ドラマ全話レビュー「江戸川乱歩の美女シリーズ 第01作 「氷柱の美女」」レビュー 5/5 (3)

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あらすじ

箱根湖畔の静かな宿の一室。そこで岡田と三谷、二人の男の間で不思議な、そして命を賭けた決闘が始まった。彼らが求めるものは美しき未亡人、倭文子の愛だった。その決闘で死こそ免れたものの、岡田は愛する倭文子の前で最大の屈辱を味わい、姿を消す。そして三谷は倭文子と結ばれるが、岡田の遺体が発見されたことをきっかけに、倭文子は恐ろしい事件に巻き込まれていく・・・。

 

放送日

  • 1977年8月20日

 

今作の美女

  • 三ツ矢歌子

 

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はじめに

今回レビューするのは、『氷柱の美女』です。

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これは記念すべき美女シリーズの第1回作品です。初期は2時間ドラマでは無く1時間30分のドラマだったようです。放送時間は土曜日21時なのですが、この時間にバンバン入浴を惜しげもなく見せるシリーズであることでも有名です。

 

まだ第1回目のため、作風が定まっておらず、マスコット的な荒井注さんも出てきませんし、肝心の入浴シーンもゼロです。また、美女シリーズでは珍しくまともなサスペンス物となっています。きちんと謎や伏線を回収しています。どんどんそれが力業になっていくんですけどね…。まあそれは悪いことではなく、私は凄く面白く見られましたし、強引なパワーがあるからこそ後世に語り継がれるシリーズになったのだと思います。

 

何はともあれ、第1回なのでまだいたるところがフワフワしていますが、早速レビューを書いていきたいと思います。

 

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放送内容

記念すべき第1作目

記念すべき第1作目最初のシーンは天知茂さん演じる明智先生が釣りをしているシーンでした。そして今後ずっと続いていく明智先生独特であり派手なファッションも見物です。最初の衣装は白いジャケットに白い帽子にサングラス。そしてここで先生は今作の美女役である三ツ矢歌子さんと出会います。

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この美女シリーズは毎回スポットライトが当たるヒロインに美女が出ます。そしてお色気シーンがあることが多く、それが美女シリーズと言われる所以でもあります。

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しかし先生はいつも女性と出会い惚れる一歩手前まですぐ行きますね…。

 

最初の美女は三ツ矢歌子

記念すべき最初の美女は三ツ矢歌子さんなのですが、放送日は1977年ので年齢を調べると40歳です。

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昨今美魔女などともてはやされ、アンチエイジングという言葉が広く認識されているように、とてもその年齢に見えない若く見えることが持て囃されています。しかしこの当時、年齢は年齢なりの美しさを持っていたように思います。まあこの頃の記憶なんて私はないんですけどね。80年代まではこんな感じで、男女ともに年齢なりの美しさを求めていた気がします。

 

とは言ってもさすがに三ツ矢歌子さんは若く見えますね。和服で髪もまとめているので大人の女性の雰囲気はありますが、それでもやはりとても40歳とは思えません。のちの作品でお色気シーンが出てきますが、体も物凄く綺麗で、最初に見たときは40歳だとはわかりませんでした。

 

名悪役の松橋登登場

道に迷った三ツ矢歌子さんこと柳倭文子(しずこ)さんを送ろうとしていた先生ですが、そこに現れたのは今後何度も出てくる名悪役の松橋登さん。違う人物として出てくるのですが、先生に幾度となく立ちはだか、りそして散っていく役者さんです。

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ちなみに、三ツ矢歌子さんの役名である倭文子ってシズコって読むんですね。当て字や無理矢理かと思ったら、昔からある名前のようです。

 

文代と小林少年

バーで3度目の出会いをした明智先生と倭文子が出会い、松橋登さんこと三谷三郎と画家の岡田光彦の恋の火花が…。

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ここでは明智先生の美人助手である文代君(五十嵐めぐみ)と小林少年(大和田獏)が登場していました。こちらも初登場です。

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こうやって明智先生が美女と出会い、興味を持ち、その美女が事件に巻き込まれ(起こし)…と言うのがこの美女シリーズの基本です。そして、当然ほとんどの作品で唐突な入浴シーンが入るのもお約束。今の9時台のドラマでは考えられないほど入浴しまくります。

 

不思議な決闘

場面は変わって何故か倭文子を取り合っていた三谷と岡田の決闘シーンが…。しかもこの決闘、グラスに入ったワインの片方に致死量の毒が入っており、死んだら負けなので倭文子を諦めるとの過激なものです。

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三谷が震えながらグラスを飲んだところ、運が良いことに毒が入ってない方で、今度は毒のグラスを飲まなければならない岡田が逃走。しかしそうはさせじと立ちはだかる三谷に負けを認めさせられ、倭文子に近付かないことを約束。何故か男同士の固い握手を交わした直後、懐から硫酸を出して谷山に襲いかかる岡田。しかし案の定岡田は自爆して顔に硫酸が掛かり…。

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美女シリーズは美女のお色気シーンや入浴シーンも売りなのですが、このようなグロイ場面も特徴です。いわゆるエログロですね。当時の技術なので明らかな作り物と分かりますから、目を背けるほどではないのですが…。

 

しかし岡田ってクズですね。自分から谷山に毒が入ってるかも知れないワインを飲むように強要し、負けると逃走。言い含められると今度は硫酸で相手を襲うって…。

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これでめでたく倭文子への求婚者は三谷1人だけとなり、岡田の顔がケロイドのように焼けただれて逃げた直後熱い抱擁とベッドシーンへ…。この状況でよくこんなことができますね…。

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第1の殺人事件

そして案の定消えた岡田はその後死体として川から発見されます。先日の硫酸の件で顔が潰れていて身元が分からないとのこと。美女シリーズではこれもお約束で、死体の顔が分からない、顔に傷がある使用人などが良く出てきます。

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倭文子の背景は明らかになっていくのですが、資産家の未亡人とのこと。しかも子持ちです。要はこの話は資産家の未亡人を狙った愛のない求婚から起きた事件ってことですね。2時間ドラマで良くありがちな話です。

 

倭文子の背景

倭文子は18で両親を一緒に亡くし、そこでお金のない心細さを痛感し、前夫と一緒になったとのことですが、この前夫への愛はなかったと語っていました。また、その前に1度だけ恋をして、同棲した男性がいたそうですが、貧乏で一向に芽が出ないので逃げ出してきたとのこと。

 

三谷や岡田もお金目当てで文子に近付いたので、倭文子は被害者と思いがちですが、結局この倭文子も相手が貧乏だからとの理由で男を捨て、お金目当てで愛のない結婚をしたわけで、同じ穴の狢なんですよね。しかも前夫が亡くなってから1年もたっていないとのこと。

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ちなみに、この同棲した男性はその後自殺したようです。…そうです。伏線の臭いがプンプンします。

 

僕を買い戻してください

倭文子の息子である茂が誘拐される急展開が起こります。しかも茂本人が電話を掛けてきて、「母さん、僕を買い戻してください」とのこと。身代金は1000万円です。物価指数を見ると1977年から1.5倍ほどになっているので、現在の価値に直すと1500万円くらいのようです。

 

 

しかし茂は気持ちの良いくらいの棒読みでした。

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何故女装を…

誘拐された茂を取り戻すため、現金受け渡しには三谷が女装をして行くことに…。しかし松橋登さんはスラッとしていて顔も小さいので女装が似合ってしまうという。

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今だと腕に自信のある婦警さんがやるんでしょうね。当時は今では信じられないほど婦警はいなかったようです。また、夜の町の街灯も今とは比べものにならないほど少ないです。さすがに車道には街頭が並んでいるのですが、他は暗いところも多く、夜はきちんと暗い物だったんですね。このような時代背景や今との違いも考えながら見ると、昔のドラマの描写って実に興味深いです。

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ちなみに、このとき警察に通報するのですが、第1作目には波越警部(荒井注)は出てきません。警察関係者として垣川警部補(稲垣昭三)が出てくるのみで、警察関係者の役割もキャラもかなり薄いです。

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倭文子単独行動

三谷の女装をしてまでの身代金受け渡しは失敗してしまいます。そこで犯人から第2のメッセージが届き、今度は警察には内緒で文子が1人で現金を受け渡しに行くことに…。

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回想シーンでは、倭文子を襲うケロイドの顔をした犯人は明らかに三谷の声ですし、背後からですが明らかに三谷が兄の自殺を悲しんでいる様子が映され、この時点で犯人は確定。

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やっと明智先生登場

これまでオープニング以外は一切出てこなかった明智先生は、倭文子がさらわれた後に警察の依頼を受けてやっと登場します。最初は1/4くらい先生出てこなかったんですね。しかしやはり天知茂さんの存在感や落ち着いた演技は凄いです。一気に主役を持っていきました。

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事件解決のチームに加わった明智先生の前に現れたのは先ほど倭文子を誘拐したケロイド顔の犯人。何故か先生の前に現れて手を引けと警告。そしてそこからの走力頼みと車での力業の逃走。

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これも美女シリーズあるあるで、わざわざ目の前に現れて警告なり威嚇をし、そしてそこから逃げる手段はなんのトリックも工夫もない走力頼みという力業…。今だとそこら中にカメラがあるのですぐに犯人割れるんでしょうね。この頃は街頭の明かりも少なく、深夜までやっているお店はそれこそありませんでした。また、夜は夜らしく暗いようで、人も夜中まで出歩くこともなく人通りが少ないからこその逃亡の演出でしょうね。

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今回も追い詰められて車を乗り捨て、ひたすら走って逃走。そして「あれ?どうしたんですか?」と変装を解いた三谷が登場。いやそりゃ怪しまれるでしょ。と言うか、逃げられたのが奇跡でしょってな具合でした。力業の逃走するなら出てこなきゃ良いのに…。「明智さ~ん!どうしてここへ?」じゃないよ三谷。そんな偶然あるかって三文芝居に笑ってしまいます。

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倭文子さんと茂救出される

三谷の三文芝居と明智先生の奮闘で倭文子と茂は救出されるのですが、ケロイド顔を利用して犯人を岡田になすりつけようとする三谷。もうこの辺りになると三谷が犯人なのは視聴者が分かっていて、三谷の足掻きと工作、それに対する明智先生の闘いが物語の中心になっていますね。

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倭文子と茂が監禁された部屋に残っていた食いかけのチーズから歯形を警察は作成していましたが、今だとDNAで一発でしょうし、歯医者に残っている歯形からも簡単に割り出せるんでしょうね。

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あとこの辺りで目に付いたのは煙草描写が多いこと。これももう最近は映画でもドラマでもめっきり見なくなりましたね。先生はいつも煙草をプカプカ吹かしています。

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岡田の死体喪失と倭文子の失踪

犯人の歯形を手に入れた先生は、亡くなった岡田が京都に土葬されたと聞き寺へ向かいます。お墓を暴いて歯形と比べようとするのですが、そこに遺体はありませんでした。このことから、死体が起き上がって犯行を犯しているとのことで、常川警部が「つまり吸血鬼というわけですな」と言ったところから、この原作である吸血鬼ってタイルになったんですね。

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明智先生が京都へ行っている間、倭文子が使用人の斉藤老人を殺してしまい、逃亡したとの知らせが…。この逃亡をそそのかしたのが三谷で、倭文子は庭の古井戸に隠れていました。この状況で倭文子がいなくなれば殺人を犯したから逃亡したんだってなりますからね。

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家を見張っている警官に見つからず外に逃亡するため、斉藤老人の入っていた棺を空にし、そこに倭文子と茂は入るのですが、よくそんなことできますね…。

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先生は天井裏の宝石を発見するとともに、そこでナイフのケースを見付け、天井裏から斉藤老人にナイフを投げつけたと推理。いやまあそうなんですけど正確無比なコントロールと威力ですね。三谷は何者なのか…。

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倭文子と茂火葬危機一髪

倭文子を逃がすために棺の中に入れてやった三谷ですが、一緒に霊柩車に乗れず、倭文子と茂は火葬の危機に…。ここは間一髪救助できました。回復途中に事情を聞くため先生は足繁く倭文子宅へ通います。ここで明智先生は倭文子の魔性の魅力の虜に…。

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先生は現れた三谷に対し、倭文子に求婚すると言い出すのですが、先生は社会的信用のある立場を強調し、三谷の職のないことを責めます。当然三谷は激怒し先生を殴るのですが、先生もカウンターパンチよろしくすぐさま殴り返すという…。いやでも先生それは三谷怒るよ。

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文代君謝罪へ行かされる

文代君はこの件の謝罪で三谷のアパートを訪ねるのですが、治療費として出したお金を「えー」と言いながらも受け取る三谷。この辺りキャラが出ています。

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明智先生犯人に辿り着く

先生は倭文子の過去に何か怨みを持たれているのではと思い、ゆかりのあった土地を回るのですが、そこで18歳の時に同棲していた男の話を聞き、その弟の写真を見せてもらったことで、犯人が三谷であることを突き止めました。ちなみに、無くなっていた岡田の死体は東北の藪の中から出てきたとのこと。

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三谷の目的は金でもなく復讐なのですが、その方法は本人や息子を殺すことではなく、芸術作品として氷漬けにすることでした。こんな変な犯人は今後一杯出てきます。

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先生が殴ったのはわざとだった

先生は少し前に三谷を殴ったのですが、それは歯医者に行かせて歯型を取るためだったことが最後に明かされていました。また、文代君がわざわざ治療費としてお金を渡したのも、無職でお金がない三谷に歯医者に行かせるためだったんですね。やるな先生。

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リアルすぎる氷の中の人形

氷漬けにされた倭文子と茂は明智先生達が寸前に入れ替えた蝋細工だったのですが、番組的にも時代的にもそんな精巧な蝋細工を作れるはずはなく、役者本人が人形役をやっているのですが、静止できていないためプルプル動くという…。さらには近影では本人が、遠景ではチープな人形がやっているため非常に雑な絵になっています。

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しかしこの特殊な状況(裸で母子が体を寄せ合っている形状など)をずいぶん前から予想し、文子と茂そっくりの蝋細工を発注し、運び、三谷が出ている1分程度の間に入れ替えるとは…。

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このような氷漬け系の極めつけは後にまた出てきますが、それはまたその時に。

 

犯人自殺

追い詰められた三谷は自ら首を切って自殺してしまいます。これも美女シリーズあるあるで、犯人に目の前でしょっちゅう自殺されてしまいます。

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三谷は兄と全く同じ首を切っての自殺という悲劇的な結末に…。先生にあれは蝋細工だぞと言われても信じていなかったのですが、首を切った後に倭文子が現れ、本当に自分の氷人間計画が失敗したことを悟り、敗北の中死んでいきました。いやあ悲しいですねえ。

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このような後味の悪い終わり方も美女シリーズの特徴で、めでたしめでたしで終わる話は記憶する限り1つしかありません。それもめでたし…なのか?と言った感じの微妙な物です。いわゆる愛憎劇をテーマにすることが多いのでハッピーエンドにはならないんですよね。

 

総評

これでも美女シリーズの中ではかなりまともなサスペンス劇で、突っ込みどころはメチャクチャ少ないです。また、お楽しみの入浴も全くなし。今後、突っ込みどころのある力業や入浴がどんどん出てきます。極めつけはパノラマ島なのですがそれはまた後の話。

 

しかし天知茂さんは存在感や迫力ありますね。雰囲気があるというかオーラがあるというかまとっている空気が明らかに回りと違います。また、文代君役の五十嵐めぐみさんも愛嬌があって可愛いです。今回限りの登場だった小林少年役の大和田獏さんも貴重です。ただ、なにか足りないと思ったら荒井注さんの浪越警部がいないことですね。全話見ていると荒井注さんがいないことに物凄く物足りなさを感じます。喜怒哀楽の表現がわかりやすくコミカルなので見ていて楽しく、番組の表現が豊になるんですよね。あとはやっぱり入浴シーンゼロも全話見た人間からすると美女シリーズでは特異です。

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まだ第1作目なので作風が定まっていないのですが、今後回を重ねるごとに方向性が定まっていくのもみどころです。そして行き着く究極系の美女シリーズはパノラマ島でしょう。

 

全25作ある2時間ドラマ(初期は1時間30分)なので、細かく記事を書いていくには時間が掛かるので、毎日というわけにはいかないのですが、ゆっくりと全話レビューしていきたいと思います。

 

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