

響子「それより…どうでした?」

五代「…」

響子「(やだ、なにか悪いことがあったのかしら…)」

五代「(これだ、いつもどこかで心配そうな顔してる)」

五代「管理人さん、笑いましょう」

響子「え?」

五代「アハハハハ…」

響子「ハハ…」

五代「そう、笑顔が1番」

響子「そ、そうですね」

五代「アハハハハ…」

響子「(無理に明るく振る舞って、やっぱりなにかあったんだ…)」

 

五代君は男に頼り切った安心した笑顔を響子さんにして欲しくて空元気を装うのですが、それを見た響子さんは、こんな無理に明るく振る舞うなんてやっぱりなにかあったんだわ…と。

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今回はすれ違いと言うか、声に出した会話だけだと意味が分かりません。きちんと相手に伝わった声に出した会話は下記だけです。

 

五代「ただいま」

響子「どうでした?」

五代「笑いましょう!」

 

はたからこの2人の会話を聞いていたら意味が分かりません。心の中の声込みで見ている視聴者は全部意味が分かります。そして、自分の心の声しかわからない五代君と管理人さんは、それぞれ違う心配をして一応会話は成立しているのかな…との状況。お互いに心の中のことを声にしないので全く会話が成立していません。

 

原作漫画では

 

総評

今回は惣一郎さんのことを知った五代君が、郁子ちゃんの要望で家庭教師となり、音無家を初訪問。五代君の不埒な行為を心配する響子さんと、響子さんの本当の笑顔が見られなくて考え込む五代君の話でした。また、郁子ちゃんの典型的な回りを自分勝手に巻き込む子供キャラも面白いです。ただただ無邪気な郁子ちゃんは可愛いです。

 

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