目次
長所と短所
- ○安い
- ○組みやすい
- ×2004年の古いキット
- ×合わせ目が目立つ
- ×色分けが完全ではない
作業時間
- 仮組み:約2時間40分
- バラし:約10分
- 塗装:乾燥時間含めておよそ1日
- 本組み:約20分
- スミ入れ:10分
はじめに
前回のガンダムMk-Ⅱで合わせ目消しを失敗し汚くなってしまったので、気を取り直しての今回はジム系で0080に登場したジム・コマンドです。
このキットは2004年発売なので、以前作った旧ザクよりもさらに2年前ですね。相当に古いキットとなります。ただその分安く、失敗から気を取り直して作るガンプラとしては最適かなと思い購入しました。
そして今回は…塗装に挑戦。昔は筆塗りの塗装をしていたのですが、色をいちいち揃えることや、なにより後片付けの手間が負担になってやめてしまったのですが、前回のガンダムMk-Ⅱで合わせ目消しを失敗して汚くなった後悔からつい手を出してしまいました。しかし今回は以前と違って筆塗りではなくスプレーでの塗装に挑戦。これなら後片付けも楽ですしね。今回はそんな顛末を書いていこうと思います。
スプレー塗装で揃えた物
こればかりは仕方ないのですが、どうしても新しいことを始める際には初期投資が必要になってしまいます。筆塗りならタミヤカラーや筆、洗浄剤などですね。今回はスプレーでの塗装なので、タミヤスプレー、塗装ベース、ペインティングクリップを購入。
塗装ベースは持ち手クリップを刺す際の穴が開いているハニカム構造の台座。段ボールや発泡スチロールで代用しても良いのですが、段ボールも発泡スチロールも使えば使うほど穴ぼこだらけになり、いずれはボロボロになって捨てると言うことを考えると、半永久的に仕えるこのハニカム構造の台座を購入するのは選択肢とありだと思います。
ペインティングクリップはパーツを挟んで持つ棒状の物です。こちらも竹串とクリップで自作しても良かったのですが、塗装にちょうど良い物を探したりチマチマ自作するより、でき上がったしっかりした物があるのでそちらで良いかなと思い購入。
肝心のタミヤスプレーは、筆塗りやエアブラシ用の塗料のように、ガンプランの説明書通りの色は無いので、自分でそれらしい色を探して購入するしかありません。これが一番悩みました。結局、今回は初めてのスプレー缶塗装であり、ジム系の安いガンプラとのこともあり、今後の汎用性も考えて基本的なホワイト、レッド、イエロー、シルバーを選択。この基本色なら今後どんなガンプラでも利用できると考えてです。
ちなみに当然サーフェイサー(下地材)も購入。サーフェイサーを吹くと明らかに色のノリが違うのは筆塗りの時点でわかっていましたし、ヤスリなどの細かい傷も消してくれますからね。これは必須なんです。
トータルで5000円くらい掛かりました。こればかりは新しいことを始める初期投資では致し方無しです。エアブラシなんて本格的なことをやろうとすると1万円は掛かりますし、筆塗りにしても結局これくらい掛かるので、綺麗に簡単に塗れるスプレー塗装でこれくらいなら、今後ガンプラを作り続けることを考えると十分お得だと思います。塗装ベース、ペインティングクリップ、サーフェイサー はずっと使えますし、タミヤスプレーも今後は持っていないカラーのみを追加していくだけなので、ガンプラを作れば作る程塗装に掛かる費用は抑えられます。
パーツ少なく構造もシンプル
さすがに2004年のキットだけあり、それほど細かくパーツ分けされておらずパーツ数が少ない感じです。組む際もサクサク組めました。ただ2004年の古いキットだけあり粗も目立ちます。顕著なのが合わせ目にあまり気を遣ってないなと言うこと。技術的に当時は難しかったのかも知れませんが、スネ、モモ部分の前面に思い切り合わせ目が露出する構造です。これは新しいキットだと上手いことスネとモモの前面に合わせ目が出ないようなパーツ分けになっているのですが、さすがに2004年にそれは無理だったようです。
また、関節部分の構造も2006年以降発売のキットやREVIVEシリーズとはまるで違って実にシンプルな構造。ただ、関節の可動範囲は新しいキットに敵わない物の、動きのヌルヌル度は現在のキットに負けず劣らずスムーズに動きました。
まずは仮組
色を塗るためには、どのパーツをバラしてスプレーを吹き付けるのか、もしくは組み上げた形でスプレーを吹き付けられるのかを判別するため仮組をします。ガンプラは接着剤無しでガッチリはまってしまう部分も多いので、わざとバラしやすいようにきっちり填めずに組んでいきます。この力加減が案外難しい…。填まりきらないように、それでいて形として成り立つように組み上げていくわけですからね。
こんな感じでわざとしっかり填めないように、バラしやすいように隙間を開けながら慎重に仮組み。
ちなみに今回、今まではバリをひたすらヤスリで削っていたのですが、デザインナイフを多用するようにしました。デザインナイフでかんなのように削るとヤスリすら使う必要ないかも…。今までデザインナイフはほとんど使ってこなかったのですが、このデザインナイフのカンナ削りは使えるぞ…。
組んでいるうちに前述したこの古いキットの弱点が見えてきました。やはり目立つ合わせ目と完全では無い色分けです。
このように合わせ目がもろに目立つ前面部分に…。ただまあ昔はこれが当たり前だったんですよね。逆に言えば今のキットが凄すぎるわけです。
そして色分けの甘さがこれ。ビームサーベルと手が一体となってくっついていて、ピンクであるはずのビームサーベルも、グレーであるはずの手の平も全て白色です。この構造はスプレーで塗るのは厳しい…。少なくとも私にそのスキルは無いです。また、胴体上部の首下部分も本来はグレーなのですが、パーツ分けの技術が無かったのか、胸部と一体の赤となっていました。逆にここ10年のキットはどれだけ凄いのかを再認識する事にもなりました。
そして仮組みが完成。パーツが少なく構造がシンプルなのでサクサク組み上がりました。
合わせ目が目立つとか、色分けが完全では無いと書いてきましたが、やはり組み上がると十分格好良い!これで500円を若干超えるくらいですからね。練習用に安いジム系は最適です。
横からジム・コマンドの勇姿。バラしやすいようにわざと隙間を空けて緩く填めています。
弱いMSであるジム・コマンドの哀愁漂うシンプルな後ろ姿。ふくらはぎとモモ部分の後ろ側も当然合わせ目がバッチリ露出…。
仮組みで隙間をわざと空けているので合わせ目がどの部分に来るのかよく分かりますね。そして今まではここでガッチリ組んでスミ入れをちゃちゃっとやってつや消しスプレーをして完了の流れなのですが、前回ガンダムMk-Ⅱで合わせ目消しに失敗したことで、ついスプレー塗装の道具を揃えてしまったためここからバラしていきます。
はい、やってしまいました全バラし。もう後戻りはできません。全バラしとは言っても、組んだままスプレー塗装可能な部分はそのままなので、本当に全てバラしたわけではありません。また、ポリキャップを所定の位置に填めたままになっていて、再度組み上げる際には、最初から組み上げるよりも労力は1/3から1/4くらいになると思います。
こうなると説明書にある『B2の13』などのパーツの指定も全く意味が無くなってしまうので、再度組み上げるときには記憶と先ほど仮組みした経験だけが頼りです。そのような意味でも最初に仮組みして体で覚えておくのが大事なんですね。この仮組みをしないとスプレー塗装をした後に初めてきちんと組むことになってしまいます。その際に説明書指定の番号が役に立たなければ物凄く苦労するでしょう。
初めてのスプレー塗装にドキドキ
さて、初めてのスプレー塗装に挑戦です。ドキドキします。
まずやることは、バラしたパーツを水で洗うこと。デザインナイフやヤスリで削った削りカスが至る所に入り込んでいます。この状態でのスプレー塗装をしてしまうと、削りカスごと固めてしまい表面がデコボコになってしまいます。
洗面器にでもバラしたパーツを入れて、水を少し入れちょっとかき混ぜるだけで削りカスは完璧に落ちます。あとはパーツをタオルでくるんで半日でもおいておけば十分でしょう。これが終われば遂に本格的なスプレー塗装の準備です。
タミヤスプレー、塗装ベース、ペインティングクリップは購入したので、あとはスプレーを吹き付けても周りが汚れないような塗装ブースを作ります。塗装ブースも売ってはいるのですが、何故か凄く高くて1万円以上が当たり前なので自作しました。要は後ろにスプレーの塗料が飛び散らないように『囲えば』良いわけです。新聞紙を引いて段ボールで壁を作るか、ブルーシートを壁にセロテープなどで貼ってその前で作業をすれば良いと思います。
今回使用する色は、白、赤、グレーの3種類のみ。バラしたパーツを色ごとに分けます。サーフェイサーで全部グレーになってしまうので色ごとに分類しておかないとどれが何色か分からなくなってしまいます。ビームサーベルのピンクとシールドの連邦マークが黄色なのですが、一旦それは置いておいて、今はこの3色で分類。
塗装ブースはヨドバシドットコムで色々購入した際に入れられていた段ボールが塗装ブースにちょうどいいので使用しました。今回購入した塗装ベースに縦、横、奥行き全てピッタリです。
ドキドキしながらサーフェイサーを噴霧。ここで丁寧にやろうとし過ぎて量を吹き付けすぎてしまいました。あくまで下地なので完璧にサーフェイサーで覆わなくても良いのかなと。小傷を消せて色のノリが良くなる程度に最低限付着すればいいわけですからね。実際にやってみないとこの辺の加減はわかりません。ひとつ勉強。
サーフェイサーを吹きつけ終わった状態がこちら。一見綺麗に見えますが、やはり初めてのスプレー塗装(サーフェイサーはやったことがありますが10年ぶりくらい)なのでムラがあって満足とはほど遠いできに…。しかしなにはともあれこれで下地はできました。次からはいよいよそれぞれの色に塗装です。
サーフェイサーを吹き付けて2時間ほど乾かしてからまずはレッドのスプレーを噴霧。これも一見綺麗に見えますが、吹き付けすぎて盛り上がってしまったところもあり…満足とはほど遠いです。やはり最初は色々な加減がわかりませんね…。今回のことで一つ勉強になったと思って次は同じような失敗を繰り返さないように気をつけたいと思います。
具体的には『薄く塗る』と言うのが今一わかりませんでした。薄いと厚いの境目はどこなんだと…。薄すぎれば下地の色が表面に出てしまいますし、かと言ってやり過ぎると塗料が液状になって水溜まりのようになってしまいます。取りあえず今回は安いジム・コマンドを練習用にと購入したのは正解でした。こんな正解の仕方しない方が本当は良いのですが…。
内部や駆動部分によく使われるグレーは結構良い感じにできました。正確には今回使ったのはシルバーです。ここは金属なので少し金属感出したいなと思ったのですがこのチョイスは正解でした。下地のサーフェイサーがグレーなので、面倒くさい人はグレー部分はサーフェイサーの色のままでもいいのかも。今回はグレーのサーフェイサーにシルバーを噴霧したのですが、これが良い感じに混ざり、ほどよいムラで金属感が出ました。本来は塗装でムラなんて出ない方が良いのですが、このような金属部分に関しては、下地のサーフェイサーとシルバーのムラが絶妙な金属感となり、偶然ですが面白い発見でした。
組み立て
そしてスプレー塗装が終わったらじっくりしっかりと乾燥させ、仮組みでは無い本組みへと工程は映ります。仮組みで一度組み立てているので、特に説明書を見ることも無くサクサク組み上げられます。
しかーし、ここで大問題が。なんとあご部分の赤い小さいパーツを紛失…。やっちまった…。仮組み後バラしたときか、削りカスの洗浄時に無くしたのでしょう…。数ミリのパーツなのでもう見つかるわけもなく。探しはしたのですが、気付いたのがバラしてから1日たってからだったのでもうどうにもなりませんでした。痛恨のミス!しかしこれも練習用キットとして購入した安いジム・コマンドだったことを不幸中の幸いとしましょう…。このようなミスも一つ勉強になったと思って次は繰り返さないように覚えておきます。
でき上がり
上手い人だと、このような旧キットの合わせ目が目立つ部分でも、しっかりと合わせ目消しができ、上手いことマスキングテープを使って塗装ができるのだと思いますが、残念ながら私にはそんな高度なスキルは無く、このような合わせ目を消す作業はできませんでした。そしてやはり厚く塗ってしまったところや細かい気泡も目立てしまい正直失敗でした。前回のガンダムMk-Ⅱから続けての失敗です。
私はパソコンの自作も趣味で、細かい配線や填め合わせもあるので器用だと思っていたのですがもしかしたら不器用なのかも…。もしくはせっかちで乾くまでしっかり十分時間を取らなかったからか…。2作続けての失敗で結構打ちひしがれています。この練習用として購入したジム・コマンドが上手くできたら、次は最新のREVIVEシリーズであるキュベレイに行こうと思っていたのですが方針を修正。もう一度安いキットを買ってスプレー塗装の練習をします。このような失敗作を晒すのは恥なのですが、自分への戒めとして記憶に留めておくため記事を上げておきます。
総評
しかしジム系は安いですねえ。シリーズが進んでゴテゴテ装飾が付くようになると値段も上がってしまうのですが、旧作のシンプルなジムは成形が楽(そう)で、それでいてガンダムを代表するMSなので人気もあり売れるので、薄利多売を見込んで価格も安くすることができるのでしょう。有り難い限りです。なにせガンダムのジムやこのジム・コマンドは500円前後ですからね。喫茶店でちょっと高いコーヒー一杯分ですよ。種類が無数にあるので数を多くこなしてしまう罠はありますが、ガンプラは趣味としてはかなりお財布に優しいジャンルと思います。
1週間に1体作るとしても月に4000円~6000円ですからね。ギャンブルに行ったり飲み歩いたりするより、よほど経済的な趣味です。
こんな人にお勧め
- 安いガンプラを作りたい人
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