目次
あらすじ
個人で雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎(いのがしら ごろう)が、仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様を描いたグルメ漫画。主人公が訪れる場所は高級料理屋などではなく、大衆食堂のような店がほとんどである。また、出先での食事がメインのため、出張など(7話・19話・特別編)を除けば大半が東京を中心とする関東の店となっている。料理の薀蓄を述べるのではなく、ひたすらに主人公の中年男の食事シーンと心理描写を綴っているのが特徴。ドラマティックな展開などは少なく、あたかもドキュメンタリーのごとく淡々とストーリーが流れていく。
以前から気になっていたドラマ
原作漫画がネットの口コミで広まって人気が出たとのことで、以前から興味があったのですが、今回ドラマの方を見る機会があったので見てみました。
何も起こらないドラマ
こういう言い方をすると身も蓋もないのですが、このドラマは何も起こりません。
しかし、これでは感想の意味を成さないので、もう少し詳しく書くと、1人のおじさんが町の食堂で食事をする話です。まあこれでもなんだそりゃになるのですが、本当にそれただ1点のドラマなんです。
主人公の五郎がお腹が減った。どこかその辺にご飯が食べられる店はないか。あそこに入ろう。食べた。美味しかった。終わり。本当にこういうドラマなんです。
不思議なテンション
のちにお店の客や、輸入雑貨のお客に有名な俳優を配置したりしますが、このドラマは基本的に五郎の1人ドラマです。店の人はさすがに演技が必要なので俳優を使っていますけどね。
このドラマで私が最も印象に残ったのが、五郎の頭の中で思ったことが、全て音声になって視聴者に分かることです。このように頭の中のことが音声になる事は、他のドラマでも良くあるのですが、その量が尋常ではなく、おそらくドラマ中6,7割はこのモノローグで締められています。
またそのテンションが独特で、感情が余り読み取れない抑揚のない喋り方で、これが実に特徴的です。
「これは良い…いや、これが良い」
「旨い…旨いぞ」
「良いじゃないか良いじゃないか」
食べているときにこんな感じの感想がずっと続きます。
気取らない大衆食堂が舞台
ほとんどの場合、五郎が入るお店は、気取らない町の大衆食堂が舞台です。しかし、これがまた良いんです。
普通だとこのお店でトラブルが起こったり、人情話が起こったりして、話が展開するのですが、孤独のグルメの場合、そんな事は一切起こりません。お客や店の人と何か話が展開することはなく、淡々と五郎が食べ物を食べて、頭の中で感想を言って、そしてご馳走様と言って店を出て行くだけなんです。
こんな人にお勧め
- 変なドラマが見たい人
- 1一人ドラマが見たい人
- 気取らない大衆食堂のドラマが見たい人
- 深夜食堂が好きな人
総評
孤独のグルメは、本当に何も起こらない、起承転結すらあやふやなドラマなので、この独特の世界観にはまれば、もしくは許容できるのなら楽しく見たり、まったり見たりできると思います。ただ、こういった独特の世界観、話の運びが許容できない人はおそらくいると思います。そういう人には向かないかも知れません。
それにしても特徴的で風変わりなドラマなので、是非1度見てみることをお勧めします。
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