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総集編を超えた映画「機動戦士ガンダム 劇場版」レビュー

あらすじ

劇場版 機動戦士ガンダム

宇宙世紀0079。宇宙植民地(スペースコロニー)サイド3はジオン公国を名乗り、連邦軍に独立戦争をしかけてきた。 サイド7に住む15歳の少年アムロは、ジオン軍の奇襲の中、モビルスーツ・ガンダムに偶然乗り込み、敵モビルスーツ・ザクを撃退する。避難民を乗せたホワイトベースは、ジオン軍の追撃をかわし、逃避の旅を続ける。迫るジオン軍の赤い彗星シャア。大人はみんな死んだ。生きのびたければ、やるしかない。アムロの意志が、ガンダムを飛翔させる!

 

紹介動画

 

今更のレビュー

約3年前にもガンダム劇場版のレビューはしているのですが、物凄く軽くしか書いていなかったので、先日アニマックスで放送していたのを観たを機に、少し真面目にレビューを書いておきます。物凄く今更なのは分かっているのですが、ガンダム劇場版と天空の城ラピュタ 、そしてバック・トゥ・ザ・フューチャーは人生観を変えるほどの衝撃を受けたので、いつかは真面目にレビューを書いておきたいと思っていたんです。

 

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総集編を超えた総集編「劇場版 機動戦士ガンダムⅠ/Ⅱ/Ⅲ」レビュー

 

と言うことで、今更私が新しいことを言える訳はないのですがレビューします。ちなみに、Blu-ray版を買って副音声に物凄く聞く価値があったので、その辺も含めて書いていきたいと思います。

 

副音声が素晴らしい

先日BD-BOXを購入したのですが、このBlu-rayには通常版全てに副音声が付いていました。司会はアニメ・特撮研究家の氷川竜介さん。毎作この氷川竜介さんを司会に、当時のガンダム制作に携わっていた人を迎えて、裏話などをふんだんに披露していました。

 

副音声には全く期待していなかったのですが、これが物凄く面白く、初めて知るようなトリビアもあって、非常に良い特典でした。この一作目の副音声は、ゲストに当時ガンダム劇場版の制作に携わっていた、音楽ディレクターの藤田純二さんと、サンライズ音楽出版の指田英司さんを迎えて、主にガンダムと音楽についてトークしていました。随時この副音声には触れていきたいと思います。

 

DVDと比べて画質はどうなのか

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待望の劇場版Blu-ray化なのですが、映像は果たしてどうなんでしょう。気になる人も多いと思います。結論から言えば十分Blu-rayレベルになっています。ただBlu-ray最高峰レベルではありません。これは当時のガンダムが16mmフィルムで撮られていたからで、要はソース映像の限界ですね。35mmフィルムで撮影する方が高画質なのですが、撮影機材が大型化し、機材そのものも高価なので、当時他のほとんどの映画でも16mm撮影でした。

 

35mmで撮影した映像は最高に美しく、昨日撮ったように蘇るのですが、16mmはさすがにそこまでは無理なんです。しかしその16mmであることや、30年前のアニメ映画である事を考えると、限界まで綺麗になっていると思います。

 

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DVDと比べても圧倒的に綺麗で、特に手作業になるゴミ取りを頑張ったらしく、フィルムに直接付いてしまった白い斑点状の傷はどうしようもないのですが、DVDでは映り込んでいた毛のようなゴミはほぼなくなっています。また解像度が上がったため、キャラクターの絵の線なんかは物凄くシャープになっているので、高画質化を目的とした場合でも十分に買う価値はあると思います。

 

DVDのように今見ると解像度が低い場合、どうしてもドット数が少ないので線がぼやけてしまうのですが、ドット数が劇的に増えたBlu-rayでは、線がくっきりぼやけないんです。これはこのガンダムに限らず、Blu-ray化されるソフト全般で言えます。先日購入したルパン三世 カリオストロの城でもそれが顕著で、キャラクターの線がハッキリくっきりぼやけていませんでした。

 

ルパン三世 - カリオストロの城 [DVD]

 

ガンダムの斬新さ

勧善懲悪ではない

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当時…とは言っても、私はリアルタイムの放送を見ていた訳ではなく、夕方5時の再放送を観ていた世代なのですが、この頃のロボットアニメもその他のアニメ全般も、ほとんどが勧善懲悪で、主人公側が完全正義であり、相手側が完全悪役でした。ヒーローが悪役を倒す単純な子供向けアニメですね。わかりやすく言うと、戦隊ヒーロー物や仮面ライダーのノリをそのままアニメに持ち込んだ感じですね。ヒーローが怪人を倒すってあのわかりやすいパターンです。

 

ところがこのガンダムはそんな単純な物ではなく、敵側にも正義や戦う理由があり、そして主人公側にも腐敗や駄目なところが数多く存在し、どちらが正しいとは言えないんです。とは言え、こんな深い部分が理解出来たのは高校生になって再度ガンダムを観たときでした。子供の頃はそりゃあこんな複雑な事情は理解出来ず、単純に「モビルスーツかっけー」、「戦闘かっけー」がほとんどを占めていました。しかしそれでも子供ながらにうっすらと「これは今までのアニメと何かが違うぞ…」と、その背景にぼんやりと格好良さを見出してもいました。

 

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ちなみに1stガンダムが好きな人は、連邦派とジオン派に別れるのですが、私の調べでは圧倒的にジオン派が多いです。それは連邦が腐敗している描写が多かったり、ジオンの戦争の理由に同調出来る部分があったり、新型モビルスーツをガンガン投入してくるので、モビルスーツのバラエティが富んでいて格好良かったり、理由は多岐にわたるのですが、ジオン派が多い印象を受けます。しかし私は少数派の連邦派です。理由はやはりアムロが格好良いことや、カイが物凄く好きなこと、白を基調としたガンダムやジムの方が、色や形に統一性のないジオンのモビルスーツより格好良いと思った事などが理由です。なのでガンダムで連邦の腐敗描写が出る度に頭を抱えてしまいます…。

 

等身大の主人公

ガンダムの主人公であるアムロ・レイは、今までの熱血タイプの主人公とはまるで違い、悩みますしくよくよしますし戦うこと自体に疑問を持っています。これも今までのアニメとは大きく違っていました。

 

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それまでの主人公は、視聴者の子供が憧れるような、将来ああなりたいと思うような主人公像でした。ところがこのガンダムは実に等身大の少年なんです。人間誰しも落ち込むことがあり、悩むこともあり、くよくよすることもあります。そんな今の自分が投影出来るのがガンダムのアムロだったんです。熱血ヒーロー物はああなりたいとの将来像だったのですが、ガンダムのアムロは今の自分に近いんです。だからこそこのガンダムは、今までのアニメとは比べものにならないくらい感情移入出来たんです。

 

戦う理由

アムロが戦う理由も一風変わっていて、完全に巻き込まれ型です。自分の意思とは関係なく、偶然が重なりひょんなことからガンダムに乗ってしまい、周りに流され本格的に戦闘に参加していく。このあとのガンダムシリーズでは定番となりましたが、この時はこれも衝撃でした。

 

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これも前段に書いた感情移入に関わるのですが、偶然モビルスーツに乗り、ヒーローになっていく流れも自分を投影しやすいんです。最初から軍属だったり、俺が世界を救ってやるぜ!なんて話だと、絶対に自分にはあり得ない出来事なのですが、偶然、たまたま、ひょんなことからモビルスーツに乗ってしまったならどうでしょう。なんとなく自分にも起こりそうな気がしません?少なくとも熱血ヒーロー物の話よりは「もしかして自分もいつか…」なんて都合の良い妄想しやすいですよね。これもまた感情移入しちゃう理由なんです。

 

モビルスーツの格好良さ

そして何よりモビルスーツの格好良さがありました。これは子供の心を鷲掴みにするためには絶対必要なことだったのですが、ガンダムのモビルスーツはこれまでのロボットアニメのロボットとは違いました。今までのロボットアニメは、一応人型と言ってはいた物の、あくまで人間とは懸け離れたロボットでした。ライディーンや鉄人28号、マジンガーZなんかですね。巨大すぎたり、二足歩行ってだけだったり、人型とは言っても人とは懸け離れていました。いわゆるスーパーロボットと分類されるジャンルです。

 

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ところがガンダムは、人が搭乗するのに適度な大きさであり、フォルムや動作がまるで人間のようでした。おそらく以前のスーパーロボットは、人と同じ動きをしたらロボットの意味がないって理由もあって、わざと超巨大化させたり、人の動きとは離れた動きをさせていたのだと思います。一方ガンダムはそれまでのロボットアニメの常識を覆し、まるで人間のようなモビルスーツを登場させました。これは前段でも述べたとおり、人間と同じ動きをしたのでは意味がないと評価される可能性もあり、一種の賭けだったと思います。しかし結果は皆さんご存じの通り、ガンダムのあとのロボットアニメはスーパーロボットが姿を消し、リアルロボットへ変わっていきました。

 

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人間と同じようなフォルムや動きにしたことで、人間の動きをそのままトレース出来るので、多彩な動きが可能になり、そしてその結果戦闘シーンも非常にバラエティ豊富になりました。それもそのはずで、戦略も現実の戦争を元に出来るようになったんです。このようなロボットの進化も子供心を掴んだ理由でした。

 

不人気で打ち切りの噂

ガンダムTV版は本来の予定よりも早い中途半端な43話で終わったので、不人気で打ち切りとの話を良く聞きますが、厳密には少し違うんです。人気は凄くあったんです。ガンダムのサントラも数万枚から10万枚を超えるヒットを記録しており、視聴率も良かったのですが、いかんせん玩具が売れなくての打ち切りだったんです。これは副音声でも詳しく言っていました。

 

「玩具」と前段で言いましたが、これにガンプラは含まれていません。何故かって?ガンプラが発売されたのは放映終了半年後だからです。遅きに失しましたが、放映終了後にガンプラが爆発的にヒットしたことにより、これで高い視聴率と玩具の売れ行き両輪が揃いました。そこで劇場版の制作が決まったんですね。

 

元々打ち切られた初回放送でも高視聴率を記録し、人気はあったのですが、玩具が売れない、玩具会社が儲からないのが問題だった訳で、この問題がガンプラでクリアされたんです。

 

アニメサントラはガンダムが先駆け

当時、アニメの音楽はTVでしか使わないので、安く済むモノラルで最初から録音して、マスターテープはアニメ制作会社に渡しちゃうと言うのが慣例だったそうなのですが、このガンダムではアニメでは異例のステレオ録音をして、それをきちんと管理し、それをサントラとして発売した先駆けだそうです。そしてそのサントラがどれも数万枚を超えるヒットをしたことで、アニメの音楽が商売になるんだとの認識が広がり、それからのアニメはきちんとハイクオリティで録音し、サントラも発売するようになったとか。これも副音声情報。勉強になるなあ。

 

主題歌決定の顛末

元々谷村新司さんに歌って欲しかったそうなのですが、キングレコードと谷村新司さんのパイプがなくて、やしきたかじんさんに歌って貰ったそうです。そのやしきたかじんさんと谷村新司さんが同じレコード会社だったので、作詞作曲を谷村新司さんにお願いしたとのこと。当時は事務所事の縦割りや縄張りが強くて、パイプがなかったり交渉の手段がないと中々難しかったみたいですね。またこぼれ話として、谷村新司さんに土曜日に曲を依頼して、翌水曜日には曲が出来上がって来たとか。仕事早いんですね。

 

スターチャイルドレーベルの由来

 

キングレコード内のアニメ音楽を主にリリースする、スターチャイルドレーベルがありますが、このガンダムの主題歌スターチルドレンから取ったとのこと。こんな情報も知りませんでした。

 

登場人物の容姿が豊富

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今のガンダムは美男美女ばかりが出て、世の中の全てを分かったような洒落臭い事を言うのが当たり前になってしまいました。これ説得力が全然ないんです。年齢層も容姿も、もっとハッキリ言えば、不細工やデブがいるのが世界であり、美男美女ばかりの世界なんてあり得ないので、美男美女ばかり出されてしまうと、途端に現実感がなくなってしまいます。

 

その点、このいわゆる1stガンダムは、不細工もデブもいて、出てくる年齢層も様々で、現実の世界のようで入りやすいんです。

 

名台詞のオンパレード

美男美女ばかりの最近ガンダムと通じる物あるのですが、台詞も最近のガンダムは実にわざとらしいんです。「どう?これ名台詞でしょ?」的な押しつけがましい名台詞が多いんです。ところがこの1stガンダムは、観ているこちらが勝手に名台詞認定する自然発生的な物が多く、押しつけがましくないんです。

 

ただこの富野由悠季さん独特の言い回し「富野節」も、さすがに年数を重ねて視聴者もパターンがわかってしまったので、かなりその台詞が浮き出て見えてしまうようになりました。これは同じ人が何作も作っている以上致し方ないですね。

 

シャアは死神か

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シャアが率いる部隊は悉く全滅します。部下を大量に死なせ、モビルスーツを失っても自分だけは無事帰還する。パイロットとしては有能なのですが、もしかしてシャアって指揮官としては無能では…と思ってしまいます。

 

一作目はプロローグ

この劇場版一作目は話的にはガンダムのプロローグ(序章)に当たります。物凄く大きな出来事はここでは起こりません。ガンダム三作では一作目が一番大人しい作りになっていて、盛り上がりどころも少ないです。しかしその序章や前置きと言えるこの一作目でも、そこら辺の映画に比べて圧倒的にテンポが良く面白いんです。

 

一応このガンダム劇場版はTV版の総集編との位置付けにはなっていますが、一作目こそTV版のおさらいのような感じですが、二作目三作目で新作画もふんだんに入り、ストーリーや肉付けも大分変わっているので、TV版とはまた違ったガンダムになっています。

 

エヴァの新作が本当に話が変わってしまっていますが、そこまでではなく、TV版を踏襲しつつ、それでいてTV版でおかしかったところを直しているので、「どっちが正史なの?」って混乱することがないので、これくらいの改変が丁度良かったと思っています。

 

富野さんはその後のZガンダムで思いっきり違う話にしてしまったので、Zガンダムはどちらを正史扱いして良いのか混乱してしまいます。

 

当時の思い出

当時ガンプラが大ブームで、どこに言っても品切れなんて事がありました。ガンダム再放送世代の私の時でもこうでしたからね。本当に凄かったんです。

 

私もガンプラを必死で買った一人ですが、当時このガンプラが切っ掛けで抱き合わせ商法が問題になっていました。人気商品と不人気商品をセットで買わせる、セットじゃないと売らないよとの売り方です。私もこれを経験した一人です。ある日近所のオモチャ屋にガンキャノンがあって、喜び勇んで買おうとしたところ、安土桃山城と一緒じゃないと売れないと…。泣く泣く安土桃山城も一緒に買いました。買ってしまったからには…ってことで作りましたよ…。

 

それともう一つ思い出すのが、人気のガンプラはどこにもないので、仕方なく余っていた不人気のザクレロを買って友人に馬鹿にされた事もありました。こんなことは当時を知っている人なら多分あるあるネタだと思います。

 

副音声だけでも買う価値あり

私の個人的な感想を言えば、Blu-rayーBOXは副音声だけでも買って良かったです。これだけでも買う価値があったと思っています。それに加えて、Blu-rayの限界までにはなっていませんが、明らかにDVDより高画質化が分かりますからね。将来4k2kが控えていて、この規格でもまたリマスターが出るのかも知れませんが、そんなのは早くて10年後とかでしょう。こんな先の規格でのリマスターを心配して買い控えていても仕方ないですからね。

 

内部リンク

 

こんな人にお勧め

  • ガンダムが好きな人
  • DVDから更に高画質が欲しい人
  • 副音声で裏話を聞きたい人
  • いわく付きの特別版を欲しい人

 

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