目次
あらすじ
避難民たちを受け入れた軍艦ホワイトベースでは、大半の正規軍人たちが死傷し、生き残った少年少女たちが協力してコロニー脱出の準備を進めていた。一方のシャア少佐は、連邦側モビルスーツの機密を求めて自らサイド7内部へ潜入していた。その姿を見とがめられた少女セイラ・マスに妹の面影を見たシャアは驚愕するが…。
見どころ
- シャア専用ザク初登場
- アムロvsシャア初対決
初登場人物
連邦軍
- ミライ・ヤシマ
- リュウ・ホセイ
- セイラ・マス
- カツ・ハウィン
- レツ・コ・ファン
- キッカ・キタモト
- マーカー・クラン
- オスカ・ダブリン
ジオン軍
- ドズル・ザビ
死亡登場人物
ジオン軍
- スレンダー(ガンダムに宇宙で撃破され死亡)
初登場メカ
連邦軍
- ガンタンク
- コア・ファイター
ジオン軍
- シャア専用ザク
はじめに
今回はアムロとシャアの初めての対戦があり、ミライやリュウなどの新たな登場人物などもあり、ホワイトベース部隊のクルーや配置がある程度固まる回です。
また、アムロが有名な機械ヲタクであることや、リュウがパイロット候補生であること、シャアとセイラが兄妹であることなど、登場人物についての掘り下げが始まった回でもあります。この辺のキャラ掘り下げは、通常もっともっと先に出てくるのですが、ガンダムはたった2話で、新キャラの登場と掘り下げを一気にやってしまいました。
放送内容
今回も登場人物がいっぱい
第1話に続き、今回も登場人物がいっぱい出てきました。カツ、レツ、キッカは一塊としても、その他にカイ、セイラ、リュウの主要登場人物が出てきました。そしてなんとこの第2話までで、ホワイトベースクルーの主要登場人物はほぼ出切りました。スレッガーがのちに出てはきますが、最初の2話で主要な登場人物を出し切ってしまうのは型破りですね。少しずつ出してきて、少しずつ視聴者に覚えて貰うのが定石なのですが、2話までに出たこのメンバーで最終回まで行きますからね。
この出し方には利点があます。それは、あとは人物の登場シーンや紹介に時間を割かなくて良いので、キャラの掘り下げや話自体に時間を割ける事です。このおかげで脇役のカイやセイラなどのバックボーンのエピソードの時間がたくさん取れたとも言えます。
そして今回の登場人物紹介も、第1話同様流れるような一連のシーンで全て終わらせました。パオロ艦長を補佐するリュウ。パオロ艦長とブライトの会話の途中でミライ。カツ、レツ、キッカの世話をするフラウに頼み事をするセイラ。サイド7から避難するカイ。そこで偶然居合わせたセイラ。カイの物言いに怒りカイをビンタするセイラ。それをニヤニヤしながら茶化すリュウ。またしてもER方式の長回しみたいな人物紹介でした。また上手いのは、ミライがクルーザー級のスペースグライダーのライセンス持ちであることや、名家の出であることの付加情報も、会話や話の流れに入っているので、説明臭くなく自然なんです。
実はここはZガンダムの伏線になっている部分があります。フラウがカツ、レツ、キッカの世話をしているときにセイラに呼ばれてその場を離れる際、「あとであなたたちのお母さんを探してあげるからね」と言うのですが、ご存じの通り、彼らのお母さん(養子にした)になったのはフラウでした。勿論、この時からZガンダムの構想を考えていたわけではないので、結果的に見ると伏線になっただけなのですが、Zガンダムを知っていると少しニヤッとしてしまう部分でもあります。
サブタイトル
今回のサブタイトルは「ガンダム破壊命令」でした。ガンダムは前回第1話で登場したばかりであり、主役のMSなのに第2話で破壊命令とサブタイトルが付いていてインパクトが強いです。
しかしガンダムやガンタンクをナパーム弾で破壊できるんでしょうか。前回、ザクマシンガンをいくら受けてもダメージゼロの桁外れに丈夫な装甲だとの話だったのですが…。まあこれは組み立て前のパーツの状態なので、内部が露出しているので破壊できたんだと思うことにします。
素人ばかりのホワイトベース部隊
前回と今回で、正規の軍人がほぼ死んでしまったため、ブライトやアムロ、パイロット候補生のリュウが矢面に立って戦闘をするのですが、一番経験があるリュウがパイロット候補生であり、シミュレーションを2回やっただけのひよっこという頼りない部隊になってしまいました。車の運転に例えると、シミュレーション2回って事は、やっと仮免取った頃ですかね。そう考えると、ブライトが絶句するのも頷けます。
横暴なブライト
ブライトはアムロに対してやたら厳しいです。アムロに対する態度だけ見れば暴君と言っても過言ではありません。
ガンダムのコックピットにいるアムロに対する最初の言葉が「お前がアムロ!?」です。しかも強く責めるような口調です。そしてザク3機を撃破し、シャアを撃退して戻ってきたアムロに対する言葉が、「ガンダムの性能を当てにしすぎる。戦いはもっと有効に行うべきだ」です。更に追い打ちで、「甘ったれるな!ガンダムを任されたからには貴様はパイロットなのだ!この船を守る義務がある!」です。終いにはできないならサイド7に戻れとまで言い放ちます。軍人ではない巻き込まれた民間人の15歳の少年に対してですよ。そりゃムロもグレれますって。
そして前回の記事でも触れましたが、アムロがサイド7でも有名な機械好きの少年であることが、ミライの口から発せられました。まあいわゆる機械ヲタクで有名って事ですね。サイド7中に響き渡る機械ヲタク…。これが一応、アムロがガンダムを説明書を見ただけで操縦できた理由になっています。
シャアとセイラ
今回、シャアとセイラの兄妹が出会うのですが、この兄妹関係はストーリー上もの凄く重要なことであるにもかかわらず、さっさと2話目で出す豪快さ。今だとこの手の謎は焦らしに焦らして出すんですけどね。
また、シャアとセイラの久しぶりの再会も可笑しくて、久しぶりとは言えお互いに気付きません。シャアの場合、全身ピンクの軍服に身を纏う変態仮面みたいになっているので、セイラは「まさかこんな変な人が兄ではないはず」と思っても不思議ではないのですが、シャアはそのままのセイラを見ても気付かないという…。更に言えば、そもそもシャアは目立ちすぎるピンクのスーツで潜入作戦を遂行することから変ですからね
そして極めつけに可笑しいのが、シャアとセイラは5m以上は離れていたであろうにも関わらず、シャアが足を伸ばしてキックをしたらセイラに届いてしまいました。このシーンはガンダム好きの間でも有名な「変なシーン」です。随所にガンダムはこういう可笑しなシーンが出てきます。
通常の3倍のスピード
今回はシャア専用ザク、通称シャアザクが初登場です。通常の3倍のスピードと言っていましたが、実はこれは尾ひれが付いた話で、設定上だとルウム戦役(アニメには出てこないもっと以前の戦い)で、艦から艦へ移動する際に、艦を足場にジャンプし、それが加速となり3倍になっていただけで、シャアザクの実際の性能は、ノーマルザクの1.3倍なんです。まあ後付け設定ですけどね。
シャアは指揮官としては有能ではない
これは今後も書いていくことになると思うのですが、ハッキリ言ってしまうと実はシャアは指揮官としては有能ではありません。シャアと出撃すると、悉く部隊が全滅するんです。シャア以外…。
ザクで援護に来たスレンダーに「当たらなければどうということはない」と言っていましたが、そりゃあシャア程のパイロットの腕なら避けることも可能でしょうが、一般の兵士にビームライフルを避けろと言うのもねえ。
これで被るなと思うのが、「名選手は名監督にあらず」です。サッカーでも野球でも、現役時代の名選手が、必ずしも名監督になるとは限りません。得てして名選手は「自分ができたんだからこいつらもできるはず」との感覚に陥ってしまい、指導力が無い場合が珍しくありません。パイロットとしては優秀でも、指揮官としては有能ではない。自分がパイロットとしてできたことは、部下もできるはずだ。シャアはこのタイプなんじゃないでしょうか。のちにニュータイプのでき損ないなどと評されてしまいますが、パイロットとしては歴史に名を残す程の天才でしたからね。「できない人」の感覚や気持ちが理解できないのかもしれません。
総評
前述もしましたが、今回で主要登場人物は出切りました。 後はこの登場人物たちで繰り広げられる話を見ていくだけです。最初の2話で登場人物が一気に15人程出てきたのには今見返してもビックリしますが、登場のさせ方が上手いのでスンナリ入ってきます。
また、ガンダムに限らずロボットアニメはどれもそうなのですが、登場人物と同等の価値を持つ重要な物がMS(ロボット)です。今後登場人物はそれほど追加されないのですが、この登場人物と同等のMSが、新MSとして随所に出てくるので、いわばこれも登場人物みたいなもんですけどね。
ロボットアニメは、登場人物や新ロボットを、どこでどのようなペース配分で出すのかが難しいんでしょうね。そういう意味で、2話で主要登場人物をほぼ出し切ったのは、後の話の作りに余裕ができたという意味で、このガンダムでは正解でした。
こんな人にお勧め
- ロボットアニメが好きな人
- 戦争アニメが好きな人
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