今回レビューするのは、hohemさんのスマホ用ジンバル 『M6 kit』です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
目次
特徴
- 【AIビジョンセンサー搭載マグネット式フィルライト】AIビジョンセンサー搭載で、フロントカメラとリアカメラを切り替えて柔軟な「Follow You」を実現。 磁気フィルライトを使用すると、撮影にさまざまな照明を使用できます: 冷光、暖光、RGB ライト。 色温度:2700K~6500K。 すべてのモバイル アプリでの Al トラッキング ソーシャル メディア ビデオ作成のための完全なカメラ コントロール。
- 【Hohem 7.0 安定化 & 幅広い互換性】Hohem M6 ジンバルは、iSteady 7.0 安定化アルゴリズムを統合し、移動中でも揺れのない素晴らしい作品を撮影するのに役立ちます。 歩いていても走っていても、いつでも完璧な手ぶれ補正で撮影でき、滑らかな映像を作成できます。 ペイロードは最大 400g で、ジンバルはほとんどのスマートフォンで動作します。
- 【OLED ディスプレイ】OLED ディスプレイはほぼすべてのジンバル ステータスを視覚化し、さまざまなジンバル パラメーター、Bluetooth ステータス、バッテリー レベル、ジンバル モードなどを便利に確認できます。
- 【超広角ショットを簡単に】ジンバルは、携帯電話がロールモーターの前でも後ろでも電源を入れることができます。 携帯電話の画面がロール モーターに面しているときに、遮るもののないビューをキャプチャするのに最適です。
- 【すべてコントロールホイール付き】ロール軸の回転、フォーカス制御、冷光/暖光RGBライトの調整を多目的コントロールホイールでサポート。
パッケージ外観
セット内容
パッケージ内容は画像の物で全てになります。
スマホジンバル。
AIビジョンセンサー。
USB Type-C充電ケーブル。
USB-C-USB-Cケーブル。ジンバルのバッテリーから、スマホに充電するために使用します。
ミニ三脚。
キャリングケース。本体、付属品、その他もろもろ全て入ります。
説明書。全て日本語表記です。おかしな日本語も無く、図解入りで非常に分かりやすいです。
動画
スペック
- アルトラッキング:アルミビジョンセンサーと統合された磁気フィルライト
- 手ぶれ補正アルゴリズム:アイステディ 7.0
- 機械的性能:パン:360°無限回転、ロール:335°、チルト:335°
- 両面電源オン:はい
- 画面:0.91インチOLEDディスプレイ
- ペイロード:400g
- 多機能コントロールホイール:はい (ロール軸の回転、フォーカス、コールド&ウォーム補助光/RGB補助光の明るさを制御)
- A-Bモーションのボタン:はい。
使用した感想
手ぶれを極限まで抑えてくれる
このスマホジンバルのメーカーは『hohem』さんです。このメーカーは、他にも多種多様なジンバルを出しており、信頼性や実績でも間違いのないメーカーです。近年はリーズナブルなジンバルだけではなく、今回紹介する紹介するような、2.5万円の屋機能で高級な機種も出すようになっています。
詳しくは後述しますが、こちらは3軸補正と言い、上下、左右、回転のブレを九吸収(追従)し、飛んだり跳ねたりしても画面が揺れないように動画を撮影してくれる構造です。
安いジンバルは2軸補正の物も少なくありません。なにを求めるのかによっては2軸補正のジンバルでも良いのですが、どんな動きをしても、走ったりジャンプしてもブレない動画を撮影したい場合、このような3軸補正を選ぶと良いでしょう。
こちらはその3軸補正なので、ジンバルの構造の中では最もブレを補正してくれる物となります。今のところこれ以上の追従構造はありません。あとは、その中身(メーカー独自の動きやソフトウェア)や、使い勝手の良いボタン配置、アプリなどの差になってきます。
スマホの装着は比較的楽にバランス取れる
スマホジンバルは、当然ですが最初にジンバルにスマホを装着する必要があります。このとき、できる限りスマホを水平に設置しなければなりません。結構これが面倒なんです。しかし、こちらは手順がわかりやすく、目盛りもアームに付いていますし、そこでロックができるので便利ですし、2回目以降は同じスマホを装着する場合、調整は必要ありません。
手順としては、まずパン軸とロール軸のロックを解除します。その後、スマホを挟み込むクランプでスマホを挟み、ロール軸にあるレバーを上げてロックを解除。目盛りをにずらしながら、できるだけスマホがに水平になるように調整します。水平になったらアームを戻してロック。これで終了です。
2回目以降のスマホの装着は、前述もしたとおり、アーム軸のスライド部分がロックされているので、同じ機種を装着するなら調整は必要ありません。複数のスマホを使用する場合、目盛りの位置を覚えておくかメモしておきましょう。
ちなみに、完璧に水平にならなくても、電源を入れたあとのジョイスティックで調整できるので、そこまで神経質にならなくても問題ありません。
多機能高級機だけにやや重い
後述しますが、ボタンも多く、多機能で高性能な分、安いジンバルに比べると重いです。スマホを装着していない状態で581.5g。付属のミニ三脚が84.5g。スマホジンバルにミニ三脚を取り付けると666.0g。片手でずっと持つと、力が弱い方だと疲れてしまうかもしれません。
このスマホジンバルには専用のキャリングケースがセットで付属しています。全てをキチッと入れて固定でき、クッション性もあるので、持ち運びのときに衝撃から守ってくれます。また、収まりもよくスッキリして、付属品もまとめられるため、紛失しづらく、家での保管でも役に立ちます。
3軸補正のしっかりした構造
前述しましたが、この『hohem M6 kit』は、ジンバルの中でも最も追従してくれる3軸補正です。パン、ロール、チルトの3軸です。
それぞれ少し説明すると以下のようになります。
- パン(垂直、上下)
- ロール(回転)
- チルト(水平、左右)
基本的に、パンは上下の揺れを抑えてくれます。ロールは斜めの動きを抑えてくれます。チルトは左右の揺れを抑えてくれます。
言葉で説明するのも理解するのも難しいのですが、使ってみると、どのような映像が撮れるのかは体感で分かるようになります。
ジンバルには、この3つの軸のどれを固定し、どれを動かすかでモードが複数用意されています。操作は簡単で、手元の『M(モード)ボタン』を短押しすると、順次モードが切り替わり、ディスプレイに表示されます。
各モードの説明を簡単にします。
- PF(パンフォロー)→チルト軸とロール軸をロック(パンのみ動く)。カメラはスムーズに左右に移動できます。
- PTF(パン&チルトフォロー)→ロール軸をロック(チルトとパンが動く)。カメラは左右に移動でき、上下にチルトできます。
- L(オールロック)→カメラは現在の向きのままです。
- POV(オールフォロー)→一人称ショットとも言われます。チルト軸、ロール軸、パン軸はすべてジンバルの動きに追従します。
- S(スポーツモード)→ジンバルのフォロースピードが増して、早く動く被写体やテンポの速い動きを撮影します。
- ICP(インセプション)→ジンバルを水平に保ったまま、パン軸上で360度無制限に回転します。
真正面をずっと向いている、左右にゆっくり動く(追従)、上下左右にゆっくり動く(追従)するなど、各モードで違いがあるので、このあたりは実際に使った方が早いです。
基本的に、どのジンバルも、3軸であればこの3モードに、オールロックを加えた4モードは必ずあります。なので、どのメーカーどの機種でもモード自体の性能はともかく、動き方は同じなので、1度使えば感覚でどうなるかはすぐに覚えます。
自撮りも一人称視点もこれ1台でOK
スマホのカメラをアウトカメラにした場合は、FPSのような一人称視になり、インカメラにした場合、散歩しながらでもブレない自撮り撮影ができます。
アウトカメラでもインカメラでも、どちらでもブレが全くと言っていいほどない気持ちの良い動画が撮影できます。
基本操作が良くまとまっていて簡単
スマホジンバルは専門用語や複雑な操作があったり、難しいと思われるかもしれませんが、こちらは基本機能をしっかり抑えてあり、ボタンの配置もわかりやすく、非常に使いやすい設計がされています。
画像のようにボタンは多いのですが、なにも全部使う必要はありません。自分が使う機能からはじめていけば、自ずと使いこなせるようになります。基本的には、スマホで撮影し、散歩したときの一人称視点の動画を撮ったり、歩きながら自撮り動画を撮影したり、スタンドにして自分を撮影するか…の3通りの使い方だと思います。あとは、ここにいろいろ細かい設定があるのですが、使っていけばわかります。
前述したようにジンバルとして使用する場合、PT、OTF、POV、Lのこの4つのモードを切り替えながら撮影し、どのような場面でどのモードを使うのか体で覚えましょう。
私の場合、基本的に『真正面を撮り続けたい場合』はPTかL(Lはほぼ真正面固定で、PTは多少左右に向きが変わる)。歩いている途中、『横や上下にカメラの方向を変える場合があるとき』は、PTFかPOV(PTFは上下左右に追従し、POVはあらゆる方向に緩やかに追従する)というように使用しています。どのモードが良いかは好みになるので、使用しながら探っていく方が良いと思います。
ちなみに、スマホジンバルでカメラの方向を追従するのは、後述の専用アプリではなく、標準カメラでも問題なくできます。専用アプリを使用すると、スマホジンバルからシャッターを押せたりするので、より便利にはなります。
専用アプリを使うと撮影やピント合わせがジンバルからできる
hoemさんの専用アプリ『hohem Joy』を使用すると、スマホジンバルからシャッターが押せたり、ズームやピント合わせができたり、色々と便利になります。
スマホジンバルからではなく、スマホアプリから追従モードを変えたり、色々な強度、感度を変えることもできるようになります。ただ、前述もしたように、標準カメラアプリなど、他のカメラアプリで撮影することもできます。その場合、スマホジンバルからシャッターを押したりの操作はできないので、スマホのアプリからシャッターを押したりしなければなりません。
hohem Joyとの接続はbBluetoothで行います。スマホアプリを起動し、下の真ん中にあるレンズアイコンをタップ。するとすぐにBluetoothで当該機を探してくれて接続できます。初回ペアリング完了したあと、2回目以降は自動で接続されます。
AIビジョンセンサーで人の動きに追従してくれる
説明書にはAIビジョンセンサーは別売りと記載があったのですが、標準で付属しています。マグネットになっているので、スマホジンバルの上側にピタッとくっつけるだけです。
AIビジョンセンサーはないをする物かというと、1つはこの小さいセンサーで捉えた手のジェスチャーを検知すること。もう1つはこのセンサーが自分の顔を認識して追い掛けることです。
スマホのカメラで人の顔を認識して追い掛けるわけではなく、このAIビジョンセンサーで人の顔を認識して追い掛けてくれるので、スマホやスマホカメラの性能に依存しません。どのスマホを使用しても同じように追い掛けてくれます。また、専用のセンサーだからか、人の顔をしっかりと追い掛けてくれます。胸のあたりを中心にしてしまうとか、顔からズレたところを映すなどもなく、ピッタリ自分の顔を追い掛けてくれます。
操作は簡単で、センサーの前0.5mから1.5mの間に、人差し指と親指でOKマークを作れば、顔を認識しての自動追跡が開始。逆に止めるときは、センサーの前でパー出せば良いんです。追跡しているときは、LEDインジケーターが緑色になり、追跡していないときは赤色になるので、現在の動作状況がわかりやすいです。操作も簡単です。
どのような状況で使うかというと、インカメラで撮るときは、自分を撮っての配信したりです。ゲーム実況などで小窓に自分を映す方も多いですが、そのときに横に動いたり立ったり座ったりしても、カメラはしっかり自分の顔を中心に追跡してくれます。
アウトカメラで使用する場合、撮影したい被写体を追い掛けたい場合です。子供の縄跳びとか、自転車の練習している様とか。自分を撮影するなら、サッカーでシュート練習。野球で自分の守備などなど。色々な活用方法が考えられます。
ちなみに、マグネットは強力なので、AIビジョンセンサーを付けたまま、外を走っても飛んでも跳ねても外れません。
価格は高め
価格は多機能で高度な顔自動追跡機能が付いていることもあり、決して安くはありません。2023年6月現在、27800円でした。スマホジンバルにこの価格を出せるかどうかですね。ただ、先述したように、スマホジンバルとしてだけではなく、AIとセンサーで、自分の顔を自動で追い掛けてくるので、スタンドカメラとしても非常に高機能です。
スマホジンバルとしても、追従機能は素晴らしく、動画にあるように、わざと上下左右に体を揺らして撮影しても、氷の上をスーッと滑っているように、揺れをほぼ消して滑らか動画が撮影できました。
特に良かったのは、ブレを消すのも素晴らしいのですが、上下左右への追従が滑らかだったこと。追従の甘い機種だと、上下左右の動きが早すぎて、目的の場所を行きすぎたり、それで慌ててまた戻すと戻らなくて軽くバグったり。そして追従を初期化したり。そんなことはこの機種では一切ありませんでした。このあたりは、さすが高級機という感じがしました。
総評
価格は高めですが、それだけの価値のあるスマホジンバルだと思います。3軸追従なので、上下、左右、回転に対応しており、どんな動きにも追従してくれます。また、その追従も滑らかなので、行きすぎたりそれで戻らなくなったりすることもなく、非常に快適でした。また、カメラスタンドとしても優秀で、自分の顔を上下左右追従してくれるため、自撮りの配信、自分のスポーツやダンスの様子など、無人で自動的にカメラが追跡してくれます。
自分お顔を追い掛けてくれるAIビジョンセンサーは素晴らしく、かなり早く顔を上下左右に動かしても付いてきました。また、それ以上に早いスポーツで使用する場合、専用のSモードがあります。Sモードにすると、さらに速い動きにも付いてきて驚きました。ただ、この場合、スマホジンバル単体で立てておくと、自動追跡の勢いで倒れてしまうので、付属のミニ三脚を使用するか、市販のカメラ三脚を使用してください。ネジ穴が同じなので、一般的なカメラ三役はそのまま仕様できます。
こんな人にお勧め
- しっかりした追従機能のあるスマホジンバルが欲しい人
- 多機能なスマホジンバルが欲しい人
- AIセンサーで自分の顔を認識して追い掛けてくれるスマホジンバルが欲しい人
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