目次
特徴
- サイズ:約19×12.5×27cm、口径約7cm
- 本体重量:約0.7kg
- 素材・材質:内びん/ステンレス鋼、胴部/ステンレス鋼 (アクリル樹脂塗装)、 口がね/ポリプロピレン、中せん/ポリプロピレン・中せんパッキン・シールパッキン・ベンパッキン/シリコーン
- 生産国:中国
- 保温効力(10時間):75度以上
- 保温効力(24時間):60度以上
- 保冷効力(10時間):10度以下
長所と短所
- ○意外とコンパクトで軽い
- ○中身が腐らない
- ○保冷、保温機能が優秀
- ○倒れてももこぼれない
- ○口が大きいので洗浄が楽
- ○蓋が分解できて清潔に保てる
はじめに
今回レビューするのは、サーモスさんのステンレスポット『THV-2001』です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
外観チェック
パッケージ。さすがに有名メーカーだけありしっかりしています。
パッケージ側面の仕様表。
パッケージ内容。ステンレスポット、説明書、アンケート用紙。
ステンレスポットは想像以上にコンパクトで軽量でした。
蓋を押す力は軽くて良く、ほとんど力が要りませんでした。
中身は当然ステンレスで熱の放射を防ぎます。
蓋は良くできていて、水を注ぐのも楽で取り外しも分解もスムーズにできます。
蓋を分解すると5点のパーツに別れます。細かく分解できるので洗浄が細かくでき清潔に保てます。
説明書は完全日本語版です。蓋の分解方法が書いてあるので重要です。
以上、外観チェックでした。
動画チェック
意外とコンパクトで軽い
魔法瓶と言えば構造上、ただのピッチャータイプのプラスチック容器よりも厚みが出て大きくなるのが当たり前なので、実物を見てみたらどれくらい大きくなってしまうのだろうと思っていました。ところが、実際に見て使ってみると、意外なほどコンパクトで軽く、取り扱いがしやすくて驚きました。据え置きのポットタイプだと重いので移動したり持つのが困難になるので、このようなピッチャータイプを選んだのですが、私の使い方では正解でした。頻繁に移動したり置き場所を変える人には、このような軽いピッチャータイプが向いていると思います。
プラスチックの何の保温機能も無い安価な容器と比較すると画像のような感じになります。背は若干低くなり、円柱状なので幅と奥行きが人周り大きくなった感じです。部屋や机に置く際にそれほど邪魔にはならないと思います。実物を見るまではもっと大きくて邪魔になると思っていました。
1.5リットルのペットボトルと比較すると画像のような感じ。やはりそこまで大きく場所を取るような感じではありません。
最後に1.5リットルペットボトルと2リットルのプラスチック用にを3つ並べた物。
ちなみに、本体の重さは約700gで、内容量と合わせると最大で2.7kgになります。成人男性の私は片手で軽々持ち上げて移動することができました。2.7kgと言うと重そうに感じますが、持ち手の作りが良いのか、重量のバランスが良いのか、数字よりも軽く扱いやすい感じがします。感覚的には持ち手がある分、2リットルのペットボトルよりも取り扱いがしやすかったです。
中身が腐らない
実は私がこの魔法瓶を購入した理由は、お茶を腐らせないためです。正確には私がいつも飲む紅茶なのですが、お茶とと言うか水は常温で放置しておくと腐るんです。
寒い冬場はまだ良いのですが、暑い夏場に紅茶をプラスチックの2リットル容器に入れて常温で置いておくと2日持ちません。紅茶の中になにか煙のようなもやっとした物が漂ったら腐ったサイン。飲むとなんとも言えない酸っぱさが…。更に私は口内が弱いのか、この腐った紅茶を飲むと耳の下のリンパ(?)がゴルフボール大に腫れて、首を動かすと痛くなってしまう状況になってしまいます。
そんなわけで、夏場は2リットル容器をできるだけ部屋に置いておかず、飲むときだけ冷蔵庫からだし、その他は常に冷蔵庫に入れていました。ただ、これだと飲みたくなったときに部屋から台所まで行き紅茶を取り出し、そして飲み終わったらできるだけ早く冷蔵庫に戻す作業が必要になってしまい面倒に感じていました。また、どれだけ気を付けていてもついうっかり戻し忘れることもあるわけで、そうすると前述のように夏場だとあっと言う間に腐ってしまいます。この面倒さをなんとかしたいなと思い、今回はステンレスポットを購入した次第です。
それでこのステンレスポットは腐敗に効果があったのかどうかですが、結論から先書くとバッチリありました。まだ3月で肌寒いので夏場の実験はまだできていませんが、1週間このステンレスポットに常温の部屋に放置しておいても一切腐らず、作ったときのままの状態でした。当然ですが、やはり水が腐るのは気温が高いところに放置しておく殻なんですね。ステンレスポットで外気温をほぼシャットアウトできているので腐りませんでした。これで夏場も安心して部屋に起き続けることができます。
私は紅茶を飲むときには必ず氷を入れているので、冷たいまま長時間持って欲しいとか、温かいままずっと持って欲しいとの欲求は余りありませんでした。前述もしたように腐らないようになって欲しいとの希望だったので満足です。
保冷、保温機能が優秀
いくら私が保冷、保温機能にそれほどこだわっていなくても、魔法瓶なのですからそこはやはり気になります。どれくらいの効果があるのかじっくりと実験してみました。
保冷機能の実験
保冷機能の実験は、冷蔵庫で冷やした紅茶に氷を入れ、このステンレスポットに入れ、1時間ごとにコップに注いで温度を測ると言う物。氷の状況も合わせて見ていきましょう。ちなみに室温は24度です。
スタート時の温度は0.5度です。
氷も冷蔵庫の製氷室で作った物を、冷蔵庫付属のスコップ(?)で5杯ほど入れました。
下記は12時間後の氷の状況です。温度は氷が残っているので変わらず0.5度ぼままです。氷の角が取れて丸みは帯びている物の、12時間後でもきちんんと氷の形のまま残っています。
そして下記が丸1日の24時間立った状態の氷です。小さくなった氷もありますが、十分に氷としてまだ残っています。
下記は30時間後の氷の状況。だいぶ小さく丸くなってきましたが、まだ氷は残っており、温度も開始時の0.5度を保っています。
下記は36時間後の氷の状況です。だいぶ心許なくなってきましたがまだなんとか氷の形を保っています。。
そして下記が47時間たった氷の状況です。…と言うか、47時間で氷は完全に決め明日。丸2日は氷がギリギリ持たない感じでしょうか。それでも十分持ちましたけどね。そして、ここからは氷が消えたので温度の変化を見ていきたいと思います。氷が存在していれば最低温度(0.5度程度)を保ってくれるのですが、氷が無くなると温度が上がっていきますからね。氷が消えた直後の温度は2.8度でした。
画像が丸2日たった48時間後の温度です。まだまだ冷たいので、氷を十分に入れれば、丸二日たっても冷水が飲めることになります。
下記は2日半たった60時間後の温度です。
そして下記は丸3日の72時間後の温度です。氷を入れていたとは言え、丸3日10度以下が保てるようです。また、氷が消えたのが46~47時間の間だったので、そこから換算すると26~27時間後です。キンキンに冷えた(0.5度)水は24時間たっても10度以下に保てるようです。ただ、0.5度というのは本当に氷を入れてのキンキンに冷えた状態なので、一般的に冷蔵庫から冷水を入れたら、もうちょっと高い温度から始まるので、10度以下は24時間持つかどうかってところだと思います。
まとめると以下のような温度変化となりました。
スタート時の温度 | 0.5度 | |
12時間後の温度 | 0.5度 | |
24時間後の温度 | 0.5度 | |
30時間後の温度 | 0.5度 | |
36時間後の温度 | 0.5度 | |
47時間後の温度 | 2.8度 | 氷がなくなる |
48時間後の温度 | 2.8度 | |
60時間後の温度 | 5.9度 | |
72時間後の温度 | 8.7度 |
ちなみに、人が水を冷たいと感じる温度は10~15度だそうです。これに照らし合わせると、氷を十分に入れればおよそ72時間以上冷水が飲めることになります。
保温機能の実験
保温機能の実験は、お湯から作った紅茶をこのステンレスポットに入れ、定期的に温度を測ると言う物。
最初に入れた紅茶は沸騰させて作った紅茶に100%リンゴジュースをい入れたので、少し温度が下がって82.5度。ここからのスタートになります。ちなみに室温は24度です。
そして9時間後に計測したところ、画像のように72.1度でした。夜10時頃紅茶を作り、翌朝計測したので、一晩たっても十分熱々の状態で保温されていたことになります。
そして画像が12時間後の温度です。82.5度のお湯を入れてから12時間後には69.0度になりました。ここまで検証してきただけでも十分保温力はあると思いますが、折角なのでもう少し実験を続けたいと思います。
そして更に時間が経過して19時間後の温度が画像です。19時間経過してもまだ63.1度に保っています。
そして画像が24時間後の状態です。24時間後でも59.5度あります。この保温力は十分じゃないでしょうか。スペ区では24時間後でも60度以上と記載されていたのですが、その公式発表に偽りは無いことを実際に確認できました。
36時間後の温度は写真のように51.6度になりました。
そして最後の計測です。48時間後の温度は46.0度でした。さすがに48時間後も熱いお茶を飲みたいと言う欲求は無理でしたが、それでもまだぬるま湯程度に温かかったです。36時間後くらいまでは温かいお茶を飲むことができました。
まとめると以下のような温度変化となりました。
スタート時の温度 | 82.5度 |
9時間後の温度 | 72.1度 |
12時間後の温度 | 69.0度 |
19時間後の温度 | 63.1度 |
24時間後の温度 | 59.5度 |
36時間後の温度 | 51.6度 |
48時間後の温度 | 46.0度 |
ちなみに、紅茶を飲むのに最適な温度は60~65度だそうです。これに照らし合わせると、24時間後でも美味しいホットティーを飲めることになります。私はリンゴジュースを入れて温度が少し下がった状態から実験をスタートさせたので、それこそ沸騰直後の100度近い状態から密封したらもっと温度は長く持つと思います。
保温、保冷機能も特徴なのですが、気が付いた点としては入れた飲み物の風味が劣化しないことでした。外気温がどうであろうと、中の温度変化が極力起こらない作りになっているので、風味や香りも維持してくれているようです。プラスチックの容器に入れて2,3日たつと、香りも味も薄くなることが明らかにわかるのですが、このステンレスポッドに入れた紅茶は最後まで作ったときの味と香りのままでした。
倒れてももこぼれない
魔法瓶を購入するにあたりいくつか迷いました。もっと大容量が入る物があるので惹かれたのですが、倒れるとこぼれる物が多いようで、こちらの魔法瓶の倒れてもこぼれない機能もメリットと感じました。
実際に容量一杯に紅茶を入れて倒したり振ったりかなり無茶をしてみましたが、一滴も水分が漏れることはありませんでした。
口が大きいので洗浄が楽
蓋を取ると開口部が7cmと広く、手を突っ込んで洗浄しやすいのもこのステンレスポットの特徴です。紅茶やお茶は必ず茶渋がこびり付くので、洗いやすいことは重要です。ただ、成人男性の手を入れると楽々スムーズに入ると言う感じではありません。手を入れてしまえば中身をスポンジで擦るのにキツくはないのですが、少し入り口に手が引っ掛かります。大柄の男性の場合はもっと苦しいかも知れません。女性の場合は謳い文句通り楽々手が入ると思います。
蓋が分解できて清潔に保てる
私は紅茶を主に飲むため、このステンレスポットにも紅茶ばかりを入れているのですが、そうするとどうしても茶渋が出ます。ステンレスポットの中身は前述したように蓋を取って手を突っ込んで洗えば良いのですが、蓋自体にある複雑な構造の口はそれでは洗浄できません。ところがこのステンレスポットの蓋はパーツが細かく分解でき、細かいところまで洗浄できるので衛生的です。
分解方法は最初の2,3回は説明書を見る必要があるとは思いますが、慣れてしまえば何も見ること無く15秒くらいで分解と組み立てができるようになります。分解ができること、そしてその分解自体の手順が簡単なことは、このステンレスポットの大きなメリットだと思います。
ちなみに、この蓋のパッキン(密閉状態を保つ重要な部品のゴム)は別売り数百円で購入できるので、長いこと使うことができるステンレスポットでもあります。これは人気製品ならではですね。不人気製品だとパーツごとに別売りしていなかったり、保守部品をそもそも手に入れられないことが多いです。多くの人が使う人気製品だからこそパーツ売りが可能です。
そして、蓋そのものもおそらく全パージョンの2000の物が使えると思います。サイズが全く一緒なので大丈夫だとは思いますが、私が実際に確認したわけでは無いので、こちらは自己責任でお願いします。
総評
保温、保冷機能についてはそれぞれどのように使いたいかで評価にバラツキがあるので不安だったのですが、実際に使用し、そして実験してもわかりましたが、保温、保冷機能は十分な高性能だと思います。
温度変化もあまりなく、風味も完全に密封してくれるので、部屋で飲み物をよく飲む人は1つ備えておくと便利だと思います。
こんな人にお勧め
- 冷めたい、温かい飲み物を部屋で飲む人
- 軽くてコンパクトなステンレスポットが欲しい人