アニメ全話レビュー「機動戦士ガンダム 第28話「大西洋、血に染めて」」 評価はまだありません

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あらすじ

潜入したミハルを発見したカイは、彼女を自室にかくまう。カイがミハルに情報を教えた直後、シャア配下のフラナガン・ブーンがミハルと接触、撤収していってしまう。開始されたホワイトベース襲撃に子どもたちが巻き添えとなっていることを知ったミハルは、重い責任を感じ、カイとガンペリーで出撃するが…。

 

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見どころ

  • 爆風に吹き飛ばされるミハル

 

初登場人物

ジオン軍
  • キャリオカ
  • ゴダール(名前のみ)

 

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死亡登場人物

ジオン軍
  • フラナガン・ブーン(ガンダムのビームサーベルに貫かれ死亡)
  • ゴダール(セイラのGファイターにビームキャノンで撃たれ死亡)

 

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民間人
  • ミハル・ラトキエ(ガンペリーからのミサイル発射時に爆風に吹き飛ばされ海に落下し死亡)

 

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初登場メカ

ジオン軍

 

はじめに

今回は…そう…ミハル死亡の回です。もしかしたらガンダムで1番鬱になる回かもしれません。それくらい前振りやミハルの背景が強烈です。

 

放送内容

すぐにカイに見付かるミハル

前回、ホワイトベース侵入に成功したミハルですが、速攻でカイに見付かっていました。

 

カイ・シデン

「あ?へへへ、お、おどかしっこなしだぜ。だ、誰ちゃん?」

 

これは独特の言い方なので印象に残っています。

 

カイはミハルの弟妹達を養わなければならない厳しい境遇を知っているので、特に攻めたり通報もせず、ジャブローまで大人しくしていれば降ろすからと言うのですが、ミハルはカイが部屋から出て行った途端、またスパイ活動を再開してしまいます。大人しくしていれば少なくとも死ぬことはなかったのに…。

 

ミハルはスパイが成功したらまた報酬が貰えるので、それこそ弟妹達のためにこの時に稼がないとと思ったのでしょうね。ミハルにとっては連邦にもジオンにも何の感情もなさそうですが、あくまで自分たちの生活のためならなんでもやるんでしょう。

 

ホワイトベースのセキュリティ

前回ミハルがホワイトベースに侵入できたのもそうなのですが、今回は漁業組合のふりをしたフラナガン・ブーンとキャリオカをあっさり信用していました。その結果、既に艦内に侵入していたミハルと連絡を取り合うことに成功。

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その後、ミハルが通信できていることに疑問を持ったカイが、漁業組合の飛行機をスパイだと叫ぶものの時既に遅し。飛び立った後でした。ブライトにも必死に訴えるのですが、何故スパイだと思ったのかは、ミハルの件に触れなければならないので説明できるわけもなく…。

 

グラブロ

ブーンが前回までにMS4機を失ったことに責任を感じ、自らグラブロで出撃しました。PS1で出たガンダムのゲームでこのグラブロは水中で凄く手こずった思い出があります。

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また、この海の戦いを見て思い出すのはギレンの野望でも苦労したことです。私は連邦派なので、ギレンの野望でも連邦でプレイするのですが、そうすると海の戦力があまりにも乏しくて大変なんです。

 

連邦の海の戦力と言えば、あまりにも弱いアクア・ジムしかなく…。勿論のちにジオンのMSを鹵獲したり、設計図を入手したりすれば状況は変わるのですが、序盤の海は苦労しました。

 

盾2枚のジョイント

前回アムロがレビル将軍の前で、Gファイターの課題をプレゼンしていましたが、そこで出た盾2枚のジョイントが今回早速実現していました。今後2度と出てこないんですけどね。

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ミハル出撃

ミハルは自分の弟妹達と同じ年頃の子供、カツ、レツ、キッカが必死で戦っているところを見て、自分も戦わなければと奮い立ち、カイのガンペリーに同乗させて貰うのですが、ここが運命の分かれ道でしたね。カイが言うようにジャブローまで隠れていれば良かったのですが…。

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何故カイがミハルの同乗を許可したかと言うと、本来一緒にガンペリーで出撃するはずだったジョブ・ジョンが、ホワイトベースの機銃から手が離せなかったからです。操縦と攻撃の両方をガンペリーで行うには2名必要なので、ジョブ・ジョンが乗れない以上、その場にいたミハルを連れて行くしか、ガンペリーを飛ばす選択肢がなかったんです。

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しかしジョブ・ジョンは、細かいところで重要な話の行く末を左右しています。

 

ガンペリーで出撃したカイとミハルは、海に潜むズゴックにミサイルを撃ち込もうとするも、戦闘中の衝撃で電気回路がやられ、操縦席から発射できません。そこでミハルはミサイルの横にある手動レバーでミサイルを発射するのですが…。ミサイル発射の爆風に吹き飛ばされ海に落下。明確には描写されていませんが100%死亡しました。しかしガンペリーの安全設計ってこれでいいんでしょうか。

 

実はこれ子どもの頃納得がいかなくて、下は水なんだから助かるんじゃないか?と思ったものです。成長して知識が付くと、どう考えても助からない高度であり、水面の怖さが分かったんですけどね。

 

ミハルがミサイルの爆風に巻き込まれて吹き飛ばされるシーンは、子どもながらに強烈に印象に残っていました。今まで動いていたアニメーションから一転静止画になり、そしてコマ送りになりミハルが空の彼方へ消えていくインパクトと言ったらもう…。特にミハルの何が起こったのかわからないような表情が頭から離れませんでした。

 

暫く気付かないカイ

ミハル死亡のシーンを更に悲しくしている一つが、カイが暫くミハルが死んだこと、いなくなったことに気付かないことです。

 

カイはズゴックの撃破に喜び、もう既にいないミハルに向かって良くやったとウキウキなんです。この時点では万事上手く行っていたと思っていたんです。そしてその次のシーンでは、カイがミハルを探して走り回ったり、誰かに聞いて回る狼狽するシーンではなく、いきなりもうミハルの死を理解して項垂れ泣いているシーンなんです。

 

おそらくホワイトベースに着艦してからミハルがいないことに気付き、10分程探し回ったでしょう。ところがこのシーンは飛ばし、いきなり全てを分かって泣き崩れるカイが現れるんです。

 

ただでさえついさっきミハルが死んで衝撃を受けているのに、間髪入れずにあの皮肉屋でヘラヘラしているカイが泣き崩れているシーンになったので衝撃を受けました。ミハル死亡からカイが泣き崩れる悲しいシーンまで飛ばすこの演出は凄いです。

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誰も知らない

ミハルはカイと必死に戦い、結果的に連邦のためにも戦ったのですが、悲しいことにミハルという人間の存在をホワイトベースで知っているのは、カイと一瞬目にしただけのアムロのみなんです。

 

ミハルが死んでカイは泣き崩れるのですが、周り中が何に対して悲しんでいるのかわからず、ミハル?誰それ?状態なんです。

 

ミハルの立場に焦点を当てると、命懸けで戦ったことを誰も知らないんです。これはもの凄く悲しい状況で、一体ミハルの人生とは何だったのか、誰のために頑張ったのか、何のために死んだのか…。非常に虚しさが込み上げてきます。

 

カイの立場に焦点を当ててみると、リュウやマチルダ達の場合、皆がその奮闘を知っていて、皆で悲しみを共有できたのですが、ミハルのことは誰もその存在すら知らないので、この「ミハルが死んで悲しい感情」は、世界中でカイたった1人だけしか感じることができないんです。

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このミハルの死の状況を俯瞰で見ると、悲しさがいくつも重なっているんです。

 

総評

これでミハルエピソード、もといカイの成長エピソードは終わりです。

 

カイにとっては辛いでき事なのですが、これはカイには必須の試練で、前回連邦から脱走未遂をしたように、未だにジオンと戦う意義を見出せていなかったカイが、このミハルのような悲しい運命を辿る人間を出さないために、徹底的にジオンを叩くと決意。それが戦争を終わらせる一番の早道だと悟るんです。この覚悟が生まれるために、このミハルの死は必要だったんです。

 

こんな人にお勧め

  • ロボットアニメが好きな人
  • 戦争アニメが好きな人

 

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