ドラクエシリーズ最高傑作か「ドラゴンクエストXI ~過ぎ去りし時を求めて~」レビュー

特徴

シリーズの「新たなる原点」となる11番目の冒険が、今ここに始まる。

 

「ドラゴンクエスト」シリーズ11番目となる本編最新作は、シリーズの原点に立ち返り「勇者」の冒険を描いた物語。

 

PlayStation 4ならではの美しく広大なロトゼタシアの世界。息遣いまでも感じられるような、フィールドに生息するモンスターたち。“懐かしさ”と“新しさ”を兼ね備えた、シリーズの「新たなる原点」となる11番目の冒険、『ドラゴンクエストXI』がいまココに!

 

──そして、勇者は悪魔の子と呼ばれた

 

主人公であるあなたが16歳の誕生日をむかえる日。村のしきたりである成人の儀をおこなうため、幼なじみのエマとともに神の岩へと向かったが、とある出来事がきっかけで、自らが伝説の「勇者」の生まれ変わりであることを知ることになる。

 

「勇者」とは何なのか。

 

その答えを求めて、あなたは故郷を離れ、未知の世界へと旅立つ。しかし、若き勇者を待ち受けていたのは人々からの歓迎ではなく、“悪魔の子”と呼ばれ、追われる運命だった……。

 

長所と短所

  • ○最高のストーリー
  • ○仲間と一緒に旅をする感覚
  • ○暖かみのあるグラフィック
  • ○楽しくなる多彩なモーション
  • ○11作目にして最高傑作かというほどの完成度
  • ○たっぷり遊べるボリューム
  • ○期待値を上回る面白さ
  • ○真エンドでで点と点が線になる
  • △色違いのモンスターが多い
  • △走る速度が遅い
  • △ロード時間が気になる
  • ×一部メニューが辿り着きづらい

 

○長所/△人による/×気になるところ

 

はじめに

今回レビューするのは、スクウェア・エニックスさんのロールプレイングゲーム『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』です。

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

 

動画チェック

 

最高のストーリー

どうしても好みがあるので評価は人によって違うと思いますが、私はシリーズ史上最も話が面白いと感じたかもしれません。

 

第1作は1986年5月27日発売で30年以上前のことです。全てのシリーズのやったときの、その時の感動を覚えているかというと怪しいので、ハッキリ断言は出来ないのですが、こんなに話が面白いと思ったのはここ最近ではありません。

 

ペルソナ5も面白かったのですが、話とゲーム込みの「総合力の面白さだったように思います。しかし、今作のドラクエは話だけで面白いんです。後述しますが、システム面で多少気になる面はありました。しかしそれらは全て話の面白さで吹っ飛んでしまいます。

 

 

仲間と一緒に旅をする感覚

今作はドラクエらしい仲間と旅をする楽しさが帰って来ました。

 

9は仲間をお金で野党傭兵システムでした。10はネットゲームのMMORPGでした。8以来純粋に仲間と旅をするドラクエが帰って来たんです。私は長年これを待っていました。実にPS3以来の13年ぶりですよ…。

 

ひょんな事や運命かと思えるようなドラマチックなイベントで仲間と出会い、とある切っ掛けで一緒に旅をすることになる。そして、仲間と一緒に旅をし、世界中を巡り人々の問題を解決していく。その過程で仲間の歩んできた人生や、抱える問題が徐々に明らかになっていく。その問題を皆と一緒に解決する。そして絆が深まる。

 

このような往年のドラクエらしい仲間と旅をする楽しさ、仲間と一緒に冒険している感覚が物凄く自分にフィードバックしてきます。まるで自分が彼らと一緒に苦楽をともにしているような感覚になってしまいます。ドラクエをしているときはその世界に完全に入り込んでしまいました。小学生の頃なら、このようにゲームの中に入り込むのはわかるのですが、まさかいい大人になってこの感覚になるとは思いませんでした。ゲームを止めたときにハッと現実世界に戻ってくるんです。

 

このように仲間と一緒に旅をする感覚が物凄いので、全てのキャラへの思い入れが非常に強くなります。旧作の天空の花嫁では、フローラとビアンカのどちらと結婚するかで、大いに悩んだ方も多いと思います。ドラクエはこのように世界に入り込めることも魅力なのですが、今作も負けず劣らず世界に入り込めるゲームだと思います。

 

 

暖かみのあるグラフィック

グラフィックはただ実写に近いようにリアルに描写しただけではなく、どこか絵本のような、水彩画のような暖かみのあるタッチで描かれています。PS2の8もそうでした。3D描画になってドラクエってどうなるのだろうと不安になったものです。この時は3Dになってもドラクエの雰囲気を壊さずに世界観を構築したことに感心した記憶があります。

 

今作もPS4の高機能な描画能力で物凄く高精細なCGになっているのですが、ドラクエの世界観を壊さないどことなく可愛い要素がしっかりと入っています。

 

楽しくなる多彩なモーション

モーション(動き)の多彩さには驚きました。

 

モンスターを倒したとき、各モンスターは別個のモーションをします。コミカルな動きで倒れるモンスターもいれば、リアルにぐったり倒れる者、霧のように消えていく者。全てのモンスターのモーションが違うんです。

 

また、とあるイベントではプチャラオ村の村人全員が踊りを踊るのですが、この動きが滑らかすぎて気持ち悪い(褒め言葉)くらいでした。腰の滑らかなクネクネ感。腕のグニャッとした感じ。踊りの動きに合わせた顔の動き。小さい名も無き村人が踊っているだけなのですが、村人によって踊り方が違うので、これを眺めているだけで時間がたってしまいました。

 

さらに、ドラクエではお馴染みのふしぎな踊りでこちらの踊りを誘うモンスターが今作もいます。釣られてしまうとこちらも踊ってしまうのですが、なんとその踊りが全員違っていていました。カミュはイケメンのキャラらしく、マイケル・ジャクソンよろしくな踊りをしますし、ベロニカは可愛らしく踊ります。シルビアはどことなくコミカルで妖艶な感じ。更にこの踊りがとんでもなく滑らかで驚きました。

 

 

11作目にして最高傑作かというほどの完成度

大抵シリーズ物は、シリーズが進むにつれて面白くなくなっていきます。世界観がマンネリ化したり、焼き直しの感じがしたり、引き延ばしを感じたり、何よりその物語に慣れてしまうため新鮮味がなくなります。ところが、今作は11作目にもかかわらず、私は「もしかしたらドラクエで1番面白いかも…」とまで思ってしまいました。まさか自分でも、11作目にしてこの感覚になるとは思いませんでした。嬉しい誤算です。

 

たっぷり遊べるボリューム

私は真エンドまでクリアして111時間掛かりました。ドラクエ発売前の情報では、プレイ時間が50時間くらいと言われており、少しボリュームが少ないかなと不安に思ったのですが、そんな心配はよそにたっぷりと遊べました。

 

ふしぎな鍛冶やちいさなメダル集め、クエストなどやり込み要素があるので、どこまでやり込むかでプレイ時間は大きく変わるとは思いますが、50時間で真エンドまで見られる方は希だと思います。私の場合、クエストを全部やり、レベルを全員99まで上げ、不思議な鍛冶は中途半端な状態で111時間でした。

 

期待値を上回る面白さ

どうしてもドラクエというと期待値が高くなってしまいます。映画でもそうなのですが、大作だと謳われて100点を期待して見に行ってしまうと、例え90点の物凄く面白い映画でも、どうもいまいちだったような…なんて不思議な感覚になってしまうこともあるのではないでしょうか。

 

ドラクエも私は100点をついつい期待してしまいます。今作も発売日発表直後に興奮してAmazonで予約をし、今か今かと発売日を心待ちにしていました。こんな待ち遠しかったゲームは何年ぶりでしょうか…。ここまで期待値が高いと、どうしても前述したように絶賛することが出来なくなってしまうのですが、私の100点の期待値以上の面白さを提供してくれました。100点を期待して120点が出てきた感じです。

 

期待して期待通りに面白いこと、もしくは期待以上に面白いことは物凄く希ですが、その希な物が今作のドラクエでした。

 

真エンドでで点と点が線になる

1回目のエンディングは実質本当のエンディングではありません。1回目のエンディングでは謎がたっぷりと残っていますし、なによりサブタイトルの意味が分かるのはクリア後です。また過去作と繋がり側かるのもそうです。

 

一応、1回目のエンディングの後は立ち位置的にクリア後と表現するしかないのですが、実際はクリア後ではありません。完全に続きであり、1回目のラスボスは中ボスです。もし、1回目のエンディングで終わらせている方は絶対に続きをやってください。…とはいえ、1回目のエンディングであからさまに続けるように促しているので、ここで止める人はいないとは思いますが…。

 

真エンドを見ると、サブタイトルの意味や過去作との繋がり、これまで残っていた謎が綺麗に全て判明します。『この後のことは皆様のご想像にお任せします』的なアニメやゲームもあります。それはそれでその後のことを妄想して楽しい部分もあるのですが、今作のドラクエは完全無欠に全ての謎が判明、解決します。点と点が繋がって線になる様は見事としか言いようがありません。真エンドを見て比喩表現でもオーバーでもなく鳥肌が立ちました。

 

気になるところ

最後に使用してみて気になったところを挙げていきます。

 

色違いのモンスターが多い

ネタバレを避けるために詳しくは言及しませんが、色違いのモンスターが多いです。色が違うと強さが違うってRPGあるあるですね。残念ながら後半は目新しいモンスターは出てこず、色違いの物ばかりでした。手間暇の問題もあるので仕方がないのですが、もう少し種類が欲しかったかなと思います。

 

走る速度が遅い

広大な世界を移動するので、調整が難しいことはわかるのですが、ある条件下では移動が面倒だなと感じました。

 

例えば、村人の話を全て聞き終えており、あとはあそこへ行くだけ…なんてシーンです。村の入り口から1番奥へ行くだけでも結構な時間が掛かるので、少し面倒だなと感じる場面も…。

 

ロード時間が気になる

PS4版のみの要素なのですが、後半はロード時間が若干気になったかなと思います。

 

ディスクメディアである以上、ある程度は仕方ないのはわかりますが、後半世界をルーラーで縦横無尽に行ったり来たりする場合、数分に1回7,8秒のロードが起こることも…。短所とまでは言えないのですが、気にならないと言ったら嘘になります。

 

一部メニューが辿り着きづらい

一部頻繁に見るであろうメニューが、3階層、4階層と辿らなければならないため、使い勝手の悪さを若干感じました。

 

私の場合はクエストリストを良く見ました。どのクエストの依頼を受けていて、なにをすれば良いのかが書かれたリストなのですが、これを3階層ほど辿らなければならないため、若干億劫に感じました。PCのように、よく使うメニューはショートカットとして、1番上にいくつか登録出来れば便利なのになと思いました。

 

おわりに

真エンドをクリアし、111時間プレイし、全員をレベル99まで上げるほどどっぷりはまりました。システムの細かい気になる点は前述してきましたが、これら全てを吹っ飛ばすくらい話が面白すぎます。やはりRPGゲームは細々したシステムじゃないんです。お話の面白さなんです。

 

ドラクエの発売スパンは5年前後です。第1作から関わってきたシナリオ担当の堀井雄二さん(1954年生まれ:63歳)、音楽担当のすぎやまこういちさん(1931年生まれ:86歳)、キャラデザイン担当の鳥山明さん(1955年生まれ:62歳)と皆ご高齢なので、次回作の12に関わるかはわかりません。少なくともすぎやまこういちさんは今作で最後だと思われます。

 

このドラクエ御三家が揃うのが今作でおそらく最後だからなのでしょう。プレイしてもエンディングを見てもわかりますが、明らかにこれまでのドラクエシリーズの集大成的作品になっています。ドラクエ好きならばやって損はありません。

 

最初に書いたように、ドラクエ1の発売日はもう31年前なので、リアルタイムでプレイしていた方に中には、50歳を超えている方も珍しくないと思います。そうなると、「もうゲームなんて…」と思われている方、ゲームをやる時間がないという方、ゲームをやる根気がないという方などもいると思います。しかし、初期のドラクエをやって離れてしまった人ほど、今作のドラクエをやって欲しいと思います。

 

前述もしたように、ドラクエ御三家が揃うのが今作でおそらく最後なので、12はこれまでのドラクエと一変する可能性があります。今作はこれまでのドラクエの一旦の完結作と捉え、是非とも昔ドラクエにはまった方にやって欲しいと思います。

 

現在、ドラクエが終わってしまった事によるドラクエロスに陥っています。この喪失感は、映画やドラマ、アニメや映画でもごく希にあります。余りにも面白すぎる物語だと、もうその世界を楽しめないんだ、もう最初のような感動を味わえないんだといった虚無感が襲ってきます。これは、圧倒的に面白い作品でしか起こり得ないので、この自分の喪失感に気付き、「ああ、やっぱりドラクエって面白いんだ」と実感しています。

 

こんな人にお勧め

  • ドラクエ好きな人
  • 話が面白いゲームが好きな人

 

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