目次
長所と短所
- ○ちょうどいい温さ
- ○暇つぶしに最高
- ×本当に面白い2時間ドラマは希
はじめに
日本の2時間ドラマに1年ほど前から填まりました。それ以前も見る物が無いときはパソコン作業の傍ら、テレビ画面に映すことはあったのですが、そんなことを続けているうちに2時間ドラマの魅力に気付いて填まってしまいました。そこで今回は2時間ドラマの何が良いのかを書いていきたいと思います。
2時間ドラマは60点
2時間ドラマは100点満点で採点すると概ね60点です。面白くても70点ってところでしょう。そして悪くても40点くらい。何故悪くても40点かは後述します。
一般的に映画やドラマが60点となるとつまらない方ですよね。ところがこれが2時間ドラマとなると長所へと変貌するんです。どういうことかというと、例えば90点の映画があるとしましょう。これを何か用事があって15分遅れた場合、途中から見始める気になるでしょうか。私はなりません。面白いのだからきちんと最初から最後まで集中して見たいですから。一方、60点の2時間ドラマなら途中からでも見る気になります。何故か。『どうせ60点』なのですから。これは本心で悪口でも馬鹿にもしていません。こうやって気楽に見られるのが2時間ドラマ最大の魅力なんです。
集中して見るほどの面白さでもないので、パソコンで作業している最中の傍らや、家事をしながら流し見なんて用途に最適です。何故か。『どうせ60点』なので見逃したところで別に痛くも痒くもなければ、損したとも思わないからです。…本当に悪口じゃなく褒めてますよ。
勿論、60点のドラマなのでわざわざ時間を取って集中して見るほどの物ではありません。そのように期待したりガッツリ集中する場合には、この60点が当然マイナスポイントになるでしょう。ところがこれまで述べてきたように、暇潰しだったり、何かしながらのながら見だったり、ボーッと見る分にはこの60点の温さが実に気楽なんです。
ちょうど良い複雑さ
面白さが60点であることは前述しましたが、内容の複雑さもちょうどいい案配なんです。
途中から見たり、ながら見しても理解できる程度の人間関係や殺人の動機です。ずっと集中して画面を見て、小道具ひとつに伏線があり、それがあとから繋がってなるほどなんて複雑さはありませんし、2時間ドラマではいらないんです。例え謎や伏線を見逃したとしても、「まあいっか、別にそんなこだわって見ているわけではないし」となるのが2時間ドラマであり、気楽さなんです。これが非常に心地良い。
悪くても40点
この2時間ドラマというジャンルは概ね60点と書きましたが、高くて70点、低くて40点くらいだと思います。上の70点は面白いドラマならどんどん加点されるのでは当たり前として、何故下は40点止まりなのか、もっと下は何故無いのか。それは2時間ドラマのテンプレが完全に完成しているからだと思います。
起承転結、登場人物、舞台設定、キャラ設定。これまでの長い歴史と数え切れない作品数で培ってきたノウハウが完全に完成している感じがします。例えば登場人物を見ると、小林稔侍、船越英一郎、東ちづる、森口瑤子(敬称略)など、2時間ドラマ専属とも言える俳優たちが確立されています。また、舞台設定を見ると地方色が強く、観光名所が出てきたり、温泉宿なんかが定番です。キャラ設定を見ると、刑事、探偵は勿論、宿の若女将や弁護士なんかも定番でしょう。これら確立されたパーツを組み合わせることで、簡単と言うのは作っている方には失礼なのですが、ある程度のクオリティが約束された2時間ドラマが上出上がるのだと思います。
例えるなら、ある程度でき上がったパーツをそれぞれ選んで組み上げていくプラモデルのような感じ。余程下手な組み方をしなければ格好が付く形になりますよね。ゼロから作るわけではないので品質にばらつきがなく平均的になるんです。ただ、このデメリットとしては、これまで挙げてきた例のようにどこか似た話が多く、奇抜なドラマというのは生まれづらい土壌になっていると思います。まあ何事も全てを望むのは不可能なので、そういったジャンルだということで納得できるでしょう。
好きな2時間ドラマ
2時間ドラマ好きの先達には敵いませんが、私なりに好きな2時間ドラマを少し挙げていきたいと思います。
税務調査官・窓際太郎の事件簿
これはもう鉄板でしょう。前述した例だと70点の2時間ドラマ。もしかしたらそれ以上かも。普通に面白い良くできたドラマです。長期シリーズになるのも頷けます。ただ、主演の小林稔侍さんがお年なのでシリーズ物としてどうなるのか…。二代目窓辺太郎はあるのでしょうか。
浅見光彦シリーズ
これも鉄板ですね。こちらも70点かそれ以上に面白い2時間ドラマ。速水もこみち版は馴染めませんが…。個人的には沢村一樹版が一番しっくりきます。知性とお約束の兄が警視総監だと知られたときのコミカルさのバランスが良い感じ。
赤い霊柩車
これも非常に面白い2時間ドラマ。片平なぎささんが出演する2時間ドラマはどれも平均以上に面白い印象。お葬式から見え隠れする人間関係が興味をそそります。ちなみに、原作者の山村美紗さんの娘・山村紅葉さんは若いとき細くてビックリ。普通に可愛いかも…。
信濃のコロンボ事件ファイル
中村梅雀版の信濃のコロンボしか見たことがありませんがこれも好きです。中村梅雀さんが良い味を出しています。中村梅雀さんを知ったのは、車の運転免許更新時に見せられるビデオでした。
温泉若おかみの殺人推理
東ちづるさん主演の2時間ドラマ。温泉宿、そして若女将は2時間ドラマの鉄板ですが親和性が高いのか、この設定での外れは少ない印象。
北アルプス山岳救助隊・紫門一鬼
これは地味に好きな2時間ドラマです。高嶋政宏さん主演の山男の救助隊の話。2時間ドラマは都会を舞台にするより、観光名所や地方、山などを舞台にする物が多いです。馴染みの薄い山岳救助隊を通した殺人事件がテーマで一風変わっていて面白い。
外科医鳩村周五郎
2時間ドラマの帝王こと船越英一郎さんのドラマ。船越英一郎さんのドラマも外れが少ない印象。外れが少ないからこそ各局に引っ張りだこなのでしょうね。
十津川警部シリーズ
西村京太郎小説原作は2時間ドラマの鉄板ですね。電車に詳しくないので全ての面白さは分かっていない気がするのですが、それでもついつい見てしまう魅力があります。渡瀬恒彦さんも2時間ドラマではいつも見ますね。
総評
2時間ドラマに填まったのはスカパーを見るようになってからです。スカパーを見るようになって暫くは2時間ドラマに見向きもしませんでした。私はパソコン作業をする際に、無音は寂しので横のモニタに動画やスカパーの番組を流しておくのが習慣になっています。いつもは貯まっている録画した番組や好きなドラマやアニメを選んで垂れ流ししているのですが、それすら面倒なときにしょっちゅう放送をしている2時間ドラマを付けるようになりました。そうしたところ、横目で適当に見ても内容が理解できますしそこそこ面白いですし、徐々に填まり始めて遂には録画までするようになってしまいました。
決して集中して見て面白い訳ではないと思うのですが、気軽に見られると言うメリットがこれほどまで大きいとは思いもしませんでした。90点や100点の映画やドラマばかりが世間に必要とされているわけではないことがよく分かりました。60点のドラマはドラマで必要なんです。
こんな人にお勧め
- 気楽にドラマを見たい人
- ながら見したい人
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