目次
あらすじ
大気圏を突破したホワイトベースにザビ家の末子ガルマ・ザビが指揮するガウ攻撃空母と戦闘機ドップの編隊が襲いかかってきた。さらに地上からは戦車マゼラアタックが砲撃を仕掛けてくる。アムロをガンタンクからガンダムに乗り換えさせたブライトは、この巧妙な敵包囲網からの突破を図ろうと考えるが…。
見どころ
- シャアとガルマの関係性
- アムロが壊れていく様
初登場人物
ジオン軍
- ガバラ
- バイソン
- ハンブル
初登場メカ
連邦軍
- ガンキャノン
ジオン軍
- マゼラアタック
はじめに
前回の最後にガルマが登場しましたが、今回はそのガルマ・シャア連合vsホワイトベース部隊の戦闘がメインになります。また、この過程でシャアはガルマに対して表面上だけの友情しか持っていないことだったり、ガルマのジオンでの立ち位置などが明らかになっていきます。
ちなみにガルマは主要登場人物なのですが、最後までMSに乗りませんでした。ガンプラではガルマ・ザビ専用ザクなんて設定上だけに存在するMSも出ているんですけどね。
放送内容
リード中尉が艦長に
今回、リード中尉がホワイトベースに来たことで、ブライトが艦長ではなくリード中尉が艦長になっていました。階級でも経験でも上ですからね。ただ、ブライトはこれまで1週間以上ホワイトベースを指揮してきたのでブライトの発言力も強く、ブライトの許可無しではガンダムも発進させられないような脆弱な指揮体勢になっていました。
言わば完全なお飾り艦長ですね。なにをするにしてもブライトを経由しなければホワイトベースのクルーは動きません。この辺も連邦高官の無能さが現れています。
アムロがガンタンクで出撃
ガルマの勢力にドップでホワイトベースを攻撃されていましたが、アムロは何故かガンタンクで出撃していました。どうせアムロが出るならガンダムで出れば良いと思うのですが…。一応理由としては、長距離射撃ができるガンタンクが飛行機のドップ相手には適切だとの判断だとは思うのですが、アムロの無駄遣い感がありました。
そしてやはりというか何というか、地上部隊のマゼラアタックが出てきたら、ガンタンクでは小回りが効かないとのことで、アムロにガンダムに乗ってくれと頼むブライト。あくまでまだまだ素人艦長ですからね。この頃はまだ判断の甘さや混乱が見て取れます。
また、この時アムロは連戦による疲れのため、厳しく当たっていたブライトでさえ、休息が必要との判断で出し惜しみをしていたのですが、これはのちのアムロがおかしくなる伏線ですね。
MSに乗らないガルマ
しかしガルマは本当にMSに乗らないんですよね。ザビ家四男であり、父デギンや兄のドズルからも寵愛されていて、ガルマ専用ザクもあったのですが、ここは今ひとつ解せないところではあります。しかしゲームの「ギレンの野望」では、こういった本来起こらなかった歴史を自分の選択次第で起こす事が可能です。「ガルマがMSに乗らなかった」、「リュウが死んでしまった」などの不満だったり不遇だったキャラを優遇してあげることが動機にもなりゲームを楽しめます。
私の場合「ギレンの野望」をやる際、いくつが絶対やることがあります。ジオン側の場合は、このガルマをMSに乗せること、生存させること。連邦の場合、リュウやスレッガーを生存させること。そしてリュウやスレッガーやレビルをMSに乗せることなどです。この不遇なキャラを救ってやった満足感だったり、自分でガンダムの歴史を新たに作っている感たまらないんです。
ちなみにレビルは設定上、わずかながらニュータイプ能力があります。後半に出てきますが、ニュータイプ特有の危険察知能力、未来予知能力、感応力とでも言いましょうか。それがわずかながら出てくるシーンがあります。なのでレビルをギレンの野望でニュータイプ専用機に搭乗させるんです!もうこれだけでガンダム好きとしてはハァハァしてしまいます。レビルをサイコガンダムに乗せたときの興奮と言ったらもう…。
致命的なミス
今回致命的なミスを発見しました。劇場版ばかりを何回も見ていて、テレビ版を細かく見たことは久しぶりなのですが、見落としってあるもんですね。
ガンタンクに乗っていたアムロが、ガンダムに乗り換えるシーンがあったのですが、ガンタンクから降りるはずのアムロが、何故かガンダムから降りていました。その次のシーンの背景では、MSがガンタンクになっていたので単純ミスですね。こんな単純ミスにすら誰も気付かない程忙しかったということなんでしょう。
つまりアムロの乗り換えシーンは、ガンタンク→ガンダムにしなければならなかったのに、ガンダム→ガンダムになっていたんです。しかしある意味貴重なのは、ガンダムに乗り込むカイが見られた事です。
アムロがおかしくなっていく
オーバーワークのアムロを、ブライトやフラウが心配していましたが、今回最後にアムロがおかしくなっていく描写がありました。思えば9月18日にガンダムに乗ってから、9月23日のこのガルマ戦まで、まだたったの1週間弱ですからね。1週間前まで何でもないい民間人だった人間が、今は戦争に巻き込まれ毎日MSで人殺しです。そりゃあ病みます。
また、シャアがガルマを利用している描写も後半あからさまなり、友情を感じているのはガルマだけで、シャアはガルマのことを利用しているだけなんだなとの人間関係もわかりました。
木馬と言う呼び名
今更ですがジオン軍はホワイトベースを木馬と呼んでいます。これは考えれば当たり前で、連邦でもトップシークレットで、その存在すらごく一部の人間にしか知られていない最新兵器の正式名称を、ジオン軍が知っているわけないんです。呼べるわけないんです。しかしこの当たり前のことをやるアニメは、子供の頃初めて見たので、「なるほど!ジオンはホワイトベースやガンダムのこと本当に知らないんだ!」と感心した記憶があります。こういう細かいディテールからリアルさを感じて痺れるんです。
ただでさえ子供はアニメに夢中になり、画面の中に気持ちが入り込んでしまうものなのですが、このような細かい表現の積み重ねで、現実とアニメの境目がわからなくなるほど入り込んでしまいました。
総評
ここまで強烈に強いMSのガンダムが出たり、相手方のMSザクが出たりと、MSや戦局、連邦の体制と言った大局的な事を主に描いていたのですが、このあたりからホワイトベース部隊や、シャア周りの人間関係が細かく描かれていくことになります。
こう言った人間関係を面白いと思うのは、ある程度大人になれば当たり前なのですが、凄いのはこういう人間関係の機微をやっておきながら、子供が飽きなかったことです。
こんな人にお勧め
- ロボットアニメが好きな人
- 戦争アニメが好きな人
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