目次
あらすじ
触れたものを凍らせたり雪や氷を作る魔法の力を持って生まれたアレンデール王国の王女・エルサ。彼女は8歳のある夜、妹のアナと魔法で遊んでいるときに、はしゃぎすぎたアナを助けようとして自分の力を制御できず、誤って魔法をアナの頭に当ててしまい、意識不明の状態にさせてしまう。
日増しに魔法の力が強くなっていくエルサは、魔法の力を世に知られぬよう城中の窓や戸や門を閉めて部屋に閉じこもり、魔法を制御するために誰とも触れ合わず自分を抑えて生きることを強いられる。一方アナは、なぜ突然大好きな姉が自分を避けるようになったのか理由もわからないまま閉ざされた城の中で寂しく成長する。その10年後、二人は両親を海難事故で亡くし、お互いだけが唯一の肉親となってしまう。
wikiのあらすじでたまにあることなのですが、ガッツリ最後までネタバレ満載でストーリーが書いてあるので、未見の人は観ない方が良いですね。
売れる意味がわかった…
先日の記事でアナと雪の女王の興業や評判が凄いらしいと書きましたが、自分でも観ましたのでその感想です。先日のその記事はこちら。(「アナと雪の女王」は面白いんだろうか?)
で、結論ですが面白かった…。正直話が大きくなりすぎているだろうにと思っていました。世間の流行に乗っているだけだけじゃないのか?とも思いました。スイマセン。私が間違っていました。映画として十二分に面白かったです。しかもこれは多分観客層が広いです。良く謳い文句で「大人から子供まで」「老若男女」なんて聞きますが、これは本当にそのお手本のような映画でした。
頭では分かっているんですよ。「売れるには理由がある」事を。でもどうしても心のどこかで捻くれた自分がいて、「本当かよ」と思ってしまうのもまた事実。見終わった感想は「こりゃ人気出るわ」でした。
テンポが良く無駄が無い
それでは私が何故面白いと思ったのかをダラダラ書いていきたいと思います。
まず物凄く話のテンポが良いんです。起承転結の「転」。これが素晴らしい。話がポンポン転がっていきます。一つのテーマや一つの場所でダラダラしません。悪い邦画の例で良くある、冗長な会話が延々と続くなんて事も無く、動きのある話がどんどん転がっていくんです。
言い方を変えてみれば、目を離す暇が無いと言うところでしょうか。それでいてついて行けないほどの急展開ではありません。「今何が起こっているのか」「これから何をしようとしているのか」。これが明確に描写され、丁寧に提示されるので、話に付いていけなくなることがないんです。これってターゲットが子供にまで及ぶ映画には、物凄く大事なことですよね。この話の転がし方や状況の説明は、感心するほど上手かったです。話の全てを把握できるんです。
今起こっていることが分かる。だから次はどうなるのか気になる。そして次の展開になったらまた話がどうなっているのか分かる。そしてまた次が気になる。話の連続性、見せ方、転がしかた。状況説明が素晴らしかったです。「あれ?じゃあ前のあのときのはなんだったんだ?」と、映画を観ている最中に、頭の中だけで映画を巻き戻すなんて、集中できなくなる作業が全くないんです。本当に「分かりやすい映画」なんです。
この話の転がし方の上手さは邦画がどうこうではなく、アメリカ映画以外では不可能な気がします。今まで長い年月を掛けて培ったノウハウの賜なのでしょうね。それにしてもアメリカ映画の中でも、この話の転がし方の上手さは頭一つ抜けている気がします。
ギャグも秀逸
所々に織り込まれるハリウッドならではのジョークも秀逸でした。
アメリカジョークは日本人には理解しづらいのですが、この映画ではアメリカジョークと言うより、誰にでも分かる分かりやすい普遍的な笑いを入れてきていたので楽しめました。
特にオラフが鼻の人参で鍵を開けたところには笑ってしまいました。
アナがひたすら可愛い
正直に言います。アナが無茶苦茶可愛くて仕方ありませんでした。
一応主人公はエルサ(雪の女王)とアナの2人とのことですが、映画を見た感じ明らかに主人公はアナですよね。アナの冒険活劇と言って良いのかも知れません。で、そのアナの表情、仕草、性格が無茶苦茶可愛かったです…。もうCGアニメであそこまで表情の豊かさや微妙な表情を自由自在に操れるんですね。
ちなみにこの映画の登場人物の表情、仕草は実にアメリカ人っぽいオーバーな物でした。これは悪いと言っている訳ではなく、アニメは実写より多少大袈裟にしないと、感情や動きが伝わりづらいのでこれで良いんでしょう。それにしても表情の変化なんかは実にアメリカンでした。
そして何より驚いたのが、このアナの声優が神田沙也加だったことです。神田正輝と松田聖子の娘さんです。私は吹替でも観たのですが、声がキャラと合っていましたし、演技も全く違和感なく、映画が終わって調べるまで、あの神田沙也加だと思いもしませんでした。本職の声優かもとさえ思っていました。これは意外な才能の発見かも。
ミュージカル映画だった
実はこの映画はミュージカル映画でした。
コテコテのミュージカル映画に比べれば、ミュージカル成分は随分低いとは思いますが、それでも劇中突然歌を歌って、感情や状況説明をするので、ジャンルとしてはミュージカル映画で良いと思います。
ミュージカルって嫌いな人はとことん嫌いなんですよね。大体そういう人は、食わず嫌いならぬ、見ず嫌いだとは思うのですが、個人の好みを強制しても仕方がありませんので、この辺は仕方が無いでしょう。ミュージカルが苦手な人は、一発でこの映画は守備範囲外でしょうね。
実は私も以前はミュージカルをまともに見たこともないのに、「ミュージカル?フッ」と鼻で笑っていました。しかしあるとき突然ハロプロにはまりまして…。モーニング娘。のミュージカルを観に行ったら凄く面白かったんです。「アイドルのミュージカルかよ」と突っ込まれるかも知れませんが、一つ偏見を取り除いてくれて、新たな娯楽を知ったので感謝しています。その後、何回も他のミュージカルを見ましたが、やはり実際に見てみると面白いんですよね。
今回この映画が社会現象になるほど日本でヒットしたので、ミュージカルに抵抗が無い層が一気に増えたかも知れませんね。
冒険活劇映画とも取れる
ディズニーであり、主人公が2人の姉妹であり、立場が王女様とのことで、観ていない人にとっては、これは恋愛映画だと思うかも知れませんね。ですがこの映画を観たところ、冒険活劇の要素も十分強いと感じました。
これはおそらくその人が「何を好きか」「どこを観るか」で変わってくるんでしょうね。私は冒険活劇映画と言っても差し支えない映画だと思いましたが、観る人によってはこれは完全に恋愛映画だと言う人もいるでしょう。また、いやいやこれは姉妹愛の映画だよと言う人もいるでしょう。
その人がどういう映画が好きか、どの部分を重点的に注目するかで、受け取り方はいくつかにわかれると思います。これはこの映画の包容力とでも言うのか、どのジャンルの映画好きが観ても、そのジャンルの映画として十分成り立っている、一つ一つの話の上手さ、質の高さ、構成の上手さなんでしょうね。
この映画がつまらないと言っている人
この映画をつまらないと言っている人が少なからずいるようですが、一応その感覚もわかります。私も100点満点で100点という訳では無いので、例えば私の場合-10点だったところが、その人には-70点だったりするのでしょう。
特に著名人が駄作とか言ってるのも聞きました。映画の好みは本当に千差万別なので、つまらないと言う方の意見は尊重しますし、否定する気はさらさら無いのですが、ある程度映画を好きで観ている人なら、どこかしらに面白さを見出せるのではないかなと思うんですよね。全く面白くない。駄作。0点ってのはちょっと極端すぎやしないかなと少し思います。
レリゴー
CMでMay.Jが歌うテーマ曲が、レリゴーレリゴーと嫌がらせのように流れて、嫌気が差したのもあるのですが、私は松たか子が歌うレット・イット・ゴーの方が、変なコブシや自己主張、癖が無くて好きです。
こんな人にお勧め
- ディズニー映画が好きな人
- ミュージカルが好きな人
観て良かった
ここまで社会現象になったものの、ディズニー映画を積極的に観る方では無いので、もしかしたらスルーしていたかも知れません。話の種に一応観ておくかと、気楽な感じで観てみて良かったです。
社会現象になると言うことは、それだけ多くの人が観たと言うことです。多くの人が観れば、当然面白いと言う意見も、つまらないという意見も数多く出てきます。そして得てしてそういうときに声が大きい、ピックアップされがちな声と言うのは、批判的な意見、反対派の意見です。
こ れは映画だけに限らず、政治や思想でもそうです。異を唱える意見の方は、自ら何かしら行動をしないと、肯定的な意見に埋もれてしまい、あたかも反対派がい ないようになってしまうので、行動をするしかないという事もあります。なので、そういった周りの意見に流されず、自分が観たいと少しでも思うなら観ること をお勧めします。
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