今回レビューするのは、テレビ朝日さんのドラマ『24 JAPAN』第01話です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
目次
あらすじ
“日本初の女性総理”誕生への期待が高まる総選挙当日を迎えた深夜0時――。CTU(テロ対策ユニット)第1支部A班の班長・獅堂現馬(唐沢寿明)は、自宅で娘・美有(桜田ひより)と仲睦まじくトランプを楽しんでいた。ところがその直後、自分の部屋に戻った美有がこっそり家を抜け出したことが発覚。心配した現馬は美有を捜そうとするが、その矢先にCTU東京本部長・郷中兵輔(村上弘明)から緊急招集がかかってしまう。あろうことか「24時間以内に総理候補・朝倉麗(仲間由紀恵)を暗殺する計画がある」との情報が入ったというのだ!
一刻を争う状況の中、この暗殺計画を阻止すべく、麗の側近とテロリストの接点を洗い出そうとするCTUの面々。そんな中、郷中は信頼する現馬にだけ「CTUの中に“暗殺計画に関わる内通者”がいる」と告げ、調査を命じる! しかも、極秘任務を請け負うことになった現馬の前に、CTU東京本部の第1支部長・鬼束元司(佐野史郎)が現れ、“新たな情報”を提供。だが、鬼束の言動を不審に思った現馬は“とんでもない行動”に及んでしまう! 一方、ひとり自宅に残された現馬の妻・六花(木村多江)も美有の身を案じていたが、そこに一本の電話がかかってくる…。
更にその頃、はるか上空を飛行する旅客機の中では、やがて日本中を震撼させる“恐ろしい計画”が進行していた――。
動画
https://www.youtube.com/watch?v=zcRhf5ZDs5Q
みどころ
- 本家と違うところ
- 日本ドラマでのアクション
感想
海外ドラマの24は凄かった
海外ドラマの24はアメリカで2001年に放送された大人気ドラマです。世界中でヒットし、日本で海外ドラマブームの切っ掛けになりました。その後プリズンブレイクなども続き、日本での海外ドラマ、主にアメリカドラマの地位を確立した超メジャータイトル。その24の正式ライセンスを取得し、『24 JAPAN』として放送されました。
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24は私も海外ドラマにはまる切っ掛けになった思い出深い作品なので、今回はこの24 JAPANを全話レビューしていきます。
色んな意味でドキドキする24 JAPANNが始まった
まず気になったのが放送時間が23時ということ。いわゆるゴールデン(19-21時)やプライム(21-23時)といった、テレビ局が力もお金も投入している時間帯ではありません。このことから、おそらくそんな凄いドラマとはならないんだろうなとの予感はありました。
詳しくは後述していきますが、今回のドラマを見終わって思ったことは、本家S1とストーリーがまるっきり同じなんだなということが1つ。もう1つはそれなのにところどころ変な改編あるなということ。
結論から書くと、ドラマ自体のクオリティに関しては「まあこんなもんだろうな」という感じ。点数を付けるのは好きではありませんが、敢えて付けるなら70点くらい。元々、日本のドラマは世界を相手にできないので制作費が安く、アイドル俳優を事務所観点で選んだ安っぽい物が多いので、期待値は低かったです。なのでこんなもんだろうなと感想です。
こんなもんだろうなとの感想は別に貶していません。一応自分の中では合格の範疇です。日本のドラマ事情などを考えるとこれでも頑張ってるよなと。
本家シーズン1と話がまるでいっしょ?
肝心のストーリーですが、本家シーズン1をそのままやるみたいですね。日本が舞台なので、細かい枝葉は変わるでしょうが、今回見た限り本家S1とストーリーが完全に一緒です。
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主人公の家族がいて、母と娘が上手くいっておらず、娘は深夜遊びに脱走して男に拉致される。主人公は総理(大統領)候補をテロから守りつつ、娘の行方を追う。妻も独自に娘の友人の父と娘追う。そんな中、噂のテロリストが飛行機を墜落させて国内に侵入。なにからなにまで完璧に本家とストーリーが一致です。
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本家S1と完全にストーリーが一致したことについてですが、私は正直ガッカリです。ガッカリポイントはいくつかあります。
- 24大好きで何回も見ているので先の展開が完全に分かってしまう
- 本家が予算も俳優も凄く、世界的に大ヒットした大作だけに、全く同じストーリーだと対比されて余計チープに感じてしまう
- どうせなら日本ならではの情勢を捉えた新作ストーリーが見たかった
本家24を見た時の面白さの1つに、次がどうなるのか分からない、つまり、先のストーリーが気になるというものがありました。しかし、24 JAPANは本家と全く同じ話みたいです。そうなると、先の話どころか最後のオチまで完璧に分かってしまい、この先どうなるかのワクワク感がゼロに…。24本家視聴組には辛いです。また、未視聴組も、残念ながら本家よりは確実にクオリティは落ちるので、せっかくの面白い話の初見を、この劣化版を見る事に…。どちらも得しない気がします。
ちなみに、最初のシーンは日本版オリジナルです。例の時刻表示が23:18になっていましたよね。ネタバレ気味になりますが、あれは最終話のシーンです。これは本家にはありませんでした。そして、そこでの会話の「彼女は亡くなったわ」ももろネタバレです。つまり、日本版は本家を見たこと前提の作りなのでしょうか。だったら、なおさらオリジナルストーリーでやって欲しかったのですが…。
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この「彼女は亡くなったわ」との会話は、本家を見ている方なら誰のことで、どういう状況かハッキリ分かるのですが、日本版は敢えてここを外して、本家とは違う人を死亡させる確率もあると思っています。
日本版あるある『ところどころオリジナルにする』
逆に本家と違っていたところは、ストーリーはまず置いておいて、24の象徴的な文字、フォント、色、大きさ。BGM、電話のベルの音あたりです。
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本家未視聴の方は、細かいなと思われるかもしれませんが、このあたりは24の象徴的な部分でかなり目立っていたんです。特に電話のベルは当時少し流行って、携帯の着信音にしている方も結構いました。私は未だにこれがスマホの着信音です。最初にこの先の話を少し触れた文章が出て、主人公が読み上げるのは本家と同じですね。
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BGMもなんか軽いんですよね。このようなリメイクって、ドラマに限らずアニメでもそうですが、BGMに違和感が出ることが多いです。オリジナルの面白さがすり込まれてしまっているので、それ以外を受け付けない体になっているのかもしれません。ただ、そうは言ってもアクションや緊迫感のあるシーンで軽いような…。
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本家とのストーリーの相違点だと、やはり警護対象者ですね。本家は『アメリカ初の黒人大統領候補』を警護する話でした。一方、日本版は『日本初の女性総理候補』と変わっていました。日本に黒人総理なんてまるで現実的ではありませんからね。このように、日本の社会情勢に変え、ところどころはストーリーも変わるとは思いますが、基本的に大筋は本家S1と同じでした。
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この日本初の女性総理候補は仲間由紀恵さんでしたが、総理候補とするにはいささか若いですね。50代60代の方が現実味があると思うのですが…。日本のドラマや映画って、こうやって絵面を綺麗に見せたいのか、役柄に合わないような年代だったり、綺麗どころ、格好良いどころを使っちゃうんですよね。ドラマのリアリティより、見た目の良さや、視聴者の人気俳優を取ってしまうというか…。そうすると見た目は綺麗になるのですが、ストーリーに説得力が欠けてしまいます。
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24あるあるは踏襲されている
24はシーズンが長く続きましたが、毎回CTU内部に裏切り者が出たり、国の危機なのに家族とゴタゴタがあったり、24あるあるは日本版でも健在のようです。
24本家の娘キムや奥さんもハッキリ言って馬鹿すぎてイライラするんですよね…。まあ、イライラさせるほどこちらに感情移入させた制作側の勝ちなのですが…。日本版も早速娘が本家と同じように拉致され…。奥さんも無警戒に知らない人と夜中に車の中で2人きりとなり…。
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CTU本部の雰囲気は本家そっくりでしたね。薄暗い照明、サイバーな感じ。
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その名前はなに?
本家のジャック・バウアーのポジションとなる日本版の主人公は唐沢寿明さんですが、役名が『獅童 現場』って…。なんでそんなキラキラネームみたいに…。そこは別段凝らなくて良いところなのに。
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ちなみに、本家ジャック・バウアーことキーファー・サザーランドは、S1当時35歳でした。最後の方はお爺ちゃんになりましたが…。若いからアクションも無理なくこなせましたし見られました。一方、日本版は唐沢寿明さんが現時点で57歳。アクションも考えると、もっと若い役者を使っても良かったんじゃないかなと思うんですよね。
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登場人物を比較してみる
娘は獅童美有(桜田ひより)。本家ではキム・バウアーことキムの役どころですね。ハッキリ言って底抜けの馬鹿娘です。
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妻は獅童立花(木村多江)。本家テリー・バウアーですね。この人も国の危機に対応している夫の職場に、家族のトラブルで駆け込んできて迷惑掛けるなどかなりの強キャラ。
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CTU本部長は郷中兵輔(村上弘明)。本家だとリチャード・ウォルシュですね。
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総理大臣候補は朝倉麗(仲間由紀恵)。本家だとデイビッド・パーマー。
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議員秘書は秋山昇(内村遥)。本家だと名前は忘れましたが、この黒人女性です。
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朝倉麗の夫は朝倉遥平(筒井道隆)。本家だと男女で違いますがウェイン・パーマーでしょう。
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美有の親友函崎寿々(柳美稀)。本家ではジャネット・ヨーク。
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CTUチーフの水石伊月(栗山千明)。本家だとニーナ・マイヤーズ。主人公と昔不倫してた人で…。本家見てる人なら、どんな役どころになるかわかりますよね。
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暗号解析係の明智菫(朝倉あき)。本家だとジェイミー・ファレル。
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暗号解析係長、南条巧(池内博之)。本家だとトニー・アルメイダ。お分かりの通りめっちゃ重要人物。
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函崎寿々の友人、鮫島剛(犬飼貴丈)。本家だとダン・マウンツ。
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鮫島剛の友人、長谷部研矢(上杉柊平)。本家だとリック・アレン。
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外国から来たテロリスト、氷川七々美(片瀬那奈)。本家では名前は忘れました。
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東京第一支部長の鬼束元司(佐野史郎)。本家だとジョージ・メイソン。
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寿々の父、函崎要吾(神尾佑)。本家だとアラン・ヨーク。
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ニュースキャスターの山城まどか(櫻井淳子)。本家ではモーリー。
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朝倉麗の息子、朝倉夕太(今井悠貴)。本家ではキース・パーマー。
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朝倉麗の娘、朝倉日奈(森マリア)。本家ではニコール・パーマー。
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朝倉遥平の母、磯村滋子(水野久美)。本家では登場していません。なにか絡んでくるのでしょうか。
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カメラが揺れない
本家24の大きな特徴として、カメラが揺れることが挙げられます。これは臨場感を出すのに効果的だったんです。この手法は24で一気に広がり、一時色々なドラマや映画で手持ちカメラの揺れをわざとそのままにする撮影手法が流行りました。しかし、日本版はそれをしませんでしたね。この撮影手法のブームがもう終わっているからでしょうか。一時流行りすぎて、どれもこれもカメラが揺れていやになった記憶もありますが…。
総評
初回の感想としてはまあこんなもんだろうな(貶していないです)ということが1つと、ストーリーはS1そのままなのかよ!ということが1つ。特に後者のストーリーがそのままだったことにはビックリしました。
初見の人は問題ないと思いますが、本家と全く同じストーリーなのはガッカリです。1から100までストーリーを知っているので、本家視聴組はストーリーの確認と間違い探しが主になってしまいます。ドラマ本来の楽しみ方ではないですよね。この先、少しづつ本家と話が変わってくことを期待します。それはそれで、クオリティが低くなってしまう可能性もありますが…。
色々不満点を書きましたが、全話レビューすることを決めたということは、当然ながら全話見る気満々です。前述したように、ストーリーの確認と間違い探しが主な見方になってしまう気はしますが、なんだかんだで楽しいです。
こんな人にお勧め
- 24が好きな人
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