今回レビューするのは、めぞん一刻の第16話です。
思うところがあり、今回アニメ全話レビューの大幅な加筆修正に着手します。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。
目次
あらすじ
テニススクールで足首を捻挫してしまった響子さん。三鷹さんはこれを理由に一刻館へ上がり込み、なにかにつけて響子さんの部屋に来るようになります。響子さんを心配し、ライバルの火花を散らす五代君。五代君や三鷹さん、一刻館の住人は良かれと思って色々と世話をするのですが…。
みどころ
- 響子さんの胸が見える
- 良かれと思って世話をする住人と断れない響子さん
初登場人物
- なし
感想
嫌な予感がする五代君
サブタイトル前にはアニオリで五代君と坂本の学食での姿が描かれていました。箸を折ってしまう五代君に対し、箸が折れるとは嫌な予感がすると坂本。
大学から帰る途中には学内で黒木さんに看板を落とされ当たりそうになり、大学を出てからは道路で100円玉を拾おうとした瞬間、トラックから鉄骨が落ちてきて…。いやな予感どころか下手したら死んでしまうような…。
この嫌な予感は、このあと響子さんが怪我をすることと、それに乗じて三鷹さんが響子さんに接近することでしょう。五代君にとってはどちらも嫌なことです。
テニスで怪我をする響子さん
めぞん一刻はその名の通り、一刻館を舞台に話が進むのですが、その他に出てくる主な外の世界はスナック茶々丸、大学、そしてテニススクールです。後半は八神の高校などが出てくるのですが、それは一旦置いておきます。大学も漫画だとアニメほど出ていないので、このテニススクールの舞台はライバルの三鷹さんがいるので重要です。
今回はこのテニススクールに通う響子さんが三鷹さんとの試合中(練習中?)に足を捻って怪我をしてしまうことから本編の話は始まります。
三鷹さんは「受けにくい弾を撃ってしまって申し訳ありません」と言うのですが、思い切りスマッシュしていたような…。
これ見よがしに接近する三鷹さん
三鷹さんは捻挫した響子さんを病院に連れて行ったあと、一刻館に送っていったようで、初めて一刻館に上がり、響子さんの部屋まで来ていました、三鷹さんはアニメだとこのあとのコスプレ回でも一刻館に入るのですが、漫画だとこの1回限りでした。アニメでもコスプレ回を含めてもたった2回だけなので、『一刻館にいる三鷹さん』の絵面は非常に貴重です。
響子さんは着替えて布団に入っていましたが、響子さんらしいと言うか、当時でもこんな和服を着ている人はあまりいなかったと思います。響子さんが当時から見ても古い女性です。
三鷹さんは『自分のせいだ』と自責する振りをして、実は単に響子さんを世話をする、会う口実が欲しいだけです。自分のせいだから責任を取って世話しますと言えば、響子さんは罪悪感にさいなまれる三鷹さんを断れないと、そこまで読んでのことだと思います。響子さんは自分のせいだと何回も言う三鷹さんに引いていましたからね。
三鷹さんはこれが露骨で、テニスコートから病院へ行くまでに車へ響子さんを運ぶ際もお姫様抱っこ。部屋で着替えた響子さんを目の前の布団まで運ぶのもお姫様抱っこでわざわざ遠回りしていました。
このことをわかりやすくする突っ込み役としてその場に一の瀬さんと賢太郎がいました。賢太郎が「なんでそんなことするの?」と問い、一の瀬さんが間接的にわざとだよと言う。これで視聴者は三鷹さんの露骨なやり方がわかりやすくなりました。
僕のせいだと言い出す五代君
冒頭、アニオリで坂本との会話で嫌な予感がするとの話がありましたが、これがこのときに続いて出てきて、箸を折ってしまった自分が悪い。あの嫌な予感はこれだったんだとなぜか自分を責める五代君。
三鷹さんも自分のせいだと言い、五代君も自分のせいだと言う不思議な状況に…。漫画ではこんな話はなく、ただ単に響子さんを心配して色々世話をするのですが、それでは五代君がそこまで心配するのは動機が弱いと思ったのでしょうか。
ちなみに、響子さんは2日ほど安静にしていなければならないようです。ここは漫画も同じでした。先ほど三鷹さんが医者に連れて行ったのでそう診断されたのでしょう。軽い捻挫ですね。正直、横になるほどではありません。
良かれと思って世話をする住人と断れない響子さん
翌日から五代君や三鷹さん、その他一刻館住人により過剰な世話が始まります。それぞれが話あって皆で世話をするわけではなく、個人個人で勝手に世話をするので、響子さんにとっては非常に厄介な事態になっていきます。
それぞれが勝手に直示を持っていった結果、響子さんはお腹がパンパンに…。朝食と昼食まではまともでした。しかし、夕食の四谷さんのたこ焼き、朱美さんの鯛焼き、そして五代君のラーメンでノックアウト。
- 【一の瀬さん】朝食
- 【三鷹さん】昼食(フランスパン2切れ、シチュー、サラダ)
- 【四谷さん】夕食(たこ焼き)
- 【朱美さん】夕食(鯛焼き)
- 【五代君】夕食(ラーメン)
皆は善意でやってくれていることなので響子さんは断れず。漫画では冷や汗をかきながら食べている様子だけでしたが、アニメでは追加でなんとか遠回しに断ろうとしても断れないシーンや、話を逸らそうとしているシーンがありました。
三鷹さんは今回のことで料理も得意なことが分かりました。女癖が悪いところを除けばほぼ完璧です。
- 顔が良い
- スポーツ万能
- テニススクールコーチ
- 金持ち
- 銀行一家
- 料理が得意
五代君は響子さんが食べたあとの残りのスープを飲んでおり…。アニオリですが立派な変態です。
今回の林原めぐみ
今回の林原めぐみさんは、五代君がスーパーで響子さんに作るラーメンの材料をレジで買うところで対応していたレジ店員です。名前もないモブキャラでした。
また、このスーパーのあと、アニオリで五代君の白昼夢から電柱に激突の黄金パターンがありました。
無理して食べていたことを知る
自分の作ったラーメンを完食してもらって喜んでいた五代君ですが、翌朝顔を会わせた四谷さんと朱美さんに機能のことを聞き、響子さんが無理して食べていたことを知ります。そこで五代君は整腸剤を手に慌てて響子さんの部屋へノックもせず入るのですが…。
お風呂には入れない響子さんは丁度体をお湯で拭いているときでした。偶然響子さんの上半身裸の状態を見てしまった五代君は凝固。しかし、響子さんも鍵を掛ければ良いのに…。
作者の高橋留美子さんはうる星やつらでも、このめぞん一刻でも、そのあとのらんま1/2でもヒロインの胸を乳首込みで描いちゃいます。胸の話で申し訳ないのですが、真面目にこの辺りも作家性て出ていると思います。
男性の漫画家の場合、脇役の胸は出してもヒロインは出さない場合がほとんどだと思います。そこに男性ならではの女性への神聖化があったり、男性読者はヒロインの胸が描かれるのを好まないだろうと思っていたり…。しかし、高橋留美子さんは女性なので、その辺の間隔は男性の漫画家や読者とは少し違うのだと思います。ごく当たり前にある体のパーツの一部なんだろうな…と。
初めてめぞん一刻やらんま1/2を呼んだ頃は中学、高校くらいだったので、ヒロインが乳首を出すなんてと驚いた記憶があります。そこはどの漫画も死守するものだと思っていました。
本来決定的に嫌われてもおかしくないイベントですが、部屋に転がった五代君が持ってきた整腸剤を見て、五代君が食べすぎていることを知って心配してくれたんだと理解した響子さんは、その後五代君と喧嘩になることもありませんでした。この整腸剤がなければまた長いこと揉めたのでしょうね。
五代君と三鷹さんのライバル対決
その後、三鷹さんもお見舞いと称して管理人室に上がり込み料理を作りに来ます。しかし、食べすぎなのでもう響子さんは食べられません。そこで、少しでも長くその場に居たい三鷹さんは五代君に食べるようにと勧めます。
このときの三鷹さんを見ても、一刻館に上がり、管理人室に入るのはよほどの理由がないと無理です。その点、五代君はちょっとした理由があれば数十秒で管理人室へ行けます。この差は大きいです。
管理人室で響子さん、五代君、三鷹さん3人での不思議な食事風景。作中もそうですが、今後こんな機会は2度とないでしょう。
三鷹さんの料理はどうせたいしたことないと思う五代君ですが、ひとくち食べたら美味しいことがわかり認めていました。素直です。
響子さんは他意なく、三鷹さんは料理が上手だから、お嫁さんになる人は幸せだろうなと言うのですが、この状況で自分を争っている2人にこんなことを言ったら…。五代君と三鷹さんはお互いにライバル視しまくりで、その後の響子さんの「一般論ですから」戸の言葉が全く耳に入っていませんでした。
原作漫画では
総評
三鷹さんが海に遊びに行った回以来久々に登場した回でした。そして、なんと言ってもヒロインの乳首が描かれる個人的には衝撃の回です。初めてめぞん一刻を読んだとき、『ヒロインの乳首を描くってありなのか!』と真面目にビックリしました。
『三鷹さんはよほどの理由がないと一刻館へ入れない』のは大きなハンデです。五代君がノックもせずに管理人室に入ったのはいただけませんが、三鷹さんにはどうやってもこの手のイベントは起こりません。
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