目次
あらすじ
1988年02月17日放送。
遂に響子さんと結ばれ、大学の卒業も決まり、就職先も決まり、あとは響子さんにプロポーズするだけ…なのですが、それが中々上手く行きません。一刻館住人に邪魔をされたり、遠回しに言って伝わらなかったり。
そんな中、娘が再婚しそうだと知った響子さんのお父さんが、相手の五代君を偵察に来たり、再婚を阻止しようとしたりと、邪魔をしに来ます。最初は頑なに再婚に反対していたお父さんですが、響子さんの気持ち、五代君の真剣さに折れ、遂には再婚を認めるようになります。そして五代君は響子さんにやっとプロポーズをするのでした。
全ての登場人物に心の整理が用意されている
めぞん一刻は、終わり方が素晴らしと言うレベルではなく、本当に完璧なのですが、その理由が今回の響子さんのお父さんの話で分かって頂けると思います。どう言うことかと言うと、全ての登場人物に心の整理が付く話があり、そして決着が付くんです。
三鷹さんは響子さんをすっぱり諦め明日菜さんと結婚しました。八神は響子さんの気持ちを知って、自分の想いでは対抗できないと悟り身を引きました。こずえちゃんは五代君ではなく、銀行員の先輩と結婚しました。そして今回、物語の初期から響子さんの再婚に大反対していたお父さんが遂に折れ、再婚を認めました。
このように、心にわだかまりを持っていた登場人物の気持ちに、きちんと整理を付ける話がちゃんとあるんです。これは観ている者にとってはありがたくて、「あれまだ未解決だよな…」なんて思うことがないんです。物凄くスッキリするんです。
両親がちゃんと出てくるラブコメの素晴らしさ
最終的にはラブストーリー物になりましたが、めぞん一刻は全体的に見ればラブコメと言うジャンルで間違いがないので、その方向で話を進めていきます。
昨今の漫画やアニメのラブコメだと、物によっては都合良く両親揃って海外出張だったり、さらには中高生が驚きの一人暮らし設定で、両親が一切出て来ないなんてのも良くあります。軽いラブコメで、めぞん一刻のように結婚まで話をやらないなら別にこれでも良いんですけどね。
しかしその点、このめぞん一刻は、両親をただ出すどころか、きちんとキャラクターとしても確立していますし、話にもしっかり絡んできます。そして両家の両親が揃って出てくるので、こういったリアルなラブコメでは、両親は必要だなと実感しました。話の深さ、物語の奥行きが断然違います。
また、響子さんの再婚にお父さんは断固反対なのに、お母さんの律子さんは物凄く喜ぶ、この対極の表現が面白いですね。男親と女親の感じ方の違いを簡潔に、そしてコミカルに描いています。
再婚に反対する理由はちゃんとあった
響子さんのお父さんは初期から再婚に大反対で、ずっと家にいればいいと言っていましたが、特にその理由も語られず、ただ単に親バカであり、娘を溺愛しているだけかと思っていたら、実はそうじゃなかったんですね。
響子さんが惣一郎さんと結婚して、その後惣一郎さんが亡くなり、とことん落ち込む響子さんを見ているので、「あのとき結婚に反対していれば響子はこんなに悲しむことはなかったのに…」との想いから、ここまで再婚に頑なに反対していたんです。その理由も明確に語られましたし、響子さんにもわかりました。響子さんは「いつも再婚に反対ばかりして鬱陶しいお父さん」との想いから確執もあったのですが、これで完全に氷解しました。
娘へのプロポーズを目撃するお父さん
響子さんのお父さんは、五代君が響子さんにプロポーズする瞬間を見ることになりましたが、これって物凄く貴重と言うか、普通あり得ないでき事ですよね。でもこれで響子さんのお父さんは、五代君の真剣な想いと、響子さんが本当に五代君を好きだと言う事を確信できたわけで、お父さんにとっては幸せだったのかも知れません。
何故か出て来なかった黒木さん
アニメだと前回の話になるのですが、保育園絡みの話で黒木さんが出て来なかったんですよね。原作漫画だと、バイト先の保育園の同僚に黒木さんがいて、黒木さんの結婚報告もあり、園長のぎっくり腰で就職が決まった瞬間に居合わせるのも黒木さんだったのですが、それが名もないモブキャラに変更されてしまいました。
こういう小さいとは言え、黒木さんとの絡みがあったからこそ、最後の結婚式の二次会で黒木さんが出てくるのも納得だったのですが、アニメでは大学の人形劇部から疎遠になって以来、全く接点が描かれていなかったので、少し違和感があるんですよね。
やっとこさプロポーズ
やっと今回、五代君は響子さんにプロポーズをしましたが、ここまで長かったあ…。響子さんと出会ってから、原作漫画時間で五年、アニメ時間で四年ですからね。
思い返せば初めの頃なんて、五代君は名前さえ覚えて貰えず、「浪人さん」と呼ばれていましたからね。五代君はしがない貧乏浪人。一方響子さんは、誰もが振り返る美人のお姉さん。まさに高嶺の花でした。まさかここから五代君が結婚まで持って行くとは…。
ちなみに、響子さんが家出して実家に帰った時に、実家のマンションの名前が、看板で高嶺ハイツと判明しましたが、今回そのマンションの看板が何故かなくなっていました。
あとはプロポーズの時に、響子さんを泣かせないようにすると、五代君が必死に言うのシーンがありませんでした。この必死な五代君はなんか好きだったんですけどね。この辺の話は、ストーリーの大筋は原作漫画にしっかりと沿っているのですが、結構な部分で台詞をカットしていたりします。
原作漫画では
あとは通過儀礼とエピローグ
遂に五代君が響子さんにプロポーズし、頑なに再婚に反対していた響子さんのお父さんが認めたことにより、本当の本当に障害が全くなくなりました。 あとは通過儀礼とエピローグのみです…。ああ…終わってしまう…。
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