今回レビューするのは、Aftershokzさんの骨伝導ヘッドホン『OpenComm』です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
目次
特徴
- 高性能チップ搭載。音質はさらに高品質へ。OpenCommは、Qualcomm 3024を搭載。
- 使用者に合わせて角度調節可能なブームマイクはコンパクトでありながら、ノイズキャンセリング機能をサポートし、クリアな通話を実現。
- OpenCommは「骨を通して伝わる骨導音」を利用しているため、耳を塞ぎません。 そのため、自動車が近づく音や駅のアナウンスを聞き逃すこともなく、ジョギングや散歩、通勤中でも安心してご利用いただけます。
- OpenCommの振動は特殊構造により、小さな振動でもしっかりと音が聞こえるように設計されています。
- OpenCommをはじめとする骨伝導ヘッドホンは、耳の穴にイヤープラグを入れたり、ヘッドホンで耳を覆い隠すようなことはありません。
長所と短所
- ○骨伝導なので耳に負担が全く掛からない
- ○周囲の音が完全に聞こえるので安全
- ○音質、受信感度、遅延に問題はない
- ◎曲や音量の変更がヘッドホンからできる
- ◎マイクが独立していて集音性能が高い
- ◎音楽再生でのバッテリー持ちが16時間
- ◎5分の充電で2時間持つクイック充電機能
- ○IPX5の防水性能
外観
パッケージ外観
セット内容
パッケージ内容は画像の物で全てになります。
骨伝導ヘッドホン。
充電用USBケーブル。
収納ケース。
保証書。
クイックスタートガイド。日本語ページあり。
説明書。日本語ページあり。
動画
スペック
- 品番:ASC100
- スピーカータイプ:骨伝導トランスデューサー
- Bluetooth® バージョン:Bluetooth® 5.0
- 充電時間:約60分
- 使用時間:最大16時間
- 周波数帯域:2402MHz〜2480MHz
- 充電電圧:5V±5%
- 周波数特性:20Hz〜20KHz
- マイクタイプ:デュアルノイズキャンセリング・ブームマイク
- 防塵防水性能:IP55規格
- 操作可能レンジ:10 m
- バッテリー:リチウムポリマー
- 重量:33 g
- 待機時間:最大14日間
- バッテリー容量:170 mAh
- 最大RF出力:4 dBm
- 保証期間:2年間
- 感度:96±3 dB
- マイク特性:-38dB±3dB
- 対応プロファイル:A2DP, AVRCP, HSP, HFP
- 最大充電電圧:5.25ボルト
- スピーカーインピーダンス:8.5Ω±20%
- 接続範囲:10m
使用した感想
○骨伝導なので耳に負担が全く掛からない
こちらのヘッドホン、イヤホンはいわゆる骨伝導です。耳の側の頭蓋骨に音を伝え、骨から鼓膜に音を流すとの構造です。装着した画像を見ていただくとわかりますが、イヤーパッドの位置は耳の少し前になります。手で触るとわかると思いますが、耳の前にある少し出っ張った骨に当たります。
首の後ろのネックバンドは浮いた状態になります。後ろになにも接触がないので快適ではありますが、ベッドに横になったり枕に頭を付けることが困難になってしまうデメリットもあります。また、上から見るとネックバンドはそれほど大きくないのでほぼ見えません。それほどネックバンドが大きく張り出しているわけではないので、電車や椅子などで背もたれに寄りかかる程度なら接触しません。
ヘッドホン自体の大きさは片手に乗るくらいでコンパクトです。イヤーパッドの大きさも百円玉よりも小さいくらいです。形を見ると結構大仰で目立ちそうですが、前述の装着写真を見ても分かるように、前から見ても横から見ても目立ちません。
イヤホンの大きさは一番大きなところを計測し、幅が9.86cm×奥行き13.82cmとコンパクト。このコンパクトさですが柔軟にネックバンドなどが動くので頭の大きい私でも余裕で装着出できました。むしろ小さくてきちんと締め付けてくれないと骨にイヤーパッドが当たりません。骨伝導ヘッドホンの場合、ゆるゆるでは逆に駄目なんです。
イヤーパッドの大きさは高さ2.18cm×厚さ1.06cm×幅1.51cmと極小です。また、重さも34.2gと超軽量。
○周囲の音が完全に聞こえるので安全
骨伝導の特徴としては耳の穴が完全に開いた状態なので、周囲の音が通常通り全て聞けることです。後ろからくる車の音、曲がり角の先にいる子供の声などなど。街の環境音が全て聞こえるので安全です。つまり、ジョギングやサイクリング時に非常に有効なんです。
近年、両耳イヤホンは自転車で使用することが禁止されましたが、骨伝導や片耳イヤホンだと大丈夫です。自転車通勤する方、ジョギングで使用する方などは便利なタイプです。
○音質、受信感度、遅延に問題はない
apt-xなどの高音質規格には対応していません。高音質とは言い難いですが、骨伝導の構造上、周囲の音と一緒に音楽が聞こえるタイプなので問題ありません。高音も低音も普通に聞けています。骨伝導なので意外と低音は響いて聞こえてきます。
音質 | 概要 | |
対応コーデック | A2DP、AVRCP、HSP、HFP | |
高音 | 割れたり歪んだりは感じず | |
低音 | 割れたり歪んだりは感じず | |
音ズレ | スマホで映画を観て感じず | |
音質評価※1 | ||
★★★☆☆ |
※1 同タイプの他の物と比較しての評価(相対的評価)
音楽を聞く分には問題ないのですが、骨伝導はまだ発展途上の技術のため音漏れが課題です。こちらも音漏れはありますが、他の安物に比べるとずっと静かです。また、安物の場合はイヤーパッドが振動している感じがしないのですが、こちらは音が出るとしっかりイヤーパッドが震えていることがわかります。
音漏れのレベルに関していうと、普通の音量だと人混みや満員電車でも問題ないレベルです。音を大きくすると、普通のイヤホンより音漏れが目立つ感じ。そもそも骨伝導は大音量で聴くような物ではありません。ここだけはあらかじめ留意してください。ちなみに、ジョギングや自転車、もちろん徒歩での移動もそうですが、その場からすぐに移動してしまうような場合、音漏れは全く気にすることはないと思います。
受信感度は素晴らしかったです。いつもの下記実験状況だと、耳を手で塞ぐと8割方音が途切れるのですが、こちらは一切途切れませんでした。受信感度が強いので安心して使用できます。後述しますが通話にも力を入れたタイプなので、途中で音がブツブツ切れたら困りますからね。
条件1 | 概要1 | 結果1 |
場所 | 屋内 | 音が途切れることなく聞こえる |
距離 | 8m | |
建造物 | 鉄骨 | |
障害物 | 間に木の扉2枚 | |
条件2 | 概要2(概要1に加えて) | 結果2 |
同上 | 受信部分を手で覆う | 音が途切れることなく聞こえる |
条件3 | 概要3(概要2のあとに) | 結果3 |
同上 | 受診部分から手を離す | 音が途切れることなく聞こえる |
受信感度評価※1 | ||
★★★★☆ |
※1 同タイプの他の物と比較しての評価(相対的評価)
スマホで動画を見てチェックしましたが遅延も一切ありませんでした。口の動きと声が完全にシンクロしているので、問題なく動画を楽しめています。厳密には無線なので遅延はあるはずなのですが、人間に感知できないレベルに抑えられているのだと思います。
◎曲や音量の変更がヘッドホンからできる
操作性はと買ったです。イヤホンの右側表面にマルチボタンがあり、イヤーフック後ろの下部分に+と-ボタンがあります。この3つで操作するのですが、音量と曲の変更が全てできました。この手の小型のワイヤレスヘッドホンやイヤホンの場合、できない操作がたまにあるのですが、こちらは全てできて良かったです。
初回ペアリングは+ボタンを5秒長押しし、スマホ等で『』を選択すれば完了です。次回以降は+ボタン2秒長押しで電源がオンになり自動的に接続されます。
少し変わっている部分としては、マルチボタンと+、-ボタンが離れていること。マルチボタンは表面に大きく取ってあり押しやすいです。
+と-ボタンは右イヤーフック下にあるのですが、ここも少し変わっていて、電源操作は+ボタンの長押しに割り当てられています。操作体系は後述していますが、+ボタンの長押しで電源のオンオフとなっています。一般的にはマルチボタン長押しが電源操作に割り当てられているので注意が必要です。Aftershokzさんの骨伝導は全てこの操作体系です。
音楽再生時や通話時の操作は一通り揃っています。このイヤホンのボタンから音楽の曲、音量の変更、通話、受話、リダイヤル、果ては音声アシスタントの起動までできます。音声アシスタントの起動では、このマイクから音声を拾って認識してくれるので、検索したいワードを喋って簡単に調べることも可能。
マルチボタン | +/電源ボタン | -ボタン | ||
音楽再生 | 再生/一時停止 | 1回押し | ||
次の曲 | 2回押し | |||
前の曲 | 3回押し | |||
電源オン | 2秒長押し | |||
電源オフ | 3秒長押し | |||
イコライザ切替 | +と-を同時に3秒長押し | |||
バッテリー残量チェック | 音楽停止時に+か-どちらかを1回押し | |||
音量アップ | 音楽再生時か通話時に1回押し | |||
音量ダウン | 音楽再生時か通話時に1回押し | |||
通話時 | 受話 | 着信時に1回押し | ||
切断 | 通話中に1回押し | |||
現在の通話を切って二つ目の着信に出る | 通話時に2秒長押し | |||
拒否 | 着信時に2秒長押し | |||
ミュート | 通話時に+と-を同時に2秒長押し | |||
リダイヤル | 音楽停止時に2秒長押し | |||
音声アシスタント | 起動 | 音楽停止時に2回押し | ||
工場出荷時に戻す |
|
音量の変更は+、-ボタンで普通なのですが、次の曲はマルチボタンを2回押し。前の曲はマルチボタンを3回押しと少し変わっています。ただ、表面にある大きなボタンを押すので、下にある+、-ボタンを長押ししたり2回クリックするより楽でした。慣れてしまえばこちらの方が良いと思るかもしれません。
◎マイクが独立していて集音性能が高い
OpenCommの特徴としてはマイクが独立していることが挙げられます。Commとはコミュニケーションの略なので、この骨伝導ヘッドホンが通話に特化していることがわかります。このマイクは単に独立しているだけではなく、必要ないときは画像左のように後ろにどけておくことができ、必要なときはしっかり口元に近付けることができます。
マイクは口元に近くなるので集音性能は非常に高いです。通話品質も良かったですし遅延もありませんでした。また、ノイズキャンセリング機能があり、マイク通話の際の周囲の座つをんを大幅にカットしてくれるよようで、交通量の多い道路脇で通話したときも相手は聞き取りやすかったそうです。
この独立マイクもネックバンドと同じような柔らかいシリコン素材のようで、指でかなり無茶に曲げてもグネグネとして折れる気配はありませんでした。耐久性は非常に高いと思います。カバンに適当に放り込んでも壊れることはないでしょう。
◎音楽再生でのバッテリー持ちが16時間
バッテリー容量は170mAhです。最近流行りの完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー容量が片耳で50mAhくらいなのでその約3.5倍です。これだけのバッテリー容量なので当然音楽再生でも長時間使用できます。
実際に音楽再生で実験したところ、仕様上の16時間よりだいぶ長く19時間近く持ちました。ただ、これは再生する音声ファイルの音質、音量、気温に左右されるので参考までに捉えておいてください。特に音量には大きく左右され、大音量だとバッテリー持ちが悪くなります。
条件 | 仕様上 | 実験結果 |
両耳での音楽再生 | 16時間 | ▲18時間51分 |
充電 | 1時間 | ▲1時間7分 |
バッテリー評価※1 | ||
★★★★★ |
※1 同タイプの他の物と比較しての評価(相対的評価)
これだけバッテリー容量があるのですが、充電時間は約1時間と早いです。おそらく急速充電しているのだと思われます。1時間で16時間持つのは非常に効率で気です。
◎5分の充電で2時間持つクイック充電機能
面白い機能としてはクイック充電機能があります。特に自分で操作する必要はありません。最初の5分の充電で2時間持ちますとの機能です。急いでいて充電する時間がないときなどに便利です。
実際に空になってから5分だけ充電して使用して見ましたが、きっちり2時間持ちました。
充電は専用のUSBケーブルで行うので、付属の物を紛失しないように注意してください。マグネットになっているので、雑に近付けても勝手にピタッと吸着します。
○IPX5の防水性能
防水性能はIPX5です。『あらゆる方向からの噴流水の保護』となっているとおり、一般的な雨、汗などからは確実に守ってくれるレベルです。ただ、その上に『強い噴流水からの保護』があるので、逆にいえば強い噴流水の保護は確約されていません。台風やゲリラ豪雨なんかだと危ないかも…ってことですね。
IPX5で生活している上で問題になるようなことはほぼないと思います。スポーツジムやジョギングで汗をダラダラ流しても全く動作に問題がありませんでした。
総評
通話に特化して骨伝導ヘッドホンですが、音楽再生もこれまでのAftershokzさんの物と同じく気持ちよく聞くことができました。Aftershokzさんは骨伝導ヘッドホンを多く出しているので、やはり他のメーカーとは1つレベルが違います。造りの良さもそうですし、バッテリー持ちなどの性能、音質、そしてなによりきちんと骨から伝わるか、音漏れは少ないか…の点で優れています。Aftershokzさんの骨伝導は高価ではあるのですが、しっかり骨伝導しています。
Aftershokzさんは骨伝導ヘッドホンの製造、販売に特化しているメーカーです。このメーカーの骨伝導ヘッドホンを買えばまず失敗はないと思います。私は実際に失敗に当たったことはありません。海外製緒ガジェットの場合、初期不良に当たったり、1,2ヶ月で壊れるなんてこともよくありますが、Aftershokzさんの場合はそのようなことも1度もありませんでした。
こんな人にお勧め
- 通話を良くする人
- 使用しないときにどけておける独立マイクが欲しい人
- 音楽再生で16時間持つ骨伝導ヘッドホンが欲しい人
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