「ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム/スクウェア・エニックス」レビュー ~ゲーム性は少なくなったが没入感は相変わらず満点~ 評価はまだありません

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今回レビューするのは、スクウェア・エニックスさんのゲーム『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』です。

 

前作の『ライフ イズ ストレンジ』が素晴らしかったので、続編のこの『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』も悩まず購入しました。前日譚はあまり好きではありませんが…。

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

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ちなみに、前作『ライフ イズ ストレンジ』のレビューは下記で記事にしています。

 

 

特徴

『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』は、プレイヤーの選択によって物語の内容が変化するアドベンチャーゲームです。主人公は16歳の不良少女クロエ。父親を亡くし、世の中のすべてに嫌気がさしている彼女と、同級生レイチェル・アンバーとの切ない青春の物語が、オレゴン州の田舎町を舞台に展開します。

 

本作は、英国アカデミー賞や日本ゲーム大賞などで受賞を果たし、世界中で好評を博している『ライフ イズ ストレンジ』の前日譚です。高く評価された物語性や作風を引き継ぎ、誰もが共感できる等身大の16歳の視点で、現代社会が抱える問題や生きることの難しさを描き出します。

 

プレイヤーはクロエを操作し、まわりの人々との人間関係を築いていくなかで、数々の選択を迫られることになります。時には「バックトーク」と呼ばれる論戦を仕掛け、自分に有利になるよう会話を運ぶことも可能です。ただし、今は良さそうに思える選択が、後々良い結果をもたらすとは限りません……。

 

長所と短所

  • ○ライフ イズ ストレンジの前日譚が楽しめる
  • ○体験型海外ドラマの没入感は相変わらず
  • ○光の使い方が素晴らしく景色が綺麗
  • ○人間関係構築ゲームが面白い
  • △ゲーム性はあまりない
  • △ストーリー分岐が乏しい
  • ×エピソードが3つで短い

 

 

あらすじ

『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』は、プレイヤーの選択によって物語の内容が変化するアドベンチャーゲームです。主人公は16歳の不良少女クロエ。父親を亡くし、世の中のすべてに嫌気がさしている彼女と、同級生レイチェル・アンバーとの切ない青春の物語が、オレゴン州の田舎町を舞台に展開します。

本作は、英国アカデミー賞や日本ゲーム大賞などで受賞を果たし、世界中で好評を博している『ライフ イズ ストレンジ』の前日譚です。高く評価された物語性や作風を引き継ぎ、誰もが共感できる等身大の16歳の視点で、現代社会が抱える問題や生きることの難しさを描き出します。

プレイヤーはクロエを操作し、まわりの人々との人間関係を築いていくなかで、数々の選択を迫られることになります。時には「バックトーク」と呼ばれる論戦を仕掛け、自分に有利になるよう会話を運ぶことも可能です。ただし、今は良さそうに思える選択が、後々良い結果をもたらすとは限りません……。

 

動画

 

使用した感想

○ライフ イズ ストレンジの前日譚が楽しめる

このライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストームは、前作ライフ イズ ストレンジの続編ですが、時間軸的には前日譚となります。

 

ライフ イズ ストレンジは、離ればなれになった幼なじみのマックスが街に帰ってきて、クロエとともに友情を再び育み、行方不明になったクロエの親友のレイチェルを探す…との話でした。今回は、クロエが主人公となり、どうやってレイチェルと出会い、親友になっていったのか…が描かれた話です。

 

前日譚の良いところは、それまで話に出てきただけの設定上の物語を、実際に詳しく知ることができることです。その世界観を面白いと思えば思うほど、このような前日譚は裏話を見られるような面白さがあります。逆に冷めてしまう要因としては、前日譚で出てくる主人公や登場人物の『その後どうなるか』は全て分かっているわけです。このライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストームだと、クロエやレイチェルがこの後どうなるのか、その他の登場人物もどのようになっていくのか…。全てが決まっているので、ここでちょっと面白さというか、意外性を出してくるのは難しい造りになる思います。

 

実際私も、どんなにクロエが頑張っても、レイチェルが足掻いても、結局はああなるしな…と、少し斜に構える感情になってしまうことは否定できません。それでも面白く、興味深く、どっぷりはまりましたけどね。

 

○体験型海外ドラマの没入感は相変わらず

前作でもそうでしたが、このライフ イズ ストレンジシリーズは、端的に表すと、『海外ドラマ体験型ゲーム』です。何故かと言うと、この後詳しく書きますが、選択肢によるストーリー分岐が乏しく、結末は小さい枠の中に収まってしまうので、ゲーム性という面ではいまいちなんです。しかし、描写や会話、小道具を調べた際の説明などが詳細で、その世界の中に入っている感が凄いんです。

 

主人公はアメリカの田舎町の女子高生です。男性の私が感情移入できるわけないと思っていたのですが、前作ではびっくりするくらいこの世界の中に入り込んでしまいました。また、今作でもそれは健在で、数多くある選択肢が自分で世界を作っている感が出て、没入度は半端じゃないです。

 

海外ドラマやハリウッド映画で、アメリカの高校の話、田舎を舞台にした話はよくありますよね。あの世界に自分が入ってしまえるゲームです。海外ドラマが好きなな方は填まれる要素アリです。良質なアメリカの田舎高校の生活を体験したいならお勧めします。

 

ちなみに、テーマとして取り上げられているのは、日本でも有名なアメリカのスクルールカーストです。スクルールカーストによる問題点や、そこから来る学校内の格差が色濃く出ているゲームです。

 

例えば、スクールカースト上位のジョックやクイーンビーはやりたい放題です。まさに学校の王様、女王様です。そして、そこに群がる滑稽なサイドキックス、虐められるギーク、はみ出たフローター。クイーンビーにも隠れた悩みがあったり、取り巻きのサイドキックスも別にクイーンビーを好きなわけではなくいやいややっていたり…。スクルールカーストの表面からだけではわからない人間ドラマも大きなテーマになっています。この辺りの複雑な立場や人間関係も、ドラマ性を豊かにしています。

 

○光の使い方が素晴らしく景色が綺麗

グラフィックはお世辞にも良いとは言えません。ポリゴンの角張った感じが出ちゃっています。厳しく評価するとPS2の終盤くらいかも…って感じです。しかし、プレイしているとこれが超リアルに見えてくるんです。その1つの要因が光の美しさだと思います。

 

朝日、夕日、部屋に差し込む光、木漏れ日。これらの光の具合や強さ色合い、ボケ具合が無茶苦茶良いんです。このCGの景色だけでも見る価値があると私は思っています。アメリカの田舎風景は実際に見たことがありませんが、ただリアルなだけではなく、幻想的な雰囲気込みで素晴らしいです。

 

○人間関係構築ゲームが面白い

没入感が得られる要因としては、自分が選ぶ選択肢によって、人間関係が細かく変わることが挙げられると思います。

 

選択肢は本当に無数に出てきます。ほとんどの場合、本筋のストーリーに大きな影響は及ぼしません。エンディングもいくつかに収束します。ではなにが変わるのかと言うと、終わりまでの間の枝葉の話や人間関係が変わるんです。

 

特にユニークなのが、人間関係が本当に細かく変わることです。前作でもそうでしたが、今作もそれは健在で、例えばビクトリアに意地悪を続けると、どんどん気泣くになっていき、イベントも変わりますし、話しかけても険悪なことが分かる態度を取られます。しかし、意地悪をしないとイベントが変わるのは勿論、会話もとげとげしくなくなるんです。これは、登場順ブツ全てでそうです。主要登場キャラ数人だけは、このように選択肢が影響し、好感度が変わるなんてゲームは珍しくありません。しかし、ライフ イズ ストレンジは脇役の登場人物まで全て、選択肢による関係性の変化があるんです。

 

ゲームの中に人間関係は、まさにユーザーの選択肢が作っていくことになります。ゲームの世界を自分が作っている感が凄く、結果没入感が高くなるんです。

 

△ゲーム性はあまりない

選択肢は無数に出てくるのですが、ストーリーはそれほど分岐しませんし、エンディングはいくつかに収束します。いまゆるマルチエンディングのAVGとも言えないくらいゲーム性は乏しいです。マルチエンディングのゲームを期待するとガッカリするかもしれません。

 

前作でゲーム性を出していたのは、主人公マックスの巻き戻し能力でした。基本的に数分だけ巻き戻せる能力があるので、選択肢の結果を見てから正しい選択肢を選んだり、ある失敗をやり直すために時間を巻き戻したり…。しかし、今作は普通の人であるクロエが主人公なのでこれはできません。では、なにでゲーム性を出しているのかと言うと、『バックトーク』と言う口げんかのシステムです。

 

重要な選択肢の場合、バックトークと言う物が始まり、口げんかで勝つと良い方向に、負けると悪い方向に行くようになっています。これが前作の巻き戻し能力の代わりですね。ただ、巻き戻し能力とは違い、インパクトのある面白い能力、システムではないので、やはりどうしても前作に比べてゲーム性は乏しくなってしまっています。

 

×エピソードが3つで短い

最も残念なのは、エピソードが3つと短いことです。それでいてお値段は前作と同じく3500円ほどです。ボリュームダウン感は否めません。ただ、一応購入者特典としてダウンロードコンテンツがありますがあります。このDLCのストーリーはクロエとマックスが別れたときの話です。プレイ時間は90分と短めなのでミニエピソードですね。本編とは関係ないので、私は先にDLCをプレイしました。

 

私の場合、急ぎすぎずに普通にプレイして、1エピソードの長さは3時間前後でした。3エピソードで10時間くらいですかね。それにDLコンテンツで90分なので、プレイ時間は概ね10~12時間と言ったところでしょうか。

 

前作は5エピソードだったので、やはりボリュームダウン感は否めません。ローカライズの問題があるので、もっと日本での発売は先になると思っていたのですが、速攻出してくれたことは有り難いんですけどね。

 

エンディングは…

ここからはネタバレが含まれますので、未プレイの方は飛ばしてください。

 

ラストはやっぱり2つのエンディングに収束しましたね。予想はしていました。前作もそうでしたからね。選択肢は無数に出てきますが、変わるのは途中の枝葉の話や人間関係、会話時の反応などで、最後は2つの終わり方のどちらか究極の選択をする。ライフ イズ ストレンジはこうなんですよね。個人的な意見を好みを書けば、もうすこし多岐にわたった終わり方があると、途中の選択肢を選ぶ楽しみや、緊張感が出るんですけどね。まあ、こういうゲー怒田ってわかって購入したので良いのですが…。

 

それにしても今回も究極の選択でした。レイチェルに父親が酷い人間だと真実を知らせ、家庭崩壊の選択をするか、真実を隠して偽りの家庭を守ってやるか…ですからね。果たしてレイチェルにとってはどちらが良いのか究極の選択でした。真実を知らせるべきなのか、虚像の父親でもその存在に守られていた方が良いのか…。

 

また、レイチェルに真実を話すと、レイチェルの家庭は崩壊しますが、実の母セラに会うことはできました。逆に真実を知らせないと、世良には会えず。レイチェルにとってはやっぱり母親と会った方が新エンディングなんですかね。

 

真実を隠した選択肢の時、クロエの苦しそうな表情が印象的でした。

 

ちなみに、本当の最後のシーンは、レイチェルが殺されたあの日、おそらくクロエから掛かってきているであろうレイチェルの電話に誰も出ず、その向こうで写真を撮られているであろうシーンで終わりました。前日譚だけに、レイチェルがどうなるのか分かっているのも辛い。

 

でもきっと、少ない時間でもクロエと言う大親友と出会って、一緒に過ごした時間は楽しかったはず。

 

これでネタバレは終了です。

 

総評

やはり海外ドラマを自ら体験できるその没入感は素晴らしいです。特に、アメリカの田舎、高校生活を本当に疑似体験しているような、それくらいの没入感が得られました。男性の私でこれですから、女性はもっと凄まじい没入感、感情移入できるんだろうなあ…。

 

海外ドラマが好きな人。アメリカの田舎が好きな人。アメリカの高校生活が好きな人。この要素がある人はおそらくドはまりするレベルです。価格も安いので是非やってみてください。これは超絶お勧めです。

 

こんな人にお勧め

  • 海外ドラマが好きな人
  • アメリカの田舎生活に興味がある人
  • アメリカの高校生活に興味がある人
  • 短時間で遊べるゲームが欲しい人

 

  • ゲーム性がある物が好きな人
  • ストーリーやエンディングが多彩に変化数るゲームが好きな人
  • 長時間遊べるゲームが好きな人

 

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