今回レビューするのは、この世の果てで恋を唄う少女YU-NOの第08話です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
ちなみに、YU-NOの解説・考察は別記事にまとめましたので、気になる方はご一読ください。
先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。
目次
あらすじ
父・島津市長から突然ナショナルスクールへの編入を指示される澪。
残された時間も少ない中、なんとか三角山の謎を解明したいと奔走するが、ケガをしてしまう。
たくやに保健室で介抱された澪は、たくやに全てを話すことを決心する…
みどころ
- 美月vs澪
感想
美月ルートと澪ルート合体?
前回は次回から美月ルートに入ると書いたのですが、今回の話を見た限りだと澪ルートの話をだいぶやていたので美月と澪のルートは合体っぽいです。亜由美ルートと香織ルートも合体していたので今回も合体させたのでしょうか。しかし、香織ルートとは違い、美月ルートも香織ルートもどちらもカオスの矯正が発生するのですが、その辺動するんでしょうね。元々、美月ルートの最初の方は美月ルートとも被っていたので、合体させるならここだろうなとは思うのですが、中盤の澪単独イベントも入れてきましたからね。そうすると最後は神奈ルートだけ1本なのでしょうか。
ちなみに、以前話にあった澪がアメリカ留学に行くとの話がまた全く同じように出てきましたが、これはカオスの矯正でたくやが『最初に戻った』からです。原作ゲームでも同じような話が結構繰り返されるんです。
じゃあ一方で亜由美さんは今どうなっているのかと言うと…原作でもそこはたくやが見ていないのでプレイヤーにも分かりませんでした。ただ、少しだけ豊富とよろしくやっているような描写があったり、前の世界線と同じように亜由美がピンチとの話も出てきていました。たくやが関わらなくても香織のTV番組に出てインタビューを受けて凹んでいる描写もありました。しかし、以前と同じように自殺したのかどうかまではわかりません。
アニメだとカオスの矯正でも完全に記憶が残っているようなので、10回も自殺した亜由美を覚えているはず。その亜由美の無事を確認しないたくやはおかしいんですよね。原作だと記憶をなくしているからこそ、躊躇なく別ルートへ行くわけで…。
海岸での名シーンがなくなっていた
今回のアニメでは澪がたくやにアメリカ留学の話を保健室でしていましたが、原作では海岸でしていたんです。海岸に2人座って夜空を見ながら語り合うシーンはロマンチックだったので、何に味けもない保健室に変更されてしまって残念です。また、三角山にスコップを持ってたくやとガシガシ掘りに行くのもアニオリです。
また、澪の家にたくやが行っていましたが、原作では意地を張る澪をなだめてたくやが送っていくシーンが前段階としてあったのですが、これがバッサリカット。また、今回は補習後に結城と一緒に誘われたとの理由に変更。
アニメの澪は全然ツンデレのツンの部分がありません。普通にたくやと会話している友人関係に見えてしまうのが残念。本来、澪の部屋に初めて入るのは足をくじいた澪をたくやが家までおぶっていく話でした。今回は足をくじくのは同じなのですが保健室に送って終わりです。
この辺りの澪の話は、原作から細かいところがだいぶ変わっています。しかも、何故弄るのか分からないような改変でした。特に海岸シーンをカットしたのは本当残念です。一応制作者側の意図を考えると、結城が盗み聞きするには広くて障害物のない海岸では無理があると思ったのかな…と言ったところでしょうか。まあ、確かにそうなのですが、海外での澪とたくやの和解シーンはロマンチックだったんですけどねえ。
細かいところでアニオリが多い
大筋の話は原作に沿っているのですが、細かいところで今回はアニオリが多かったです。前述した澪周りの話もそうですが、冒頭のマッサージチェアの話。たくやがナイアーブというものを知っていることなど。
ナイアーブについては原作だともっと後にたく知るはずだったのですが、美月ルートの初期の段階で知っていると変わりました。このナイアーブには美月も掛けられているので、そのことをわかりやすく今後提示したかったのでしょう。原作では美月がナイアーブに掛かってますよとは、美月ルートの最後までプレイヤーにハッキリとは提示されませんでした。この辺りはゲームの特徴で、ちゃんとプレイしていたら分かるようになっているので問題ないのですが、アニメだと何も考えずにボーッと見ている方もいるので、そういう層でもわかりやすくする必要があったのかなと…。
澪がたくやに当たりが強い理由
今回澪がたくやに当たりが強い理由が判明しました。澪が偶然たくやと美月が致しているところを目撃したからとのこと。しかもその後、美月にたくやと別れるように迫ったとか。
原作では美月が澪に意地になってしまうシーンもあったのですが、アニメではここもカットされていました。美月が澪に対抗心を燃やして少し意地悪をしてしまい反省するのも面白かったんですけどね。また、補習授業で満点を取らないと帰れないというシーンで、リフレクターデバイスを使用して満点を取っていましたがこれもアニオリです。暫くリフレクターデバイスを使うシーンはないので、視聴者が忘れないように入れてきたのでしょうか。
タペストリーは三角山を描いたもの?
澪の推理で龍造寺の家にあったタペストリーは形状や描写されているでき事から考えて、三角山ではないかと推理していましたが、アニメでは落雷シーンが薄いのでいまいちピンときません。時間があるならもっと丁寧に落雷事故のシーンをやったのでしょうけどね…。
澪の部屋で三角山についてたくやと話すシーンで、これから調査に行くので着替えていましたが、原作だとこの流れでの着替えではありませんでした。たくやが部屋に来たので、「魅力的に見える服はどれかしら…」と、たくやの気を惹くために服選びで悩む澪とのシーンでした。。また、澪がスコップを持って三角山に来ましたがこれもアニオリです。
結城の影が
保健室で澪の状況を聞かされたたくやですが、その保健室の外には結城が…。また、美月と澪の因縁や、澪がたくやを好きなことまで聞いてしまい…。その翌日、学園の掲示板に澪の父親の汚職事件のビラが貼られており、澪が犯人だと思ったたくやを罵倒していました。原作では結城が盗み聞きしていた描写はなかったので、犯人は誰なのかプレイヤーはわかりませんでした。アニメは結城が盗み聞きしている描写があったのでわかりやすいですね。
総評
今回も全回に続き、一応大筋では原作に沿った流れになっていましたが、前述したように細かいところが本当にたくさん改編されていました。
最近話題のことですが、俳優の佐藤浩市さんが出演した映画『空母いぶき』で、総理の役をやったとき、ストレスで下痢になる設定を自分の発案で採用してもらったと発言し、安倍首相や難病の人を馬鹿にしているのかと炎上していました。これに対してここで右翼だの左翼だの政治に言及するつもりは毛頭ありませんが、私がこの件で真っ先に思ったことは「こんなに簡単に原作改変できちゃうんだ…」と言うこと。
改編で良くなるか悪くなるかは置いておいて、一俳優の思い付きの発言で原作を変えてしまえるお手軽な環境に驚きました。こうした方が良いのではないかと発言するのは勿論良いのですが、スタッフがそれを簡単に採用してしまうんだな…と。映画やドラマ、アニメでも原作を改編して魅力を損なってしまうものが多いですが、こういうことかと妙に納得してしまいました。
原作が実写化したりアニメ化するのは、そもそも原作が面白いからなわけで、そこをよく考えもしないで弄るのはリスクあると思うのですが、ちゃんと考えているとは思えないほど簡単にやっちゃうんですよね。どこが人気でどこが支持されているのか、きちんと分析したり研究して合理的理由で改編するならわかるのですが、俳優の思い付きから出た発言で変えてしまえるとは…。
横道に逸れましたが、ストーリーの大筋は原作に沿っていましたが、細かい意味の分からない改編が多くて少し気になりました。
こんな人にお勧め
- タイムトラベル、タイムリープものが好きな人
- 異世界ものが好きな人
- 壮大な話が好きな人
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